一般コラム
市況・相場

マーケットインフォメーション(2019年第1四半期)

マーケットインフォメーション(2019年第1四半期)


こんにちは。

コラム担当の米川です。

今回は「マーケットインフォメーション」です。2008年7月から2019年3月まで
約10年間の中古マンション市場の動向を分析したものです。各地域(12地域)ごとに
データをまとめてありますのでご参考にしてください。
グラフは左軸に平均成約㎡単価を折線グラフにて表しています。
右軸は売出中の在庫件数を棒グラフで表しています。
(一部当社で取り扱いのない地域が含まれています。)

中古マンションの平均成約㎡単価はおおむね全域で上昇し続けています。
近年新築マンションの分譲価格上昇が続いており中古マンション価格も同様に上昇している
状況です。ただし地域によっては新築マンション販売の好調・不調の目安になる
月初契約率が70%を下回っており、若干の価格調整局面が訪れる可能性もあります。

在庫数は中古マンションの成約率が低下傾向にある為、地域によりますが少しづつ増えてきている状況です。成約率の低下が続いた場合は価格が下がる傾向になります。今後注意が必要だと思います。

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1.首都圏エリア(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の市況について

2.都心3区エリア(千代田区・中央区・港区)の市況について

3.城東エリア(台東区・江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・足立区・荒川区)の市況について

4.城南エリア(品川区・大田区・目黒区・世田谷区)の市況について

5.城西エリア(新宿区・渋谷区・杉並区・中野区)の市況について

6.城北エリア(文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区)の市況について

7.東京都多摩エリア(都区部・島嶼部以外)の市況について

8.さいたま市エリアの市況について

9.埼玉県中央エリア(川口市・戸田市・鳩ヶ谷市〈現川口市〉・蕨市・上尾市)の市況について

10.千葉県総武エリア(市川市・船橋市・鎌ヶ谷市・浦安市・習志野市・八千代市)の市況について

11.横浜市エリアの市況について

12.川崎市エリアの市況について

13.まとめ

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1.首都圏エリア(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の市況について

2012年後半から中古マンションの成約㎡単価は上昇傾向にあります。2012年10-12月時点での首都圏エリア平均成約㎡単価は37.89万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は52.89万円、比較すると成約㎡単価は39%上昇しています。一方、2015年から首都圏の在庫件数は増加傾向にあります。

首都圏

2.都心3区エリア(千代田区・中央区・港区)の市況について

2012年10-12月時点での都心3区エリア平均成約㎡単価は73.62万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は113.71万円、比較すると成約㎡単価は54%上昇しています。在庫件数は2016年をピークに減少傾向でしたが、足元では再度増加の兆候が見られます。

都心三区

3.城東エリア(台東区・江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・足立区・荒川区)の市況について

2012年10-12月時点での東京都城東エリア平均成約㎡単価は42.94万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は60.32万円、比較すると成約㎡単価は40%上昇しています。在庫件数は2015年頃から増加傾向にあります。

城東

4.城南エリア(品川区・大田区・目黒区・世田谷区)の市況について

2012年10-12月時点での東京都城南エリア平均成約㎡単価は58.48万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は79.30万円、比較すると成約㎡単価は35%上昇しています。在庫件数は2015年頃から増加後、一定の振れ幅の中で概ね横ばいに推移しています。

城南

5.城西エリア(新宿区・渋谷区・杉並区・中野区)の市況について

2012年10-12月時点での東京都城西エリア平均成約㎡単価は61.84万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は88.75万円、比較すると成約㎡単価は43%上昇しています。在庫件数は2015年頃から増加傾向にあります。

城西

6.城北エリア(文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区)の市況について

2012年10-12月時点での東京都城北エリア平均成約㎡単価は49.15万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は67.28万円、比較すると成約㎡単価は36%上昇しています。在庫件数は2015年頃から増加に転じています。

城北

7.東京都多摩エリア(都区部・島嶼部以外)の市況について

2012年10-12月時点での東京都多摩エリア平均成約㎡単価は32.93万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は40.65万円、比較すると成約㎡単価は23%上昇しています。在庫件数は2015年頃から2019年1-3月現在まで増加し続けています。

