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在宅勤務によって出てきた「自宅」への不満や変化する価値観

在宅勤務によって出てきた「自宅」への不満や変化する価値観

2020年は新型コロナウイルスが世界で猛威を振るい、日本でも初めての「緊急事態宣言」が発出され、私たちの生活や働き方に大きな変化をもたらせました。

2021年も、年が明けてすぐに、首都圏を中心に大都市圏で再び「緊急事態宣言」が発出され、またテレワークや時差出勤など、働き方を工夫する必要が出てきました。

このような在宅勤務などの推進で、「出社」を絶対ではなくす企業も増えてきて、毎日つらい通勤電車に揺られることも、あまりなくなりつつあります。

その結果、皆さんの自宅に関する「価値観」にも変化が表れました。この1年のコロナとの闘いの間、どう変わったのでしょうか。

今回のコラムは、昨年の9月に書いたものですが、再度緊急事態宣言が発出されたということで、一部文章を修正し、改めて公開することとしました。

【目次】
1、コロナのとの戦いも1年が経過
2、コロナ禍での住宅に対する不満
(1)仕事スペースの確保ができない
(2)オンオフの切り替えがしづらい
(3)モニタやプリンターなどの備品が十分ではない
(4)部屋数がほしい、もっと広い部屋に住みたい、収納を増やしたい
3、まとめ

1、コロナのとの戦いも1年が経過

新型コロナウイルスが日本で広がり始めて、1年が経過しようとしています。この一年間は、私たちの生活は一変し、コロナ前の生活に戻れそうな兆しも未だみられません。

2021年も緊急事態宣言から始まり、再び外出の自粛、在宅勤務の推進が求められています。前回ほどの雰囲気ではないものの、政府の要請を基に、各企業が社員の出社を抑制しています。

その結果、再び在宅勤務となった方や交代勤務となった方も多くいらっしゃると思います。今回の宣言下では、前回の緊急事態宣言によって出てきた自宅に対する不満は解消されましたでしょうか??

ここで再度、自宅に対する不満と少しでもその不満を緩和する方法について、お話します。

2、コロナ禍での住宅に対する不満

内閣府の調査(2020年12月)では、在宅勤務の推奨の結果、全国の在宅勤務実施率は2020年の5月に27.7%に上ることが分かりました。

特に首都圏の在宅勤務率は高く、約半分の5割近い人が在宅勤務を経験したと回答しています。

しかし今まで、家で「仕事」という文化がなかった日本では、実施だけが先行し、インフラを整えず在宅勤務に突入してしまいました。結果、「家」に対して今まで思いつかなかったような様々な思いを抱くようになりました。主だった住まいへの意識変化(不満)をご紹介します。

(1)仕事スペースの確保ができない

ここは、子育て世帯の方にとっては特に困ったところではないでしょうか。仕事は在宅、子供も休校や休園で在宅となり、家族全員が揃った状況で「勤務」をしなければいけません。

また、今は共働きの時代です。片方が子供の面倒を見るということも難しく、子供の様子を見ながら仕事をしなければいけません。特に目の離せない小さい子供がいる場合は気を遣ってしまいます。

となるとリビングで仕事するわけですが、このような環境では、仕事が進まない、電話などの連絡が取りづらいなど様々な支障が出てきます。

しかし、リビングにあるのは、食卓、テーブル、ソファが設置してあるのが一般的です。
もちろん仕事用のデスクや椅子はありません。仕方なく食卓を使って仕事をしている方が多いのではないでしょうか。

しかし食卓で作業をしていると、長く座るのには適してないことに気づきます。机と椅子の高さの調整もできず、その結果いつも以上に疲れます。そして、コードなどの紐をひっぱりに椅子の下には子供がやってきます。

リビングでしか仕事をできない環境の方は、体への負担を軽減できるように、リビング内に仕事用スペースを設けるしかありません。

スペースを設けるのが大変な方は、高さの調整ができる「椅子」だけでも用意すると、体への負担が軽減します。

また、子供の世話に関しては、ビデオを見せる、おもちゃを用意する、昼寝の時間を活用するなどの方法が良いでしょう。

(2)オンオフの切り替えがしづらい

物件検索サイト「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニーが行った調査によると、在宅勤務に関する不満1位が「オンオフの切り替えがしづらい」でした。 特にコロナ禍では外出も自粛だったので、「家時間」はとても増えました。休日も家、仕事中も家、毎日毎日風景が同じという時間の過ごし方になってしまいました。

