こんにちは、コラム担当の米川です。今回は不動産の「リースバック」について考えてみました。
現在、インターネット等で調べると、多くの不動産会社が取り扱いを始めていることに気づかされます。
そこでこの制度を利用する、利用者の立場から注意点や、メリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

【1】 不動産の「リースバック」とは
【2】 具体的な活用方法
【3】 メリットはある?
【4】 デメリットはない?
【5】 リースバックを選択する際、検討するべき事項
    1.買取価格と諸費用
    2.賃料
    3.賃貸借期間の制限
    4.賃貸借契約の形態
    5.買い戻しサービス
【6】 まとめ

 

【1】 不動産の「リースバック」とは

リースバックとは
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると
「リースバック」とは(英語: Leaseback)
「セール・アンド・リースバック」(英語: sale-and-leaseback)とも呼ばれ、固定資産に相当するものを他に売って、そこからリースするという金融取引を指します。こうした取引の対象になるものは不動産などの固定資産や、飛行機や列車などの資本財などです。リースバックを行なう際の当事者の理由は、これにより金融上、会計上、税務上の利点があるからである。

とされています。

不動産のリースバックとは?
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不動産のリースバックとは、現在お住いの自宅の所有権を買主(主に不動産会社)へ売却、資金を受けとったのち、売却後は賃借人として同じご自宅に賃貸で住み続けることを指しています。持ち家を手放すことにはなるのですが、家賃(リース料)を払うことで同じ家に住み続けられるのが特徴です。

また、住宅資産を活用して資金を調達する方法として、ほかにも
「リバースモーゲージ」
と呼ばれるものがあります。こちらは住宅を担保に金融機関から融資を受ける方法で、リースバックよりも資金の使い道に制限が設けられることがあります。

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リバースモーゲージは、主に老後資金の確保のために活用されます。

 

【2】 具体的な活用方法

リースバックを活用される方は次のような要件を同時にお持ちの方が多いようです。
「まとまった現金が必要になったが、家族や事業の都合上、暫くはこのまま自宅に住み続けたい。」このようなご事情です。

具体的なケースを数例挙げてみると

1.新築マンションを購入したが大規模マンションで完成が1年半後になる。自宅を売却して資金を確保しておきたいが、2回の引っ越しや、賃貸契約に伴う余計な出費をしてまで賃貸住宅を借りたくない。

2.買い替え先の都合上、引っ越しより前に手持ち資金以上の支払いが必要になった。

3.転職や病気等で収入が減少し、住宅ローンの支払い負担が重くなってしまった。住宅ローンを一括返済してローン支払いをなくしたい。

4.将来、子供たちに自宅を相続させる際のことを検討して、分割しづらい自宅不動産から分割しやすい現金にして準備しておきたい。

5.事業資金が必要になり金融機関に相談したが断られた。

6.売却することで資金をしっかり確保し、焦ることなくゆっくり住み替え先を探したい。

7.土地を購入し、建築家と設計した上で一戸建てを建てたい。土地購入費用の一部と建物建築費用として自宅売却資金を充て、完成したらゆっくり引越ししたい。

8.1年後に完成予定の高齢者施設に入居するための資金が必要になった。

9.夫婦2人だけになったので、元気なうちに自分の判断で自宅を売却し、将来の高齢者施設入居に備えておきたい。

などがあげられます。こうした場合に、リースバックで得られた売却金額を充てることになります。

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【3】 メリットはある?

リースバックの最大のメリットは、自宅を売却するにもかかわらず引っ越しをする必要がない点です。引っ越しをしないため、子供を転校させる必要がありません。また、親戚や近所の人に売却した事実が知られにくいです。

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また、住宅ローンの滞納がある場合は、不動産会社が債権者である金融機関との間に立って話し合いを調整してくれる任意売却と組み合わせて利用されることもあります。任意売却が成立しない場合は、競売に至るケースもあります。
一度売却してしまった物件でも、将来的に買い戻しができる可能性もあります。契約時に買い戻しを予定している旨、購入者に伝えておくとよいでしょう。

【4】 デメリットはない?

