金利の種類・返済方法を知る

住宅の購入には多額の資金が必要となるため、多くの方が住宅ローンを利用します。
各金融機関からサービス内容の異なる様々な商品が提供されています。現在、住宅ローンは金利水準が非常に低く利用しやすい状況ではありますが、返済期間が長期にわたるため、今後のライフプランにあった住宅ローンを選定することが大切です。

1.金利の種類

① 3つの金利の種類

住宅ローンの金利には、「変動金利型」「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」の3つの種類があります。金利の種類によって、適用される金利も、将来の金利に対する影響度も異なり、総返済額も大きく変わります。

《変動金利型》

  • 市場金利に連動した金利が適用され、年2回(または毎月)金利が見直されます。
  • 返済額は5年ごとに見直しされ、その間の返済額は一定。金利上昇により返済額が増える場合、新返済額は変更前の1.25倍が上限となります。また、金利上昇によっては、未払利息が発生することもあります。

メリット

  • 借入金の金利が一般的に固定金利より低い
  • 適用金利が下がると金利低下メリットを享受できる

デメリット

  • 借入時に将来の返済額が確定しない
  • 適用金利が上がると総返済額が増える

《固定金利期間選択型》

  • 3年・5年・10年など一定期間、金利を固定することを特約するものです。
  • 特約期間終了後は、「変動金利型」または再度「固定金利期間選択型」を選択でき、その時点の金利で、その後の返済額が再計算されます。

メリット

  • 一定期間の返済額を確定できる
  • 特約期間終了後に金利タイプを変更できる

デメリット

  • 特約期間終了後の返済額が確定しない
  • 固定特約終了後、金利が上昇した場合、返済額が増加する

《全期間固定金利型》

  • 借入期間を通して金利が変わらず、返済額が一定です(元利均等返済の場合)。

メリット

  • 金利上昇リスクをヘッジできる
  • 全期間の返済額が確定するため、資金計画が立てやすい

デメリット

  • 他の金利の種類に比べ金利水準が高め
  • 借入後に金利が低下した場合、低金利のメリットを享受できない

※金利優遇について

  • 住宅ローンの金利には、「店頭金利」と「適用金利」があります。適用金利は、実際の返済額を計算するときに使われる金利で、店頭金利から「マイナス○%」など金利優遇されています(優遇幅は、金融機関・申込内容により異なります)。
  • 借入全期間を通して同一の金利優遇をする「全期間一律優遇」、当初の固定特約期間の優遇幅を大きくした「当初固定期間優遇」(固定金利期間選択型のみ)の2つの種類があります。

②金利の決定方法

変動金利は、短期プライムレート(銀行が優良企業に貸し出す最優遇貸出金利)に連動して決められます。また、長期の固定金利は、新発10年物国債利回りが指標となっています。住宅ローンの金利は市場金利を反映しており、国・日銀の金融政策に大きく影響を受けています。

③金利の適用時期

民間金融機関の住宅ローンは、ローン実行月の金利が適用されます。毎月初、各金融機関のホームページなどで、その月の適用金利が公表されます。フラット35も同様です。一方、財形住宅融資は、申込み時点の金利が適用されます。

2.返済方法

① 元利均等返済と元金均等返済

住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。返済計画がたてやすい元利均等返済が一般的です。

《元利均等返済》

  • 毎月の返済額(元金+利息)が一定額となる返済方法

メリット

  • 毎月の返済額が一定なので、長期に亘る返済計画が立てやすい
  • 当初の返済額は、元金均等返済に比べて小さく負担が少ない

デメリット

  • 返済開始当初は利息に充てられる割合が大きく、ローン残高の減少ペースが遅い
  • 同じ返済期間であれば、元金均等返済に比べて総返済額が大きくなる

《元金均等返済》

  • 元金を返済回数で割った一定金額に利息を加えた金額を返済する方法

メリット

  • 毎月一定額の元金を返済するため、元利均等返済に比べてローン残高の減少ペースが速く、総返済額が少ない

デメリット

  • 返済開始当初は利息の支払いが多いため返済負担が大きい

② 毎月返済とボーナス併用返済

住宅ローンの返済は、「毎月返済」と年2回(6ヶ月毎)毎月返済に一定額を加算して支払う「ボーナス併用返済」があります。ボーナス併用返済を利用した場合、ボーナス月の返済額は増えますが、毎月の返済額を抑えることができます。多くの金融機関が、ボーナス月に加算で返済できる割合を借入額の50%以内に制限しています。

③ 返済負担率(返済比率)

税込年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合(比率)で、金融機関の審査基準の一つです。比率は、年収によりそれぞれ上限が設けられています。

【審査基準例】※ 金融機関により異なります。

年収 返済負担率
200万円以上
300万円未満
25%以内
300万円以上
400万円未満
30%以内
400万円以上 35%以内

④ 繰上返済

繰上返済とは、毎月の返済とは別に、お借入金額の一部もしくは全額を前倒しで返済することです。一部繰上返済には、「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
また、繰上返済する場合、基本的に手数料がかかります。手数料は金融機関によって異なりますが、インターネットでの手続など無料としている場合も多いです。

《返済期間短縮型》

  • 毎月の返済額はそのままで、返済期間を短縮する方法です。
  • 返済期間短縮型の繰上返済は、早ければ早いほど、返済額が大きいほど、利息軽減効果が大きくなります。

※返済期間短縮型を選択した結果、借入日からの返済期間が10年未満となった場合、「住宅ローン等特別控除」の対象外となる可能性がありますので、注意が必要です。

《返済額軽減型》

  • 返済期間はそのままで、毎月の返済額を減らす方法。毎月の返済負担を減らしたいお客さま向きです。
  • 同額の繰上返済をしたときの利息軽減効果は、返済期間短縮型の方が大きくなります。

住宅ローン

オークラヤ住宅について