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不動産登記法の改正
改正の背景
不動産の取得や売却に伴う権利の移動などは、その事実を登記することによって、第三者に権利を対抗(主張)することができます。不動産登記法は、明治32年の制定以来、部分的な改正はありましたが100年以上にわたって基本的な改正がありませんでした。
インターネットに代表される情報技術の急速な進展によりIT革命が大きな時代のうねりとなって進んでいる現代、電子商取引の推進や電子政府構想など高度で安全性・信頼性の高いIT社会の実現により効率化・競争力の強化をはかることが国の政策として必要との認識のもとにその一環として不動産登記法について
インターネットによるオンライン登記申請制度の導入
を前提とした所要の改正がなされました。
改正法の適用スケジュール
法律は平成16年6月に成立し、平成17年3月から施行されることになっていますが、まだ全ての法務局で登記情報の電子化が完了しているわけではありませんので、まず、3年をメドとして全法務局の登記情報を電子化し、すでに電子化されている法務局のうち
さいたま地方法務局上尾出張所を第1号のオンライン指定庁
として指定して、順次オンライン指定庁を全国に広げる予定です。
※
現在簿冊(紙)による登記簿を備え付けている「ブック庁」と登記事項をコンピュータのデータベースとして保有している「コンピュータ庁」がありますが、3年以内に全法務局が「コンピュータ庁」となる予定です。
現在
平成17年3月
平成20年頃〜
ブック庁
コンピュータ庁
ブック庁
コンピュータ庁
(非オンライン指定庁)
コンピュータ庁
(オンライン指定庁)
オンライン指定庁
(全法務局)
主な改正事項
オンライン指定庁では、今まで行なわれているペーパーベースの登記申請とインターネットによる電子的登記申請の両方ができることになります。
コンピュータによる電子的登記申請を利用する場合、権利書や印鑑証明書、住民票、委任状などのペーパーでは手続ができませんので、これらに代わる情報や電子的情報の使用を想定した改正が行なわれました。
ペーパーベースの登記申請
オンライン登記申請
原因証書
(申請書副本、売渡証書)
※
登記原因証明情報の提供
(電子署名・電子証明書)
権利書
※
登記識別情報
の提供
権利書を添付できないとき
”保証書”
による本人確認
※
登記識別情報が提供できないとき、次のいずれかの方法による本人確認
・
事前通知制度
・
資格者代理人の証明
(司法書士・弁護士)
・
公証人の認証
住民票
住基ネットのオンライン照会
印鑑証明書
電子証明書
(住基ネットカード内の公開鍵証明書)
委任状
委任情報
(電子署名・電子証明書)
資格証明書
電子証明書
その他の書面
電子的作成
(電子署名・電子証明書)
登録免許税印紙納付
インターネットバンキングによる歳入金電子納付システム
※
印の項目は、オンライン指定庁を含む全ての法務局でペーパーベースの登記申請をする場合にも適用されます。(その場合、登記原因証明情報は紙によるものとなります。)
登記識別情報は、本人の申出により不発行とし、あるいは失効させることができます。
これらの制度導入に伴い、登記申請の出頭主義が廃止され、全ての登記申請が郵送で可能となりました。また、訴訟など争いがあることを公示するための「予告登記」の制度が廃止となりました。
このように制度は変更となりますが、
既に手元にある権利書や改正法が適用されるまで交付される権利書は、法の施行後も何ら効力に変更があるわけではありません
(無効にならない)
ので、今まで通り大切に保管することが必要です。
■最初の所有権移転登記
■次の所有権移転登記(ペーパーベース申請)
■次の所有権移転登記(オンライン申請)
次の所有権登記で法務局に提供される「登記識別情報」は、ペーパーペース申請でもオンライン申請でも、正しいものが提供されたかどうかが本人以外には判りません。そこで次のような”正しい登記識別情報が提出されたことの証明”がなされるものと考えられます。
今後の予測
オンライン登記制度を考えるとき、高度で安全性・信頼性の高いIT社会の実現という国の政策と一般人との意識にはかなりの温度差がありますし、ネットの中で、個人の住民票や印鑑証明書になる住基ネットや印鑑証明書になる認証制度の定着、署名押印になる電子署名法の定着さらに権利書の代りになる登記識別情報の管理ノウハウの定着
(登記識別情報を受け取っても、使用する〈売却する〉のは20年後かもしれません。そのあいだ外部に漏れないよう、忘れないように管理することの困難性をクリアする社会制度の定着)
などがあって初めて改正法の予定する姿になるものと考えられます。
…ですから、
当分のあいだは、今までとあまり変わらない不動産取引や登記手続の形態が続くものと予想されます。
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