売却コラム
マンション売却コラム

マンションを売却する際の流れは?売却活動の注意点もあわせて解説

マンションを売却する際の流れは?売却活動の注意点もあわせて解説

マンションを希望の価格やタイミングで売却するためには、売却活動の流れを事前に理解しておくことが大切です。

しかし、どのようにマンションの売却を進めていけばいいのか、詳しく理解していないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、マンションを売却する際の流れや売却活動における注意点について解説しています。 マンションの売却を検討されている方はぜひ参考にしてください。

マンションを売却する際の8ステップ

マンションの売却活動は主に8つのステップに分かれています。

ここでは、それぞれのステップについて詳しく解説します。

1.売却計画

マンションの売却活動を行う前に、売却計画を立てておく必要があります。

まずはマンションをいつまでにいくらで売却したいのか・譲れない条件はあるのかなど、希望条件や売却の目的を明確にすることが大切です。

「いつまでに何をすべきか」が明確になっていると、売却活動をスムーズに進めやすくなります。

2.査定・相談

不動産会社に査定を依頼することで、売却予定のマンションの相場を知ることができます。

ただし、査定額はあくまでも立地・築年数・周辺環境などから算出した参考価格に過ぎず、実際の売却価格とは異なる点に注意が必要です。

また、査定額が高いかどうかだけでなく、信頼できる不動産会社を見極めることも重要になります。

複数の不動産会社に査定を依頼したうえで、それぞれの担当者に「売却の期限」「売却希望額」を伝え、納得のいく売却活動が行えるかどうか慎重に判断することが大切です。

3.媒介契約締結

売却活動を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結することになります。

媒介契約とは、売主が不動産会社に売却の仲介を依頼するための契約です。

契約の条件は一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約・の3種類になります。

媒介の種類 条件・特徴 注意点
一般媒介契約
  • 複数の不動産会社に仲介を依頼できる
  • 売主が直接買主を探すこともできる
  • 他の契約に比べて制限が少ない
  • 不動産会社からの報告義務がないため、活動状況がつかみにくい
  • 複数の不動産会社とやりとりする必要がある
専任媒介契約
  • 一社と媒介契約を締結する
  • 不動産会社は契約から7日以内にレインズへ登録する義務がある
  • 不動産会社は2週間に1度の報告義務がある
  • 売主が直接買主を探すこともできる
  • 他の不動産会社に売却の仲介を依頼できない
  • 原則3か月間の契約期間が定められる
  • 不動産会社の力量に左右されることがある
専属専任媒介契約
  • 一社と媒介契約を締結する
  • 不動産会社は契約から5日以内にレインズへ登録する義務がある
  • 不動産会社は1週間に1度の報告義務がある
  • 他の不動産会社に売却の仲介を依頼できない
  • 原則3か月間の契約期間が定められる
  • 不動産会社の力量に左右されることがある
  • 売主が自分で買主を見つけても不動産会社の仲介が必要になる

なお、3つのなかでもっとも多く選ばれているのが専任媒介契約です。

4.販売活動

不動産会社と媒介契約を締結したら、いよいよ販売活動が始まります。

レインズをはじめSUUMO等のインターネットサイトにマンションの広告が掲載されるため、問合せを待ちましょう。

購入検討者とのやりとりは基本的に不動産会社が担当してくれますが、居住中マンションの内覧は売主も立ち合いの必要があります。

購入検討者は複数のマンションをチェックしているケースがほとんどですので、良い印象を持ってもらえるよう、内覧時は部屋をきれいにしておくことが大切です。

5.条件交渉

売却活動を経て購入希望者が現れたら、価格や引渡し時期などの条件交渉に移ります。

一般的に条件交渉も不動産会社が行ってくれるため、希望条件を伝えておきましょう。

ただし、設備の状態や不具合の有無は売主が確認する必要があります。売却活動開始時に不動産会社から提供される「付帯設備表」を記入し、不具合や気になる点があった場合は必ず不動産会社に報告しましょう。

 6.売買契約締結

売買契約を結ぶ前に、不動産会社から買主に対して重要事項説明が実施されます。

ここで問題がなければ、売買契約書を読み合わせたうえで売主と買主がそれぞれ記名・押印し、売買契約を締結します。

売買契約の際に必要となる書類は以下のとおりです。

  • 権利証又は登記識別情報
  • 実印
  • 印鑑証明書(3か月以内に発行)
  • 住民票(住所変更がある場合)
  • 身分証明書(運転免許証等、顔写真つきのもの)
  • 収入印紙
  • 仲介手数料(※金額については不動産会社の担当者に確認・相談してください。)
  • 固定資産税の納税通知書

また、付帯設備と物件状況の確認、手付金や仲介手数料の受け渡しなども、売買契約と同じタイミングで行われるのが一般的です。

7.引渡し

売買契約を締結したら、売買代金の授受や仲介手数料などの清算といった決済手続きを経て物件の引渡しを行います。

設備等の最終確認を実施したと、問題がなければ鍵を買主に渡すことで引渡しが完了です。

また、引渡しの際には以下の書類等が必要となります。

  • 権利証又は登記識別情報
  • 実印
  • 印鑑証明書(3か月以内に発行)
  • 住民票又は戸籍の附票など(住所変更がある場合)
  • 身分証明書 (運転免許証等の顔写真つきのもの)
  • 仲介手数料(※契約時に一部支払った場合は、その残額となります。)
  • 登記費用(抵当権抹消及び住所変更等がある場合のみ)

