マンションの売却を検討している方のなかには、どのように進めていけばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンションを売却する際の流れや注意点、発生する費用について解説しています。
マンション売却で失敗したくない方はぜひ参考にしてください。
この記事を読むと分かること
・マンションをスムーズに売却するための流れ
・マンションを売却した際の税金や特例
・マンションを売却する際の注意点
目次
マンション売却の流れ
はじめにマンション売却の流れを紹介します。
(1)不動産会社への連絡
まずは不動産会社に連絡し、マンションの売却について相談しましょう。
(2)不動産会社に査定を依頼する
不動産会社にご所有のお部屋の査定を依頼し、売出価格や売却プランを提示してもらいましょう。
(3)調査・見積もり
不動産会社はお部屋の状態や近隣の相場・市況、マンションの築年数・立地等のさまざまな要素を加味したうえで価格を算出します。売却理由や売却事情によっても、売却方法・売出価格は異なります。
(4)媒介契約書の取り交わし
売却を依頼する不動産会社が決定したら、不動産会社と媒介契約を結びましょう。
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があるため、ご自身にあった契約方法を選びましょう。媒介契約についてはこちらで詳しく説明していますので、ぜひご参考ください。
(5)売却活動を行い、購入検討者を探す
不動産会社は売主と媒介契約を結んだあと、売却活動を進めていきます。宣伝活動では、物件情報をインターネットサイトやチラシ等に掲載するのが一般的です。購入検討者が内覧を希望した際は積極的に協力しましょう。
(6)売買契約を行う
買主が決まり双方が合意したら、売買契約を締結します。売買契約の際は、仲介している不動産業者から買主に対して購入物件に関する重要事項の説明を実施し、その後正式に売買契約を結びます。また、手付金の授受(受取)、仲介手数料や印紙代等諸経費の金銭の授受も契約時に行われるのが一般的です。
(7)決済・引渡しを行う
当該物件の決済・引渡し前日までに公共料金などの支払いを済ませ、諸費用等の清算と物件の引渡しがスムーズにできるように準備しておきましょう。
決済日当日は残りの売買代金の授受を行い、固定資産税や管理費等を清算します。また、残りの仲介手数料や登記手続きを行う司法書士への報酬などの支払いもこのタイミングです。その後、鍵や関係書類の引渡しをもって、物件の引渡しが完了します。
(8)確定申告を行う
不動産売却で利益が出た場合は、売却した年の翌年2月16日~3月15日までに確定申告をする必要があります。
以上がマンション売却の流れとなります。
より詳しくマンション売却の流れを知りたい方はこちらをご覧ください。
マンション売却にかかる費用
ここでは、マンション売却にかかる費用の概要を紹介します。
売却時は、主に以下5つの諸費用を支払う必要があります。
(1)仲介手数料
マンションの売買が成立した際に不動産会社に支払う手数料です。金額は売買価格によって異なりますが、たとえば400万円超のお取引きの場合、約定上限報酬額は物件価格×3%+6万円+消費税となります。
(2)収入印紙代
売買契約書に貼るための収入印紙代です。金額は売買価格によって異なります。
たとえば、売買価格3,000万円の場合、収入印紙代は1万円かかります。
(3)登記費用
所有者の住所・氏名が登記簿謄本の住所・氏名と異なる場合、登記を現在の所有者情報に変更しなければいけません。また、抵当権の抹消を行う場合は抹消費用が必要です。登記情報の変更の内容によって異なるものの、全体で約3万円かかります。費用には登記変更手続きを行う司法書士への報酬も含まれています。
(4)引越し費用
住みかえをする場合、引越し費用がかかります。荷物の量・移動距離等によって大幅に異なりますが、一般的な4人家族の場合、約20万円を見積もっておくとよいでしょう。
以上がマンション売却にかかる主な諸費用です。
より詳しく諸費用を知りたい方はこちらをご覧ください。
マンション売却の費用に関する注意点
マンション売却時にかかる費用は、成約時に売買代金から相殺されるケースが一般的です。売却後にお手元に残る金額を計算する際は、諸費用分を考慮するのを忘れないようにしましょう。特に売却費用を残債の支払いに充てる場合は注意が必要です。
マンション売却にかかる税金
次にマンション売却にかかる税金の概要を解説します。
マンションを売却し利益(譲渡所得)が出た場合、この利益に対して税金(所得税と住民税)がかかります。
<計算式>
収入金額(売却代金)-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得金額