東京都多摩

8.さいたま市エリアの市況について

2012年10-12月時点でのさいたま市エリア平均成約㎡単価は28.58万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は40.69万円、比較すると成約㎡単価は42%上昇となりました。しかし足元では成約㎡単価下落の兆候が見られます。一方、在庫件数は2015年頃から2019年1-3月現在まで増加し続けています。

さいたま市

9.埼玉県中央エリア(川口市・戸田市・鳩ヶ谷市〈現川口市〉・蕨市・上尾市)の市況について

2012年10-12月時点での埼玉県中央エリア平均成約㎡単価は29.29万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は39.44万円、比較すると成約㎡単価は34%上昇しています。在庫件数は2015年頃から2019年1-3月現在まで増加し続けています。

埼玉県中央

10.千葉県総武エリア(市川市・船橋市・鎌ヶ谷市・浦安市・習志野市・八千代市)の市況について

2012年10-12月時点での千葉県総武エリア平均成約㎡単価は27.64万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は34.65万円、比較すると成約㎡単価は25%上昇しています。2013年頃から在庫件数は減少傾向にありましたが、2017年頃から増加傾向を続けています。

千葉県総武

11.横浜市エリアの市況について

2012年10-12月時点での横浜市エリア平均成約㎡単価は36.49万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は43.66万円、比較すると成約㎡単価は19%上昇しています。しかし足元では平均成約㎡単価は下落に転じています。在庫件数は2017年頃から増加傾向となっています。

横浜市

12.川崎市エリアの市況について

2012年10-12月時点での川崎市エリア平均成約㎡単価は41.91万円、2019年1-3月時点での成約㎡単価は54.99万円、比較すると成約㎡単価は31%上昇しています。在庫件数は2015年頃から増加傾向にあります。

川崎市

13.まとめ

以上が各地域の状況になります。2008年のリーマンショック以降の金融危機で、それ以前のミニバブルの状況はいったんなくなりました。以後2011年の東日本大震災、その後の円高進行によって景況感が悪化し、2012年上期までは取引件数も少なく、価格も近年の底値になりました。2012年下期以降は、金融緩和の影響がいち早く不動産業界に影響をもたらし、不動産業界株の2013年4月までの急激な株価上昇が起きました。その後も、旺盛な需要と値ごろ感に支えられ、中古マンションの取引件数や価格は上昇を続け、ミニバブルと言われた2017年、2018年の水準をはるかに上回っています。新築マンション、中古マンションともおおむね近年の一番安い時期から見ると、約1.2~約1.3倍の価格水準になっています。

私は2019年3月末まで、都心3区を管轄する部署にて、中古マンションおよび新築マンションの売買をしていました。ここ最近で感じたことは、2018年10月以降の市況の変化です。

都心部については、外国人からの需要や、資産価値を前提とした長期保有目的の投資家の需要、実需を背景に取引が活発に行われています。しかしながら、2018年の下期以降は投資物件の需要が、かなり弱くなっていたように感じます。これは原因として、金融機関の投資物件案件に対する引き締めが影響したものと感じています。

また、都心3区内でも地域による売れ行きの格差が大きくなってきているように思います。人気の商業地に近いエリア(3A+R 麻布・青山・赤坂・六本木)や、千代田区の番町地域のような人気の住宅地域では好調が継続していましたが、それ以外の地域では、販売価格に影響はないものの、「販売にかかる時間」が長期化していたように感じます。

また、それ以外の地域に関しても、他業者の方のお話や金融機関の方のお話を伺っていると、地域による差別化が進み、それが売れ行きに現れ始めているように感じます。

今後のマーケットですが、成約率の低下傾向がみられるため、地域による売れ行き格差が一層大きくなる可能性があります。当然の結果として、成約率の落ちない人気エリアは引き続き少しづつ価格上昇し、かたや成約率が落ちる可能性がある地域は少しづつ価格下落に向かう可能性があると思います。

今後も皆様の資産形成やお住み替え時期の判断にお役にたてるよう情報を発信したいと思っております。今回はご覧いただきありがとうございました。

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