リースバックのデメリットは、買取価格(売却価格)が一般市場価格より低くなる傾向にある点です。例えばご自宅売却資金で住宅ローンの残債を返済したい場合ですが、一般市場価格で売却した場合は全額返済できるのに、リースバックによる買取の場合、市場価格より割安なため全額返済することができないケースなどが考えられます。残念ながら売却代金だけでは返済しきれない場合、自己資金で不足分を一括返済しなければなりません。
また月々の家賃や将来の買い戻し価格が相場より高くなる可能性もあります。売却しても住み続けられる、しかも将来買い戻せるというのは大きなメリットですが、それだけに家賃も買い戻し価格も高くなりがちなのです。
リースバックによる賃貸契約は「定期借家契約」として賃貸期間に制限があることも多いです。賃貸借契約の期限が切れると、当然、転居する必要があります。

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リースバックには資金を作れるようなメリットもありますが、デメリットも少なくありません。利用の前に慎重な検討が望まれます。

 

【5】 リースバックを選択する際、検討するべき事項

今ではいろいろな不動産業者が提供している不動産のリースバックですが、お客様のご状況により重視する点が違ってきます。ここではこのサービスを選択するにあたり、どのポイントを重視してサービスを選択するべきか、気を付けるべき点を列挙しておきます。

1.買取価格と諸費用

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(1).買取価格
買取価格が高いサービスを選択しましょう。調べてみるとリース期間が短期の場合、価格が高くなる傾向がみられます。
(2).売買諸費用の確認
不動産業者により仲介手数料が必要な場合、契約事務手数料が必要な場合があるようです。その他司法書士に支払う登記費用等が掛かります。仲介手数料は売買価格の3%強が一般的で経費の大半を占める部分です。
(3).リース契約諸費用の確認
不動産業者により敷金・礼金相当額が必要な場合、不要な場合があります。家賃保証事務手数料は家賃の1~2か月分が必要になる場合が多いです。

2.賃料

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賃料が安いサービスを選択しましょう。不動産会社が長期保有目的で買取し、売主さまへの買い戻しサービスを付帯している場合、年間賃料が高くなる傾向が見受けられます。調べてみると年間賃料が買取価格の7%~10%になる場合が多いようです。
例)買取価格2000万円、年間賃料140万円~200万円。

短期間で引き渡しが可能な場合は一般的な賃料相場と同等で貸してくれる場合もあるようです。
例)買取価格2000万円、年間賃料120万円

3.賃貸借期間の制限

お客様の希望賃貸借期間を優先し選択しましょう。2年以内としている不動産業者が多いですが、期限をお客様の希望に沿う形に延長してくれる不動産業者や、いつまででも借りることが可能なサービスもあります。

4.賃貸借契約の形態
あらかじめ定めた期限ごとに貸主・借主の合意の上で新契約を締結する必要がある定期賃貸借と、一般的な普通賃貸借があります。引っ越し時期が決まっている場合は定期賃貸借で良いと思いますが、引っ越しについて具体的な考えがまとまっていない場合、見通しが立たない場合は普通賃貸借がお勧めです。但し、賃貸借契約の形態は、貸主の不動産会社あらかじめ定めているケースが多いので、お客様の都合の良い賃貸借契約形態が選択可能な会社を選択してください。

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5.買い戻しサービス
買い戻しサービスがある場合とない場合に大別されます。
転居が決まっている場合は必要ありません。ご自宅には住み続けたい。でも一時的に資金が必要。近い将来には買い戻したい。このようなケースでは買い戻しサービスが必要になります。買い戻し価格と買い取り価格の差が少ないところを選択しましょう。

上記の1~5の中でどのポイントが最優先かよく検討の上、優先順位はっきり認識し、不要な事項も把握したうえで検討いただくとよいと思います。

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【6】 まとめ

リースバックでは、通常の市場取引相場より安くなるのが一般的だと思います。必ず複数の不動産業者に査定を依頼し、【5】リースバックを選択する際、検討するべき事項を参考にしていただき、ご自身の要望に最も合っているリースバックを選択しましょう。また、通常の価格査定を先行して依頼することも是非、検討してください。今の適正な市場価格・相場価格を事前に把握しておくことで、リースバックの価格と比較し、本当はどうするべきかがはっきり見えてくる手助けになると思います。

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