また、以下のような特例もあります。
売却益がある場合の特例
3,000万円特別控除
居住用の財産を売却した場合、所有期間の長さに関係なく、譲渡所得から最大3,000万円を控除する特例です。
10年超所有の軽減税率
譲渡した年の1月1日時点での所有期間が家屋・土地ともに10年超の居住用財産を譲渡した場合、軽減税率が適用されます。
特定居住用財産の買換え特例
居住用財産を買換えした場合、譲渡所得に対する課税を繰り延べできます。
売却損がある場合の特例
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除
居住用財産の買換えで譲渡損失がある場合、その年の他の所得と損益通算ができます。通算しきれない譲渡損失は翌年以後3年間繰り越して所得から控除することが可能です。
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除
居住用財産を買換えしなくても、売却金額を上回る住宅ローン残高があれば、譲渡により出た損失を損益通算できます。通算しきれない譲渡損失は、翌年以後3年間繰り越して所得から控除が可能です。
以上がマンション売却にかかる税金になります。
より詳しくマンション売却にかかる税金について知りたい方はこちらをご覧ください。
マンション売却にかかる期間
一般的に、売却を依頼する不動産会社を決め、売却活動を行ってから契約にいたるまで3か月~半年程度時間がかかります。
また、売買契約から決済・引渡しを行うまで、およそ1か月の期間が必要です。ただし、事情によっては2〜3か月程度かかることもあります。
そのため、売却活動を行ってから売買が完了するまでおおむね半年程度かかることを見込んでおくとよいでしょう。
ただし、市況の変化や売主のご事情によっても売却にかかる期間は異なるため、不動産会社の担当者と相談しながら進めていくのがベストです。
マンション売却にかかる期間について、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
マンション売却前の注意点
ここでは、マンション売却の際の注意点をマンション売却の流れに沿って紹介します。
マンション売却を依頼する際は以下の4点に注意しましょう。
- マンションの売り出しタイミングの選び方
マンションを売却するのはどんな時? - 不動産会社の選び方
- マンション売却にかかる費用
- 必要書類の準備
それぞれについて詳しく説明します。
マンションの売り出しタイミングの選び方
マンションを売り出すベストなタイミングは、市場動向、金利、季節性、物件状態、などの要素を考慮して決定するのがよいでしょう。市場が活況であるとき、金利が低く購買意欲が高い時期、または2月、3月の新生活シーズンなどは特によいタイミングとされています。経済全体の流れや政府の政策変更のタイミングも見逃せません。
実際にマンションを売却し始めてから売却完了するまでに3か月から半年程度かかることも考慮する必要があります。
マンションを売却するのはどんな時?
オークラヤ住宅でマンション売却のお問い合わせをされた方のアンケート結果における、マンションの売却理由を見てみましょう。
【マンションの売却理由】
資産整理(23.1%)
手狭になったため(11.2%)
金銭的理由(10.2%)
理由として最も多かったのは「資産整理」です。ほかにも様々な理由がありますが、理由の多くは「住みかえ」を目的とした内容です。
マンション売却でお悩みの方はまずはご相談ください。
不動産会社の選び方
マンション売却は信頼できる担当者に任せることが重要です。そのため、売却を依頼する不動産会社は担当者と直接会ってから決めることをおすすめします。売却の条件や要望等を親身になって聞いてくれるかどうかをしっかり見極めましょう。
マンション売却にかかる費用
マンションの売却にかかる費用は、住宅ローンの残額の有無、住所移転の有無などによって変化します。
マンションの主な売却費用は以下のとおりです。
- 売買契約書に貼る印紙代
- 登記費用(住宅ローンの抹消登記費用、住所移転などにともなう表示変更登記費用など)
- 仲介手数料
- 住宅ローン一括返済にともなう手数料
- 引越し費用(お住まいの住居を売却する場合)
- 売却にともなう譲渡益が出た場合に納める譲渡税(特別控除の制度あり)
マンション売却前に売却費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
必要書類の準備
マンション売却に必要な書類は、主に以下の9点です。
- 登記済権利証(登記識別情報)
- マンションの管理規約
