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失敗しない!「不動産買取」 買取件数ランキング付き!

失敗しない!「不動産買取」 買取件数ランキング付き!

【目次】
1.はじめに
2.買取再販業者ランキングと得意分野
3.不動産の買取再販とは?
4.買取再販業者に売却するメリット
5.買取再販業者に売却するデメリット
6.仲介か買取か
7.直接買取か仲介者を経由した買取か
8.売却をご検討中の皆様に注意していただきたいこと
9.まとめ

1.はじめに

こんにちは、コラム担当の米川です。
近年、「不動産の買取(再販)」という言葉の認知度が向上してきていると感じています。以前、買取といえば「車」や「ブランド(品)」が真っ先に連想されたように思います。試しにグーグルで検索してみると以下のような結果になりました。

「買取」約 271,000,000件
「買取」+「車」約 102,000,000件
「買取」+「ブランド」約 102,000,000件
「買取」+「不動産」約 42,000,000件
「買取」+「マンション」約 18,600,000件
やはり、「車」や「ブランド」には及びませんでしたが、なかなか多くの検索結果が出てきました。

また、不動産取引で最も一般的な「仲介」という取引形態もワードとして調べてみました。

「仲介」+「不動産」約 70,900,000 件
「仲介」+「マンション」約 49,400,000 件

やはり認知が上がったとはいえ、最も一般的な「仲介」には大きく水をあけられる検索結果になりました。

しかしながら多くの検索結果があることは間違いなく、ニーズのある分野であることがうかがわれます。
今回はこの「不動産の買取」をテーマにお伝えしようと思います

2.買取再販業者、販売件数ランキングと得意分野

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リフォーム市場・リフォーム業界の専門紙「リフォーム産業新聞」という業界専門新聞によると、以下の企業が買取再販件数の上位企業になります。

リフォーム産業新聞はこちら

■買取再販件数ランキング上位10社のご紹介(2018年度)

1位、カチタスさん(群馬県桐生市)の3,996戸。
ランキング調査開始以来、6連覇を続ける企業です。全国展開で地方都市を主たる事業地域としています。世帯数割合でみた、カチタスの物件が最も売れている地域は、秋田県、山形県、青森県の順になるようです。平均価格1400万円ほどの一戸建てを中心に物件を供給しています。

2位、ベストランドさん(東京都港区)の2,084戸。
面積平均が45㎡のマンションを買取し、80万円台ほどの小額リフォームを行い、平均価格1,229万円という低価格で販売するビジネスモデルです。取り扱いのほとんどがマンションになります。

3位、前回5位のフジ住宅さん(大阪府岸和田市)の1,470戸。
前年から販売戸数が144戸増加。同社は新築ビルダーですが中古にも強いのが特徴です。

4位、大京穴吹不動産さん(東京都渋谷区)の1,454戸。
仕入れ戸数が1800戸になり、次回(2019年度)の巻き返しが予想されます。74店舗を全国に展開し、取り扱い物件はほぼマンションのみになります。

5位、リプライスさん(愛知県名古屋市)の1,356戸。
同社はカチタスのグループ会社で、カチタスよりも都心部エリアで営業しています。単価はカチタスより約500万円高いです。全国展開で一戸建てを中心に物件供給しています。

6位、インテリックスさん(東京都渋谷区)の1,199戸。
前年3位から3ランクダウン。約270戸販売が減少しています。競合の増加による仕入れ相場の上昇が主な要因のようです。

ここまでが年間1,000戸以上を供給、販売する企業でその数は6社にもなりました。

7位、イーグランドさん(東京都千代田区)の846戸。
前年より販売戸数が100戸減りました。マンションと一戸建てを販売しています。

8位、レジデンシャル不動産さん(東京都足立区)の795戸。
前年から146戸増加し、順位を1つ上げました。同社は他社の進出していないエリアへ出店するのが特徴です。自社独占エリアを作る戦略で成長しています。主たる取り扱い物件はマンションです。

9位、オークラヤ住宅(東京都千代田区)の764戸。
前年より9戸増加しました。取り扱いはほぼマンションのみになります。東京・神奈川・埼玉・千葉に16店舗を配し営業活動しています。

10位、トータルエステートさん(東京都中央区)の724戸。
前年より172戸増加しました。2店舗で営業地域は東京と横浜になります。

■ランキング11位以下の注目企業

12位、スター・マイカさん(東京都港区)の650戸。
同社は今期、販売戸数の倍近い1,250戸も仕入れています。同社は賃貸のオーナーチェンジ物件をターゲットに、借主退去後の改修、販売に重点を置いているようです。