付帯設備の説明書などがあれば、鍵と一緒に買主に渡しておきましょう。

8.確定申告

マンションの売却によって譲渡所得が発生した場合は、必ず確定申告を行ってください。

確定申告の期限は、売却した年の翌年2月16日〜3月15日です。

譲渡所得が発生しなかった場合は原則として確定申告は不要ですが、一定の条件を満たしていれば税制の控除を受けられることがあります。

不動産に関する控除や特例について詳しく知りたい場合は、不動産会社や最寄りの税務署などに相談してみるとよいでしょう。

当社ホームページでも確定申告について詳しく解説しているコラムがございますのでご覧ください。

マンション売却時に必要な費用

マンション売却後のお手取り金額を算出するには、売却にかかる費用を把握しておく必要があります。

ここでは、マンション売却時に必要な費用を詳しく解説します。

当社ホームページでも不動産売却にかかる諸費用について記載していますのでご覧ください。

仲介手数料

仲介手数料とは、売買契約成立後に売買の仲介を行った不動産会社へ支払う手数料です。

あくまでも成功報酬となるため、売買が成立しない限りは支払う必要はありません。

また、仲介手数料の上限は物件の売買価格によって以下のように変動します。

売買価格仲介手数料の上限
200万円以下売買価格×5%+消費税
200万円以上400万円以下売買価格×4%+2万円+消費税
400万円以上売買価格×3%+6万円+消費税

仲介手数料の支払方法やタイミングについては、売買契約を結ぶ前に不動産会社に確認しておくとよいでしょう。

登記費用

現在の登記内容と住所や氏名が異なる等、変更点がある場合は「住所変更登記」や「氏名変更登記」を行う必要があります。さらに、住宅ローンの支払いが終わっていない、終わっていても抵当権の抹消をしていない場合は「抹消登記」が必要です。 変更点や抹消しないといけないお借入れがいくつあるのかによって登記にかかる費用は変わります。また、「住所変更登記費用」「氏名変更登記費用」「抹消登記費用」に合わせて司法書士への報酬も必要です。

印紙税

印紙税とは、契約書などを作成する際に課税される税金です。

売買契約書や証書などに収入印紙を貼り付け、消印を押すことで納税したものとみなされます。

印紙税の金額は売買価格によって異なるため、詳しくは国税庁のホームページを参考にしてください。

住宅ローンの返済手数料

マンション売却にともなって住宅ローンの残高を一括返済する場合、返済手数料が発生します。

返済手数料は住宅ローンの金利や借り入れている金融機関によって異なるため、事前に確認してみるとよいでしょう。

譲渡所得税

マンションの売却によって利益が生じた場合、譲渡所得として所得税や住民税が課せられます。

譲渡所得となるのは、マンションの売却価格から売却にかかった費用や物件の取得費用などを差し引いた金額です。

また、譲渡所得税には控除を受けられる特例がいくつか用意されているため、要件を満たせば活用できる場合があります。

当社ホームページでも控除等について詳細を記載しておりますのでご確認ください。

名義変更料

土地の権利が「所有権」ではなく、「賃借権」の場合、売却に当たって「名義変更料」がかかる場合があります。 名義変更料の費用や支払いのタイミングは土地所有者との契約内容によって異なります。

測量費用

土地・戸建で境界や面積を確定させる場合に必要になります。

リフォーム費用

室内状況により、リフォームをしてから売却する場合はリフォームにかかる費用が必要です。

引っ越し費用

お住みかえをする場合は、引っ越し費用がかかります。

マンションの売却までにかかる期間

マンションの売却までにかかる期間は、3か月から半年が一般的です。

不動産会社に依頼したからといって、すぐに売却できるわけではない点に注意が必要です。

また、市況やお部屋の状態、周辺環境等によっては、売却までにさらに時間がかかる場合があります。

焦ることがないよう、スケジュールに余裕を持って売却活動に取り組みましょう。

マンション売却方法

マンションを買いかえする方法は、主に「買い先行」と「売り先行」に分かれます。

ここでは、それぞれについて紹介します。

買い先行

買い先行とは、新しい住居を購入したあとに、これまで住んでいた住居を売却する方法です。

新しい住居を自分のペースで探せるといったメリットだけでなく、時間をかけて売却できるため余裕を持って売却活動を進められます。

ただし、新しい住居購入後も、これまで住んでいた住居を売却できないと二重にローンを支払う場合があるため注意が必要です。

売り先行

売り先行とは、これまで住んでいた住居を売却してから、新しい住居を購入する方法です。

物件の売却代金を新居の購入費用に充てられるため、資金計画を立てやすいうえに資金的な安心を得られるといったメリットがあります。

ただし、これまで住んでいた住居を売却し引き渡した段階で、新しい住居に入居できない場合、仮住まいが必要なため注意が必要です。

マンションの売却時の内覧対応

マンションの内覧で購入検討者に好印象を持ってもらうには、室内をできるだけきれいな状態に保っておくことが大切です。

なかでも、室内で最初に目にする玄関や、汚れが目立ちやすい水まわりなどは重点的に掃除しておきましょう。

また、内覧の際には電気を点けお部屋を明るくすることで印象がよくなります。

まとめ

この記事では、マンションを売却する際の流れについて解説しました。

納得のいく売却を実現するためには、信頼できる不動産会社と協力して売却活動を進めていくことが大切です。

また、事前に用意が必要な資料等もあるため、余裕を持って準備を進めていきましょう。

売却に関してわからない点があれば、些細なことでも不動産会社に相談することをおすすめします。

今回の記事もぜひ参考にしてください。

著者情報

宅建士 兼 Webライター

井後 帆乃香

【経歴】

宅建士として不動産会社に勤務するかたわら、SEOライティングを中心に幅広く活動するWebライター。

「不動産って難しい!」と頭を抱えた経験から、難しい言葉を使わず、わかりやすく丁寧にお伝えすることをモットーとしています。

家に居る時は、愛猫を膝に載せながら執筆することも。

保有資格:宅建士/日商簿記2級/ITパスポート試験 など