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マンションの間取りの選び方は?間取り図の読み方も解説

マンションの間取りの選び方は?間取り図の読み方も解説

マンションで快適な生活を送るには、家庭ごとに適した間取りを選ぶことが大切です。

しかし、間取りにはさまざまな種類があるうえに専門用語が存在するため、あまり理解できていないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、マンションの間取りの選び方や、間取り図の読み方について解説しています。

マンションの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

間取り図の基本的な読み方

マンションの間取り図を見る際は、部屋の向き・広さ・タイプ・設備などに注目する必要があります。

ここでは、間取り図の基本的な読み方を解説します。

 部屋の向き

部屋の向きは日当たりや眺望に大きな影響を与えるため、間取り選びの際に重視されるポイントのひとつです。

間取り図のなかでは、「N」が差す方向が北側・その反対が南側を指しています。

日中の日当たりがよい南向きや朝日の光が入りやすい東向きの部屋が人気を集める傾向にあります。

ただし、マンションの立地やライフスタイルによっては、必ずしも南向きや東向きが適しているとは限りません。

また、周辺に高い建物が建てられている場合、室内に十分な光が入らないこともあります。

間取り図だけで判断せず、実際に現地で確認することが大切です。

 部屋の広さ

マンションの間取り図で部屋の広さを表す際は、ほとんどの場合、平米・坪・帖(畳)などの単位が用いられます。

それぞれの面積は以下のとおりです。

単位平米で表した面積
平米(㎡)
約3.306平米
帖(畳)1.62平米~

ファミリー向けのマンションに多い3LDKは、一般的におよそ70平米前後の広さで設計されています。

ただし、マンションによって各部屋の広さは異なるため、実際に見学してみると引っ越したあとの生活をイメージしやすくなるでしょう。

なお、「帖(畳)」は畳1枚分の広さを表しており、平米数を1.62で割るとその部屋が大体畳何帖分かを知ることができます。

 部屋のタイプ

間取り図では、部屋がどのように分かれているのか・どのような用途の部屋なのかを「1K」「3LDK」といったようにアルファベットの略語で表しています。

それぞれの略語の意味は以下のとおりです。

略語意味
Lリビング(居間)
Dダイニング(食堂)
Kキッチン
DKダイニング+キッチン
LDKリビング+ダイニング+キッチン

DKでは1部屋にダイニングとキッチンの両方の機能が備わっていることを、LDKでは1部屋にリビング、ダイニング、キッチンの機能が全て備わっていることを表すものです。

略語の前についている数字はL・D・K以外の部屋の数を表しており、「1K」は「1室+キッチン」・「3LDK」は「3室+LDK(リビング・ダイニング・キッチン)」という間取りを意味しています。

また、DKとLDKについては、公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会によって部屋数に応じて広さの基準が定められています。

部屋数DKLDK
1部屋4.5帖~8帖~
2部屋以上6帖~10帖~

 その他の用語

間取り図では、部屋タイプのほかに設備についてもアルファベットの略語で表されます。

よくある設備の表記と意味は以下のとおりです。

略語意味
Sサービスルーム
N納戸
DEN書斎
CLクローゼット
WICウォークインクローゼット
WTCウォークスルークローゼット
SICシューズインクローク
UBユニットバス
PSパイプスペース
MBメーターボックス