- マンションの管理組合議事録
- 分譲時パンフレット(ご用意があれば)
- 実印、印鑑証明書(3か月以内に発行されたもの)※名義人全員分が必要
- 住民票または戸籍の附票(登記簿謄本記載の住所と現在の住民票登録住所が違う場合)
- 顔写真付き身分証明書(無ければ不動産会社の担当者に代用できるものを確認)
- 売却物件購入時の売買契約書(売却後の確定申告時の譲渡所得税の算出に使用)
- 固定資産税の納税通知書
印鑑証明書や住民票などは住民票登録地の役所で取得できます。書類の取得の手数料は各300~400円程度かかります。
その他にも売主の状況によって追加書類が必要になる場合があるため、詳しくは不動産会社の担当者に相談しましょう。
マンション売却前のリフォームは避ける
マンションのリフォームは入居者からの印象がよくなる効果的な手段ですが、売却前に行うのは注意が必要です。
売却金額にリフォームしたからと言って、その分高く売却できるとは限りません。また、買主が購入後に自身の好みの内装にリフォームする場合があるため、売却前のリフォームが無駄になってしまうことも考えられます。
リフォームをした方がいいのかどうか気になる場合は不動産会社の担当者に相談しましょう。
マンション売却活動期間中の注意点
マンション売却活動期間中は以下の3点に注意が必要です。
- 売却価格の設定
価格設定について - 不動産会社との契約
- 内覧時の対応
それぞれについて詳しく説明します。
売却価格の設定
マンションの売却価格は、売主が決めるのが基本です。しかし、周辺の同条件のマンションと比較してあまりにも価格設定が高い場合、なかなか買い手が現れないなど、スムーズに売却が進まない場合があります。
そのため、当初の売出価格を設定するうえでは、ライバル物件がどのくらいの数が売りに出ているのか、いくらくらいで売りに出ているのかなどの市況を知ることが重要です。
ライバル物件については、SUUMOやアットホーム、Yahoo!不動産などのポータルサイトで所有中のマンションと条件が近い物件がどのくらいの数、どのくらいの価格で出ているのかを一度見てみると参考になります。
さらに、周辺マンションが実際にいくらで売れたかという成約価格についても把握することが必要です。しかし、成約価格については自分で調べるのは容易ではないため、詳しい市況等については不動産会社に相談してみましょう。
価格設定について
売却するマンションの状況によって適正な価格は異なりますが、首都圏の中古マンションの価格は以下のような推移となっています。
直近10年の成約単価と、登録単価を見ると登録単価の92%ほどの金額で売却が成立しています。
価格の設定は慎重に行う必要があるためぜひ一度ご相談ください。
不動産会社との契約
マンション売却を依頼する時は不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約には以下3つの契約があります。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
専属専任媒介契約・専任媒介契約を締結した場合、重ねて他の不動産会社にマンション売却の依頼はできません。一般媒介契約を締結した場合は、複数の不動産会社に売却の依頼をすることができます。
専属専任媒介契約と専任媒介契約の違いは「業務報告の頻度」と「売主が自分で買主を見つけた場合の仲介手数料」です。
業務報告頻度については、専任媒介契約は「2週間に1回」、専属専任媒介契約は「1週間に1回」の報告義務があります。
仲介手数料については「売主が自分で買主を見つけた場合の仲介手数料」では専任媒介契約は発生せず、専属専任媒介契約は発生します。
どの契約形態でも、それぞれの特徴を理解して締結することが大切です。
媒介契約についてはこちらでも説明していますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
内覧時の対応
内覧時の対応について重要な点は以下の4点です。
- お部屋全体の照明を点けて、室内を明るく見せる
- お部屋の掃除をする
- 不用品を処分する
- 購入検討者の視点でお部屋を見直す
購入検討者に好印象を与えるためには、不用品などを処分(片付け)したり、掃除を行ったりして部屋をきれいに保っておくことが大切です。
内覧時は居室だけでなく、玄関や廊下の照明も点けておきましょう。
特に、玄関は家に入ってから最初に見る場所のため、念入りに掃除をしておく必要があります。
また、水廻りやリビングなどは念入りにチェックされることが多い場所です。浴室はカビが生えている箇所がないか、トイレは汚れやニオイがないかなどもあわせて点検しておきましょう。
いま一度、内覧の前に「購入検討者の視点」でお部屋を見直すことをおすすめします。