19位、大和ハウス工業さん(大阪府大阪市)の371戸。
ハウスメーカーでは371戸販売した大和ハウス工業(大阪府大阪市)が最も積極的に取り組んでいます。同社は近年中古住宅に関わるブランドを「Livness(リブネス)」という名称に統一して、ストック事業にも取り組んでいます。同社は販売戸数より67%も多い620戸も仕入れています。
両社は来年以降、より一層の成長の可能性がありそうです。

36位、リビタさん(東京都目黒区)の133戸。
平均販売価格のトップはリビタの9500万円でした。同社は東京都の青山、赤坂などの超高級住宅を取り扱い、億ションの再生も多数手がけています。「R100TOKYO」というブランドで都内にありながら100㎡を超える面積のマンションをリノベーションして販売しています。

■200戸以上を供給する企業が29社に拡大

今回のランキングでは中堅の成長が目立っています。500戸以上取り扱う企業は前回から4社増加して16社に、200戸以上販売する企業が2社増加し29社に、100戸以上の会社が3社増加して39社になりました。

■買取再販市場は成長中

買取再販市場は伸びてきているようです。今回の調査で上位50社の販売戸数は2万4,525戸でした。これは前回の2万2,408戸から9%増加した数字になります。2014年度の1万5,266件から比較すると、5年で60%伸びたことになります。

出典:リフォーム産業新聞第1370号より抜粋、加筆をしています。

3.不動産の買取再販とは?

不動産の「買取」とは不動産を不動産会社が売主さまから買取りする行為のことを指します。現在ではいくつかのカテゴリーがありますので、わかりやすく分類したいとおもいます。

■「買取再販」=空室前提物件の買取

最も多く見受けられる買取です。空室をリノベーションして販売するビジネスモデルです。今回のテーマはこの「買取再販」です。

オークラヤ住宅の「直接買取」はこちら。

■ストック買取

賃借人が住んでいる、賃貸中物件の買取です。賃借人が退去するまでは収益物件として運用し、退出後はリノベーションを実施して再販するビジネスモデルです。賃借人の退出時期は平均すると買取から2年半後程度になるようです。

■リースバック買取

売主さまがお住いのままで買取し、そのまま賃貸として住宅を貸し続けるビジネスモデルです。近年急激に需要が増えてきましたが、まだまだそれほど多くはないです。

オークラヤ住宅の「リースバック買取」はこちら。

4.買取再販業者に売却するメリット

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■引渡しの時期が明確で、売却代金を希望するときに受取ることができる!

一般的な「仲介」での売却を選択する場合、不動産会社に売却を依頼した時点から買主さま探しが始まります。よってこの段階では、いつ契約できるのか、いくらで売れるのか、いつ引渡して売却代金を受取れるのかは、買主さまの希望もあるのでまだわからない状態です。売出価格が相場より高すぎたり、物件の状態に問題があったりすると、反響が少なくなり、場合によっては、購入希望者が現れず、売却自体を断念(中止)する場合も発生します。

一方、「買取」による売却の場合は、不動産会社が買主になりますので、売買金額等の条件やスケジュールなどの合意がとれれば、すぐにでも売買契約が可能となり、一般的には契約から1~2週間後には物件を引渡して売買代金全額を受取ることができます。

■不具合箇所を補修する必要がなく、現状のままで引渡すことが可能!

不動産の売買契約においては、売主さまは把握している範囲で、買主さまに建物内外の不具合箇所や破損箇所を補修して引渡すか、告知して買主さまの了解を得たうえで現状のまま引き渡すことになります。

しかしながら売主さまが知らなかったとしても責任を負わなければならない範囲があります。これを瑕疵担保責任といいます。具体的には引き渡し後3カ月以内に雨漏りや給排水管の故障、シロアリの害等が発覚した場合、その修繕の義務は売主にあるとするものです。

この期間内に物件の瑕疵が発見された場合、売主さまは修繕費用の支払いが必要となる場合があります。(内容によっては多額の出費を強いられる可能性があります。)

買取ではほとんどの場合、不具合が判明している場合でも、現状のまま引き渡すことが可能となります。もちろん、売買契約書には売主さまの瑕疵担保責任、主要設備修復責任の免責の特約条項を記載します。なぜそんなことが可能かというと、不動産会社は事前に綿密な物件調査を行い、補修費用を把握し、または全面的に改修する前提でリノベーション費用を把握しています。提示される買取価格はこの改修費用を事業原価として差し引いたうえで提示されています。

2020 年 4 月 1 日から施行される改正民法では、現行の「瑕疵担保責任」 が改正民法では「契約不適合責任」に転換されます。今後の民法改正を考慮すると、「契約不適合責任」の免責は、以前に増して売主さまに大きなメリットとなると思います。

■購入意思が不明確な“決まらない内覧”がない!