毎日の通勤は苦痛ですが、今思えば、ある意味あれが気持ちの切り替えになっている一面もありました。毎日毎日同じ場所にいると、切り替えポイントを見失ってしまいます。

家には帰るだけだったなんて人は、しっかりと休憩時間を設けて、家の周囲を散策してみると気分転換にもなります。通勤時間がないわけですから、時間を有効に使いましょう。

(3)モニタやプリンターなどの備品が十分ではない

会社には、仕事場としての設備が充実しています。PCの画面も一般家庭が所持しているPCよりも大きかったり、デスクトップパソコンなので処理が速かったなりなど、社内では快適に作業が進みます。

しかし、その設備を自宅で整えようと思っても、かなりの費用が掛かります。在宅勤務を恒久化する企業では、補助などが出るようですが、まだそれは一部の企業のみです。
一般家庭でも実現できそうなことは、wifiなどのインターネット通信速度の改善ぐらいでしょうか。

この問題は、社会全体の問題になっています。押印の問題、紙で管理する問題、今回のコロナ禍で浮彫になりました。Withコロナの時代を迎えるならば、早い制度化が期待されます。

(4)部屋数がほしい、もっと広い部屋に住みたい、収納を増やしたい

上記の(1)や(2)に関わる話ですが、この部屋数が欲しい、広い部屋に住みたいという意見がアンケートでも多く聞かれるようになってきました。

部屋数が欲しいという意見は、仕事スペースの確保に繋がります。部屋の小分けが多いほど、専用スペースは確保されるので、こういった意見が多いと思われます。

またもっと広い部屋に住みたいという意見も仕事スペースの確保の他に、子供の面倒を見ながらリビングで仕事する際にスペースを広く使いたいということに繋がります。

分譲マンションの場合、全体の広さは変えられなくても、間取り(部屋の区切り方)は変えることができます。

50㎡前半の部屋でも、3つ部屋を持たせる3DKや3LDKの間取りにできますし、リビングを広く使いたいという場合は、リビングを広く持たせるようにリビングと接する洋室との区切りを無くことができます。このように今の部屋をリフォームすることで対応できます。

また、間取り変更などのような大掛かりなリフォームをしなくても、スペースの活用で仕事スペースを設けることができます。

リフォームをご検討方は、参考に弊社のグループ会社で、マンションの内装などを担う「オークラヤリビング」のブログ「テレワークにも便利なワークスペース」も参考にしてみてください。

又は、今の家からの住み替えを検討することもいいでしょう。
通勤が少なくなった、或いは無くなった方は、「通勤時間」をあまり考慮する必要がなくなるので家を決める上での優先度を下げて、郊外の広い部屋に住み替えるという検討ができます。

都心に比べて、緑も豊かになるので、勤務中の気分転換やリフレッシュもしやすくなります。

ただし、東京集中現象がなくなったり、解消されることは考えにくいので、「通える郊外」に留めておくことが現実的です。

このようにコロナをきっかけに「住み替え」を検討したという方も少なくありません。どんな部屋に住み替えたいかの意見では、部屋数を増やしたい、通勤利便性より周辺環境重視、周辺の公園などがある場所といった意見が目立つようになってきました。

これから購入する方も、購入検討中の方も、もう一度購入に関する優先順位を話し合ってみると良いでしょう。

3、まとめ

2020年は、コロナに一方的に振り回された一年でしたが、今年は、「ワクチン」という希望の光があります。効果はまだ検証されているわけではありませんが、ワクチンの普及が進めば、少しだけ以前のような生活に近づけるかもしれません。

しかし、コロナによって社会の流れがかわったことは事実です。コロナが終息しても、以前より「在宅勤務」は今後日本社会では増えていくことでしょう。通勤手当などを考え直す企業も増えてくるかもしれません。

今後は価値観だけでなく、働き方や社会なども多様化する時代を迎えます。自宅を住み替える方や、新規で購入される方などは、より一層自分の思いや家族の思いなどを考慮して判断しくと良いでしょう。