分からない点や気になる点がある場合は、不動産会社の担当者に事前に相談しておきましょう。
マンションの売買契約における注意点
マンションの売買契約における注意点は以下の3点です。
- 契約不適合責任
- 主要設備の保証
- 契約解除
それぞれについて詳しく説明します。
契約不適合責任
マンションの売却時に売買契約書の読み合わせを行いますが、そこで売主が負うべき責任として「契約不適合責任」の説明が出てきます。
以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていましたが、2020年4月の民法改正で「契約不適合責任」へと名称と責任範囲の変更が行われました。
マンションの売却では、個人が売主の場合、給排水管の故障、シロアリの害は引渡し日から3か月間修復の義務を負います。なお、その際の修復義務の履行を遅延するような行為があり、買主による履行の催告にも従わない場合には、売買契約が解除される可能性があり、契約解除に関わる違約金の支払い義務を負うことになります。
主要設備の保証
給湯器やトイレなどの主要設備に関しては、引渡し日から7日間は売買契約書付属の設備表にある主要設備の故障・不具合欄に「無」にしたものに限り修復の義務を負います。
契約を締結する前にお部屋の各設備を点検し、不具合がある場合には契約時に漏れなく申告しましょう。
契約解除
売買契約の締結時には「契約の解除」についての説明があります。マンション売買における契約解除は大きく4つに分けることができます。
(1)ローン解除
住宅ローン利用を前提としてマンションを購入する買主には、売買契約締結後に「住宅ローンの本審査」が控えています。もちろん契約前に「事前審査」の内諾は得ていますが、売買契約書の提出を必要とする「本審査」は契約後に行うことになります。
その際、本審査では「事前審査」では行われない審査項目が数点存在します。万一その項目で本審査の内諾が得られない時は物件が購入できないということになりますので、契約の解除になります。この際の契約解除は売主買主双方にペナルティがない「白紙解除」になります。
ただし、売買契約後いつまでもローン解除が行使されては売主の不利益にも繋がりかねないのでローン解除には「解除できる期間」を契約時に設けるようにしています。
(2)手付解除
売買契約は売主と買主を互いに拘束し合う約束事ですので、売主・買主のどちらかの意思で契約を解除したいとなった時には、売買契約時に買主から売主に支払われる「手付金」をもとに契約の解除を行います。
売主から契約の解除を申し出たときは、買主から受領した手付金を返還し、さらに手付金の同額を買い主に支払うことにより契約の解除が行えます。
買主から契約の解除を申し出たときは、契約時に売主に渡した手付金を放棄して(売主に渡したまま)契約の解除が行えます。
こちらもローン解除と同じように「解除できる期間」を設けてその期日までが行使期間となります。
(3)違約解除
契約に関して約束違反があった場合、その解除方法は「違約解除」となります。たとえば、買主が売買代金を支払ったにもかかわらず、売主が引渡しを行わないなどの場合や売主が買主への所有権移転登記準備を行い、または完了させたにもかかわらず、買主が売買代金を支払わない場合(履行の催告したうえで)は違約解除になります。
違約金は売主と買主の合意によりますが、売買代金の1割から2割相当が相場と言われています。
(4)契約不適合責任による解除
売主の契約不適合責任に対する債務不履行の内容が軽微でなく、買主からの履行の催告にも応じない場合は、契約の解除を求められることがあります。
売買契約には誠実に取り組むようにしましょう。
マンションの引渡し後の注意点
マンションの引渡し後は以下の3点に注意が必要です。
- 確定申告
- 契約不適合責任
- 主要設備の保証
それぞれについて詳しく説明します。
確定申告
マンションを売却し利益が出た場合は、売却時の翌年2月16日~3月15日までに「確定申告」を行う必要があります。
マンションの売却費用は譲渡所得に該当し、利益分は売却物件の所有期間に応じた「所得税・住民税」を納める必要があります。※譲渡所得は分離課税のため「確定申告」が必要になります。
ただし、たとえば、売却するまで居住していたマンションの売却で売却益が出た際は、売却益の3,000万円まで控除する「3,000万円特別控除」という控除制度があります。
他にも売却損が出た場合に適用が受けられる場合がある税制特例も存在しますので確認をしておきましょう。詳しくは「マンション売却にかかる税金」をご参照ください。
また、売却益だったのか売却損だったのかの判断は購入時の売買契約書をもとに行います。購入時の売買契約書も無くさずに大事に保管しておきましょう。