仲介による売却では、インターネットのポータルサイトや業者間情報共有システムであるレインズなどで、売却物件の情報が公開されています。ということは、ちょっとでも興味のある方は現地を見てみたいと考えます。

売却依頼を受けた不動産会社としても、成約を目指しているので購入希望者による現地内覧が必要不可欠です。当然、購入希望者と思われる方には内覧をお勧めすることになります。もちろん、直接依頼を受けていない、ほかの不動産会社にも、興味のある方、現地を見てみたいと思うお客様がおり、連絡が入れば共同(協働)して内覧希望に対応します。

しかしながら内覧する方のすべてが物件の購入希望者であるとは限りません。「ちょっと興味のある」お客様もいれば、「他の購入予定物件と最終的な比較検討をするための内覧」というお客様など、契約に至らない内覧になってしまうものも多くあります。

売主さまが物件にお住いの場合、共働きで忙しかったり、休日に予定を入れたかったり、ご家族が体調を崩していたり、小さなお子さんやご高齢のご家族がいたり、いろいろな事情があると思います。

毎週末に1日2~3件の内覧がある場合、私の経験ですと、もう売主さまはぐったりしてしまいます。(週末も出かけられず、生活しながら気を使って片づけをしたり、内覧の隙に食事をしたり、こちらとしても申し訳ない気持ちになります。)ましてや平日の夜間にまで内覧希望があったりすると、生活が落ち着かず、体調にまで影響が出ることもあります。

一方買取の場合は、必要最低限の購入価格が高そうな不動産会社と日程を調整して内覧をしてもらうだけになりますので内覧に対応する負担は相当に軽くなります。

■近隣に知られないよう売却することも可能!

売却される方の中には、できる限り近隣に知られないように売買を済ませたいと思われるお客様がかなりいらっしゃいます。その理由のなかで最も多いのが、住宅ローンなどの返済が困難になり、自宅を売却して住宅ローンを一括返済する場合です。これは、購入時点では返済余力が十分にあったものの、病気や転職等の理由により収入が減少したり、教育費等など子供に掛かる費用や生活費が増えたり、返済計画に支障が生じることが要因となっています。

その他にも、夫婦の離婚や子供の問題など、家庭内の事情で売却するケースもあります。そのような際は買取業者に事前に希望を伝え、事情を説明しておけば、調査や引越しの手配等を、できる限り近隣に知られないよう対処してもらうことができます。もちろん仲介のように販売広告を行うことはないので近隣に配布されるチラシ広告等やインターネット広告で売りに出していることが知られる心配は一切ありません。

■「告知事項あり」物件はどうすればよい?

不動産に関する言葉で「告知事項あり」という言葉があります。これは買う方に対して必ず伝えるべき事柄があることを意味しています。大まかな意味は買主さまの購入意思に重大な影響を与える事項があるという意味です。そのおもな場合が、物件やそのごく近隣での事故や事件、自殺や他殺などです。

このような場合、市場価格で公開して仲介で売却しようとしてもやはり売れないことが多いです。また、「告知事項あり」として市場価格より大幅に安く売りだした場合も、「なんでそんなに安いんですか?」「ああ、やっぱりそういうことだったのですね。」と、それでもなかなか売れないものです。

結論から言うと、このような場合は最初から買取を検討する方が良いと思います。もちろん、金額的にはかなり安くなりますが、なかにはそのような物件を”得意“とする不動産会社もいます。事件内容によっては難しいケースもあるようですが相談してみる価値はあります。

5.買取再販業者に売却するデメリット

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■「買取」は「仲介」よりも手にできる金額が低くなる

「買取」による売却は、時間的にも手続きにおいてもメリットが多い売却方法と言えます。しかし一方で、買取価格は一般相場価格より確実に安いというデメリットが存在します。「仲介」で市場で一般顧客に販売する価格を一般相場価格とすると、不動産会社による「買取」では一般相場価格の6割~8割程度の価格になってしまうケースが少なくありません。なぜそのような安い価格になってしまうのでしょうか。

■不動産会社の「買取」価格が低い理由

買取再販事業を行う不動産会社は買取した物件を自社が売主となって再販売することをおもな目的としています。再販売にあたっては主に室内のリノベーションを施工後に販売します。