間取りを選ぶ際のポイント

ここでは、間取りを選ぶ際のポイントを4つ紹介します。

それぞれの特徴を踏まえたうえで、後悔のない部屋選びを目指しましょう。

 ライフスタイルに合わせる

快適に生活するには、家族のライフスタイルに合わせた間取りを選ぶことが大切です。

たとえば日中に家族がいるのか、どの部屋に一番家族が集まるか、自宅で仕事や趣味をおこなうのかによって適切な間取りが異なります。

また、今は子どもが小さい場合でも、将来成長したときにライフスタイルが変化する可能性も考えられます。

引っ越し後の部屋でどのような生活を送りたいかを事前にイメージして、間取りで優先すべきポイントを明確にしておくとよいでしょう。

 ライフステージの変化を考慮する

将来ライフステージが変化する可能性があるため、現時点の生活だけでなく長期的な目線で選ぶ必要があります。

たとえば家族が増えた場合に備えて部屋数にゆとりを持って選ぶ、老後も生活しやすいようバリアフリーの部屋を選ぶといった選択がおすすめです。

また、部屋によっては仕切りなどで間取りを自由に変更できるものもあります。

 生活動線をチェックする

マンションにおいて、生活動線は暮らしの快適さを左右する重要なポイントです。

また、生活動線がスムーズな部屋は家事の効率も上がります。

キッチンとリビングの行き来や各部屋へのアプローチなどは間取りによって異なるため、ライフスタイルに合ったものを選びましょう。

生活動線がピンと来ない場合は、実際に内覧しながらマンション購入後の生活をイメージしてみると確認しやすくなります。

 収納スペースを確認する

間取りを選ぶ際は、部屋数や部屋のタイプだけでなく、収納スペースについてもチェックしておきましょう。

たとえば家族の人数が多い家庭や、スキー・ゴルフといった大型の道具がある家庭では、十分なゆとりのある広い収納スペースが必要です。

また、各部屋に収納スペースが用意されていると、用途に合わせて荷物を片付けやすくなります。

ただし、部屋の広さによっては、収納スペースが居住空間を圧迫してしまうことがあります。

ただ収納スペースがたくさんあればいいというわけではなく、家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

よくある間取りタイプの特徴

ここでは、マンションに多く見られる間取りタイプの特徴と、それぞれ向いている家族構成やライフスタイルについて解説します。

間取り図を見る際や内覧時の参考にしてください。

 田の字型

田の字型とは、上から見ると漢字の「田」に見える間取りを指します。

玄関から真っ直ぐに廊下が通っており、廊下を挟んで左右に部屋が配置されている点が特徴です。

田の字型のマンションは全ての部屋が同一の間取りで作られていることが多く、上下階の部屋も同じ位置にリビングや寝室があるケースがほとんどです。

そのため「上階のリビングでの足音が自宅の寝室に響いてうるさい」といったトラブルの発生が少なく、人数が多い家庭や小さな子どもがいる家庭に適しているともいえるでしょう

 ワイドスパン

ワイドスパンとは、バルコニー側の間口が広く、リビングが横長に作られている間取りを指します。

ワイドスパン型では別タイプの間取りと比べてリビングの奥行きが浅くなるため、部屋の奥まで太陽の光が入りやすい点が特徴です。

また、どの部屋でもバルコニーにアクセスしやすいことから、バルコニーの利便性が上がるといったメリットもあります。

部屋の構造上、リビングに生活動線が集まりやすいため、家族団欒の時間を大切にする家庭におすすめです。

 リビングイン

リビングインとは、部屋の中央にリビングが設けられている間取りを指します。

リビングが廊下の役目を兼ねており、各部屋に移動するには必ずリビングを通る必要がある点が特徴です。

廊下部分が少なくて済むことから、各部屋に十分な広さを確保できるといったメリットもあります。

家族と顔を合わせる機会が増えるため、家族のコミュニケーションを大切にしたい家庭や、思春期の子どもがいる家庭におすすめです。

ただし、リビングに来客を招いた場合、家族とは必ず鉢合わせることになる点は留意しておくとよいでしょう。

 センターイン

センターインとは、玄関が部屋の中央に設けられている間取りを指します。

リビングと各部屋が壁続きになりづらく、分離して配置しやすい点が特徴です。

それぞれの部屋が独立することから、家族のプライバシーを大切にしたい家庭や子育て世代に適しています。

ただし、センターイン型の間取りはあまり多く作られておらず、価格が高価格になりがちです。

まとめ

この記事では、マンションの間取り図の読み方や間取りの選び方について解説しました。

部屋の間取りを選ぶ際は、ライフスタイルを長期的な目線で考慮したうえで、収納スペースや間取りタイプを決定することが大切です。

また、自分で間取りを変更できる部屋やバリアフリーの部屋を選ぶと、ライフステージが変化しても安定して生活しやすくなります。

どのような間取りを選ぶべきか迷った場合は、不動産会社に相談しながら複数の図面を比較検討するとよいでしょう。

今回の記事もぜひ参考にしてください。

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著者情報

宅建士 兼 Webライター

井後 帆乃香

【経歴】

宅建士として不動産会社に勤務するかたわら、SEOライティングを中心に幅広く活動するWebライター。

「不動産って難しい!」と頭を抱えた経験から、難しい言葉を使わず、わかりやすく丁寧にお伝えすることをモットーとしています。

家に居る時は、愛猫を膝に載せながら執筆することも。

保有資格:宅建士/日商簿記2級/ITパスポート試験 など