契約不適合責任
マンション売却時の注意点でも説明しましたが、売主は引渡し後3か月間、契約不適合責任を負います。この責任は契約後3か月ではなく引渡し後3か月であることに注意しましょう。
主要設備の保証
こちらもマンション売却時の注意点でも説明しましたが、給湯器やトイレなどの主要設備は引渡し日から7日間は売主はその修復責任を負います。
売買契約から決済まで短くても1か月近く要する場合があります。引渡し日近くまで居住する場合は、丁寧に設備を使用するようにしましょう。
以上がマンション売却の際の注意点になります。注意点を把握したうえで安心してマンション売却を進めましょう。
マンション売却で失敗した7つの事例
マンション売却でよくある失敗例について紹介します。
(1)不動産会社選びに失敗
不動産会社選びで失敗してしまうと集客がなかなかできず、売却までに大幅に時間がかかってしまうかもしれません。信頼できる不動産会社と担当者を選びましょう。
(2)売却価格の設定に失敗
あまりにも相場とかけ離れた高い価格設定をしてしまうとなかなか売却できない場合があります。現在の相場とご自身のご事情にあった価格設定をしましょう。
(3)どのような売却活動をするのかを把握していない
価格設定が適切でも不動産会社が広告活動等をしっかり行わなければ、売却に時間がかかってしまいます。不動産会社の担当者がどのような売却活動を行うのかを必ず確認しましょう。
(4)掃除や片付けをしていない
お部屋の印象が良くなければ購入検討者の心をつかむことができません。お部屋の印象を良くするためにお部屋の掃除や片付けをしましょう。さらに、内覧時はお部屋の明かりを点けて明るい印象にすることも大切です。
(5)不動産会社の担当者とのコミュニケーション不足
不動産会社の担当者としっかりとコミュニケーションができていないと、売主にとって納得できる売却ができません。疑問点、要望等があればすぐに不動産会社の担当者に連絡しましょう。
(6)設備の不具合を報告しない
給湯器やトイレ等の主要設備について、引渡し日から7日間は売主が修復の義務を負います。ただし、この責任を負うのは売買契約書に付属している設備表の主要設備の故障・不具合欄を「無」とした項目に限定されます。
他にも売主が負うべき責任として「契約不適合責任」というものがあります。マンション売却では個人が売主の場合、給排水管の故障やシロアリの害は引渡し日から3か月間修復の義務を負います。
そのため、不具合や気になる箇所がある場合は必ず不動産会社に報告しましょう。
(7)マンション売却時にかかる費用を理解していない
マンション売却の際には諸費用を支払う必要があります。売却金額がそのまま手元に残るわけではありませんので諸費用をしっかり把握しましょう。
以上がマンション売却の失敗例になります。
より詳しくマンション売却の失敗例を知りたい方はこちらをご覧ください。
失敗しないマンション売却のポイント
マンション売却のポイントを紹介します。
(1)実績のある不動産会社と担当者を選びましょう
マンション売却では、信頼できるパートナーを見つけることが大切です。マンションの特徴やセールスポイントをよく知っており、売却実績のある不動産会社と担当者を選びましょう。
(2)売却スケジュールをしっかりたてましょう
不動産会社の担当者とともに、「いつまでに」「何をするか」といったマンション売却のスケジュールをしっかりたてておきましょう。
(3)必要な費用を把握しておきましょう
マンション売却には諸費用がかかります。事前にどのくらいの費用が必要かを確認し、準備しておくと取引をスムーズに進めやすくなるでしょう。
(4)必要な資料を準備しておきましょう
マンション売却には必要な書類が多数ありますので、事前に揃えておくと安心です。マンション購入時の契約書やパンフレットなどがあれば、そちらもあわせて準備することをおすすめします。
(5)明るいお部屋で第一印象を良くしましょう
部屋の第一印象は、購入検討者の意思決定に大きな影響を与えます。お部屋が明るく見えるよう、内覧時はできるだけお部屋の電気を点けておくか、カーテンを開けておくとよいでしょう。
以上がマンション売却のポイントとなります。これらのポイントを押さえて、納得のできるマンション売却を目指しましょう。
不動産会社を選ぶうえでの注意点
ここでは、不動産会社を選ぶ際の注意点を5つご紹介します。ご自身に合った不動産会社を選ぶようにしましょう。
マンション売却の実績から専門分野を確認する
ひとくちに不動産会社といっても、企業によって土地・戸建て・賃貸など専門で扱う商材は異なります。マンションをスムーズに売却したい場合は、中古マンションの売却実績が多い不動産会社を選ぶとよいでしょう。マンションの売却に関するノウハウが多く蓄積されているため、専門的なアドバイスをもらうことができます。