施工内容としては、マンションの場合は室内、一戸建ての場合は室内のみならず外装工事も行う場合が多くなります。室内の状況にもよりますが一般的にはほとんどすべての設備機器を交換し、現在のライフスタイルに合わせるために一戸建てであればキッチンを1階から2階へ移動して明るいLDKを演出したり、マンションの場合でも一部屋を解体してLDKを明るく広くするなど間取り変更も行うことがあり、それ相応の工事費用を掛けて物件を魅力的なものに改修していきます。

もちろん不動産会社はある一定以上の利益を確保する必要があり、万が一想定した価格で販売できなかった場合のリスクも負わなければなりません。このように不動産会社は買取後に相当額の資金を投じて物件を商品化しています。このように、必要なコストとリスクへの備えを考慮する必要があることから、一般相場価格よりも買取価格が低くなってしまうのです。

6.仲介か買取か

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■選択の基準は?

今まで説明をさせていただいた通り、売買価格の側面だけを見た場合、「仲介」で一般のお客様に売却するのが得策だと思います。しかしながら売主さまにご事情があり、一般的な「仲介」による販売活動が行えない場合や、売主さま自身がそれを希望されない場合は「買取」を選択することになるものと思います。

売主さまとしては「買取」によって得られる、「取引におけるご自身のメリット」が、仲介と買取での売買で得られる金額差額以上であれば「買取」を選択することになろうと思います。

7.直接買取か仲介者を経由した買取か

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■計算の仕方、選択の基準は

以前は、一般的に名前が知られている仲介業者がお客様から相談を受け、その相談内容を一般的には社名をあまり知られていない、「買取専門業者」に聞いて価格を提示してもらうことが一般的でした。

相談をした不動産会社が買取できない場合、ほかの買取業者にお話を持ちこみ、価格を提示してもらう段取りになります。この場合お客様も、買主になる買取業者も仲介をしてもらうことになるので仲介手数料の支払い義務を負うことになります。

(ケースA)

(例)仲介売買価格3000万円 売主支払い仲介手数料(税込)105.6万円 買主支払い仲介手数料(税込)105.6万円
売主さま受取手取 3000万円―105.6万円=2894.4万円(受取A)
買主不動産会社支払 3000万円+105.6万円=3105.6万円

現在は、大きな仲介会社でも築年数が新しい物件や人気のある物件を中心に買取しています。お客様が相談した不動産会社が、お持ちの物件の買取可能な場合、たいていの場合は直接取引になるので仲介手数料が不要になります。

(ケースB)
もし上記と同じ事業プランで購入する場合、手数料支払いがない分、理論的には上記の3105.6万円で購入することが可能です。
(例)直接買取価格3105.6万円
売主さま受領額 3105.6万円(受取B)
買主不動産会社支払 3105.6万円

この両者を比較すると(受取B)-(受取A)=211.2万円

(ケースA)と(ケースB)の取引を売主さまの立場から計算すると、(ケースB)の取引の方が収益が211.2万円増える事になりました。
この結果から見えるのは、買取の相談をする場合、ご所有物件を直接買取可能な不動産会社に相談することが得策になると思われます。

8.売却をご検討中の皆様に注意していただきたいこと

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今までの実務経験から売却の検討段階で注意していただきたいことがあります。

■内装工事を施工してから査定を依頼する

売却準備として内装工事や外壁工事を行ってから査定を依頼されるお客様がいらっしゃいます。お客様のお気持ちとしては「人にお見せするのに失礼のないように。」「自身の生活をお見せするのが気恥ずかしい。」「内装工事をすれば高い金額で売れるはず。」等、いろいろ考えていただいたうえでのことでした。しかしながら全てが功を奏した訳ではありませんでした。具体的には

(例1)請求されるがまま、非常に高額な工事費用を支払っているケース

35㎡のマンションのキッチン交換、浴槽交換、給水管・給湯管の一部交換(露出仕上げ)で当初提示見積もり金額の300万円を280万円に値引きしてもらい支払う。(一般的には実質100万円程度の工事でした。)

(例2)必要な工事を見落としているケース(赤水対策)

表面的には設備を全部交換しているが、床下と壁裏に配管されている給水管・給湯管・排水管の交換が未実施。(古いマンションで赤水が発生しているケースで、追加で工事をする事になり施工済個所を解体・復旧するなど、余分な費用が追加発生しました。)

(例3)既存の部分と新規交換した部分のイメージが大幅にミスマッチしてしまうケース

新規交換した部分が今どきのデザイン。既存の部分がお部屋全体の半分程度残っている状況。床の段差等も非常に目立つような状態。特に、新しく交換した室内ドアが既存のドア枠に合わせ特注したため、高額なうえ、高さが低く(175cm程度)見栄えが悪い(追加でミスマッチ部分の修正が必要になり設備の脱着や床のレベル調整、一部追加工事の施工等、余分な費用が追加発生しました。)

お客様の知識がないことに付け込んで高額な請求をするケースや、売買に必要な要素を見落としたり、工事費用を節約しようとして、逆に費用負担が増える結果になることが見受けられます。特に30年以上経過した古いマンションに発生しがちです。

■室内の不用品を処分する

もちろん売却する際、最終的にはお部屋を空室にして引き渡すことになるので、室内の不用品の処分は必要な作業であり費用負担になります。しかしながら不用品の処分で、毎週毎週可燃ごみの日、不燃ごみの日、資源ごみの日に遠方から来て、不用品の搬出をしたりして空室にしたようなお話を伺うと申し訳なく思います。

特に粗大ごみが月に1回しか回収されない地域で何度も何度も自分たちで当日家の前まで運んだお話をご高齢の方から伺うと、本当にもっと早く出会えていたらと思ったりします。また、不用品処分も法外な処分費を請求する業者のお話をお客様から伺うことがあります。

(例)親が住んでいたマンションの家財道具の最後の一部(大型家具、大型家電等)を処分
処分品は自分一人では運べなかった大型の5点のみ。処分費用(リサイクル費用含む)で35万円を請求されそのまま支払いしてしまう。

■参考に

仲介で販売するにしても、買取で不動産会社に購入してもらうとしても上記の「内装工事を施工してから売りに出す」「室内の不用品を処分してから売り出す」ことは不動産会社に相談してからにした方が良いと思います。買取の場合は、不用品の処分を不動産会社にお願いすると、概算処分費用を事業原価として織り込んだうえで買取価格を提示してもらう事が可能な企業が多いです。

また新規で施工した内装工事に関しても大変残念なことですが、大抵の場合は解体して、その不動産会社の定型リノベーションを施工することになります。

もし、ご自身にて先行して内装工事や不用品処分を行う場合は次の数字を目安として騙されないようにしてください。

内装費用はリノベーションといわれる、室内の大部分を解体し作り直す工事で、標準的な材料を用いた場合、50㎡のマンションで600万円前後が目安です。もちろん一部交換等の場合もっとはるかに低額になります。目安として覚えておいてください。

不用品の処分はリサイクル費用を支払わなければならない品目があることを認識してください。処分費の目安ですが50㎡のマンションに、ある程度多めに処分品が残っているような状況で25~30万円前後になります。

大きなものが何点か残ってしまった等のレベルでは5万円前後を目安として覚えておいてください。(上記の金額はあくまで目安です。詳細は必ずご相談ください。)

オークラヤ住宅の不用品お引き取りサービス(5点まで)はこちら

9.まとめ

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いろいろと買取について説明をしてまいりました。文章を作成していて思い出されるのは、お取引したお客様との思い出でした。先に説明した内装工事や不用品処分は全てわたくしのお客様の実話です。これらの案件は、本当にもう少し早くお話しできていればなんとかできたのに…と今でも思います。

今年は大型台風等で自然災害が多く発生して、被災者の弱みと知識不足に付け込んだ、ひどい商売や詐欺行為が多く発生していたのをニュースでもよく見ました。できれば自分が係りを持っているこの不動産業界では、今後不動産を売却する方や、買取を検討する方々が、適正なお取引を行えるようになる一助になればよいなとの思いでコラムを執筆しました。

また、今回はお客様の喜んでいる顔や安心した顔もたくさん思い出しました。わたしは営業マン現役時代に多くの仲介取引と買取再販取引を行ってきました。仲介でも買取でも、売主さまにはなるべく高く売る努力をするお約束をして、販売活動をできる限りの力で実行しました。(買取は、高い価格で再販売できる場合、高く買取することが可能なのです。)もちろん買主さまにはその時点でご紹介できる最善の物件をご紹介して喜んでもらいました。

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しかしこうして振り返ってみると、どの取引でも売主さまも買主さまも、最終的には価格は最重要要素でなくなり、お客様の納得感が一番大事なことだったのではないかと思います。

納得の契約がまとまったときに見せていただけるお客様の安心した表情と、すべてが無事に終わった時のお客様の柔和な笑顔が思い出されます。みなさま、本当に有難うございました。