査定の際に根拠を確認する
マンションの価格査定を受けた際は、不動産会社に金額の根拠を確認してみるとよいでしょう。根拠についてわかりやすい言葉で説明してくれる会社はノウハウがあるうえに信頼できると判断できます。
口コミ・評判を確認する
不動産会社を選ぶ際は、その会社を実際に利用した人の口コミや評判を確認するのもおすすめです。実際の売却活動の進め方や担当者の態度など、リアルな情報を知ることができます。ただし、口コミの中には信憑性が低いものが混ざっている場合もあるため、全て鵜呑みにせず慎重に判断しましょう。
オークラヤ住宅への「お客さまの声」についてはこちらからご覧いただけます。
まずはタイミング良く売却できて本当に良かったと実感しております。感謝感謝です。本当は、定年退職後に売却と思っていましたが、在職中に動いて良かったです。売却担当の方、そして販売価格を決めてくださった方、引きわたしまで頑張ってくださった方に本当に感謝しております。今後ともどうぞよろしくお願い致します
I様 男性
マンションの売却という大仕事に、初めは緊張しておりましたが、担当の方がとてもお話ししやすく、ていねいにわかりやすく説明して下さったので、安心して進めることができました。又、売却までの対応がスピーディなのも良かったと思いますオークラヤさんにお願いしてほんとうに良かったと満足しておりますありがとうございました。
K様 女性
とても親身になって頂き、担当して頂いた方々に感謝しております。
U様 女性
担当者との相性を確認する
マンション売却において、不動産会社の担当者は非常に重要な存在です。数か月間にわたってやりとりを行うことになるため、顔合わせの段階で相性を確認しておくとよいでしょう。また、担当者が誠実に対応してくれるかどうかも判断する必要があります。
マンション売却前によくあるご質問
Q1 マンションに住みながら売却できる?
A1 マンションを売却する場合、住みながら売却を進めていく方も多くいらっしゃいます。また、住みかえ先が決まっていない場合は、売却活動をしながら住みかえ先も探していくことが必要です。不動産会社の担当者と相談しながら計画的に売却を進めていきましょう。
Q2 査定はどのような方法で行われる?
A2 マンション売却の査定は訪問査定と机上査定の2つの方法があります。
- 訪問査定とは
実際にお部屋に不動産会社の担当者が訪問し、お部屋の使用状況を詳しく見たうえで査定を行う方法です。具体的には、水廻りの状態や日当たり、眺望等を確認していきます。
また、価格を提示する際には具体的な根拠が必要になるため、周辺マンションの売出データや成約データを参考にしたり、現在の市況を加味して算出します。
- 机上査定とは
実際のお部屋の状況を見ずにデータと市況を加味したうえで価格を提示する方法です。
売却を検討し始めたばかりの方や将来的に売却をお考えの方など、今すぐ行動に移したいわけではない方にもおすすめです。
「マンション売却を考えているけど、何から始めたらいいのか分からない」という方は、ホームページや一括査定サイト等のインターネットからでも無料で査定やご相談ができますので、お気軽にお問合せください。
また、当社ではオンラインでのやりとりも可能ですので、ぜひこちらよりご活用ください。
Q3 査定は電話でもできる?
A3 もちろんお電話での査定やご相談もできます。データや市況等から机上査定価格をお伝えいたします。
Q4 マンションの売却代金はいつもらえる?
A4 一般的には、マンションの売却代金は売却の契約した時と物件の引渡しの時の2回です。契約時は5~10%の手付金が支払われます。残りの金額は物件の引渡し時に支払われます。
Q5 買取って何?
A5 マンションの売却方法は、主に「仲介」と「買取」の2種類です。
仲介は売却活動をして物件の購入検討者を探していく方法ですが、買取は不動産会社が直接買主になる方法を指します。
買取のメリットとしては、
- 売却活動を行わないので素早い取引が行え、現金化できる
- 不動産会社が直接買取をする場合は仲介手数料がかからない
- 一般的に室内状況は不問
- 一般的に売却後の保証は不問
などが挙げられます。
一方デメリットとしては、仲介よりも売却価格が低くなってしまう傾向があることです。
なお、買取には仲介手数料がかからない「直接買取」、売却後一定期間住み続けることができる「リースバック買取」の2つの方法があります。
こちらで当社の売却方法について詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
Q6 マンションを売却するのと賃貸にするのどちらがいいの?
A6 マンションの売却・賃貸のどちらにもメリット・デメリットがあるため、ご自身のご事情や現在の市況、相場等を鑑みたうえで決めましょう。
賃貸にした場合と売却にした場合について、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
【賃貸のメリット・デメリットについて】
メリット
- 思い入れのあるお部屋を手放さないで所有し続けることができる。
- 家賃収入を得ることができる。
デメリット
- 築年数が経っていたり設備の劣化などがある場合は、大幅なリフォームが必要になる。
- リフォームなどの初期投資費用を家賃収入で回収するまでに時間がかかる。
- 築年数が経てば将来的に家賃低下のリスクがある。
- 固定資産税や管理費、積立金などの維持費がかかる。他にも、賃借人が退出した都度のハウスクリーニング費用やリフォーム費用がかかる。
- 将来的に売却する場合、築年数が経つことで現在よりも資産価値の下落の可能性がある。
- 賃借人が入らず空室が続いた場合、その間は家賃収入が得られない。
- 名義人が複数人いた場合、誰が管理するのか誰が費用を払うのかをしっかりと話し合う必要がある。
【売却のメリット・デメリットについて】
メリット
- まとまった現金を得ることができる。
- 自宅の売却なら3,000万円特別控除等の税制優遇が受けられる場合がある。
- 固定資産税や管理費、積立金などの維持費がかからなくなる。
デメリット
- 仲介手数料や印紙代等の諸費用がかかる。
- 市況やタイミングによって、なかなか買い手が見つからなかったり、売却価格に変動がある。
マンション売却と賃貸のメリットやデメリットについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
Q7 マンション売却時に必要な書類は?
A7 マンション売却に必要な書類は以下のようになります。
【マンション売買契約時に必要な書類】
- 登記済権利証(登記識別情報)
- 印鑑証明書 (3か月以内に発行されたもの)※名義人全員分が必要
- 住民票または戸籍の附票(登記簿謄本記載の住所と現在の住民票登録住所が違う場合)
- 固定資産税の納税通知書
- マンションの管理規約
- マンションの管理組合議事録
- 分譲時パンフレット
【マンション売却決済時に必要な書類】
- 登記済権利証(登記識別情報)
- 印鑑証明書 (3か月以内に発行されたもの)※名義人全員分が必要
- 住民票または戸籍の附票(登記簿謄本記載の住所と現在の住民票登録住所が違う場合)
その他、顔写真付き身分証明書等の契約時、決済・引渡し時に必要な持ち物もございます。
マンション売却に必要な書類について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
Q8 住宅ローンが残っているがマンションを売却できる?
A8 住宅ローンが残っていても返済すればマンション売却はできます。住宅ローンが残っているマンションを売却する方法は以下の2通りです。
- 自己資金で売買決済の前に完済する
- 物件を売却した売却代金を返済資金に充て、売買決済時に完済する
一般的には、上記2のように、売却代金を住宅ローンの返済に充てるケースがほとんどです。まず、売却代金で住宅ローンを返済できるかどうかを確認するために資金計画を立てましょう。
住宅ローンが残っているマンションの売却方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
マンション売却のまとめ
マンションの売却を検討する際にはさまざまな疑問や不安、また要望等も出てくるかと思います。その際に事前にご自身でマンション売却について調べたり、事前準備や費用等を把握しておくことでスムーズなお取引に繋がります。
とはいえ、解決の仕方が分からない点等もあるかと思います。その際は、すぐに不動産会社に相談しましょう。売却活動をする前でも、売却活動の最中でも不動産会社の担当者とのコミュニケーションは大変重要です。
さらに、売却したいタイミングや時期によっても売却方法や売却価格等が変わりますので、スケジュール調整や資金計画等には注意する必要があります。
当社もマンション売却に関するご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。
著者情報
宅建士 兼 Webライター
井後 帆乃香
【経歴】
宅建士として不動産会社に勤務するかたわら、SEOライティングを中心に幅広く活動するWebライター。
「不動産って難しい!」と頭を抱えた経験から、難しい言葉を使わず、わかりやすく丁寧にお伝えすることをモットーとしています。
家に居る時は、愛猫を膝に載せながら執筆することも。
保有資格:宅建士/日商簿記2級/ITパスポート試験 など