今回は「マンションを売却する際の必要な書類」について詳しく紹介します。
目次
１マンション売却の流れ
必要書類はマンションの売却を行う様々な段階で必要になります。
まずは、必要書類の紹介の前にマンションの売却の流れを確認しておきましょう。
（１） 不動産会社に相談する
まずは不動産会社にマンションの売却を検討している旨を連絡しましょう。今後の流れ等を含めて伝えるとスムーズにお話が進みます。
（２） 査定を依頼する
次に不動産会社にお部屋の査定を依頼しましょう。またいくらくらいで売却できるのか、なぜその価格提示なのか等をきちんと把握しましょう。加えて、信頼できる担当者なのかを見極めましょう。
（３） 媒介契約を結ぶ
納得できる売り出し価格となり依頼する不動産会社が決まりましたら、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約にも専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の３種類がありますのでよく検討しましょう。こちらでも詳しく説明していますのでご覧ください。
（４） 売却活動を行い、購入検討者を探す
媒介契約をした不動産会社は物件情報をインターネットサイトやチラシ等に掲載し宣伝活動を行います。内覧を希望される購入検討者がいれば速やかにお部屋を案内するなど積極的な売却活動を発展します。
（５） 売買契約を行う
買主が決まりましたら晴れて売買契約の締結となります。売買契約の際は、仲介している不動産業者から買主に対して、購入する物件についての重要事項の説明が行われます。説明後、正式に売買契約を結びます。また、以下の通り金銭の授受が行われます。
〇売主が支払うもの
・不動産会社に仲介手数料の一部を支払う（一般的には仲介手数料の50％が原則）
・印紙代を支払う
〇買主が支払うもの
・売主に手付金を支払う（一般的に物件価格の10％）
・不動産会社に仲介手数料の一部を支払う（一般的には仲介手数料の50％が原則）
・印紙代を支払う
（６） 決済・引渡しを行う
当該物件の決済・引渡し前日までに所有期間内の公共料金などの支払いを済ませ、円滑な諸費用等の清算と物件の引渡しができるように準備しておきます。
決済日当日では、残りの売買代金を受領し固定資産税や管理費等の清算をします。また、残りの仲介手数料や登記手続きを行う司法書士への報酬などを支払います。さらに鍵や関係書類の引渡しを行い、物件の引渡しが完了します。
以下が金銭の授受をまとめたものです。
〇売主が支払うもの
・売主は売却代金を一括で住宅ローンの返済に充てる（住宅ローンの残債がある場合）
・不動産会社に仲介手数料の残金を支払う（契約時に一部支払った場合は、その残額となります。）
・登記費用・司法書士へ報酬を支払う
〇買主が支払うもの
・売主に購入代金を支払う
・固定資産税や管理費・積立金は日割り計算され、買主が負担する分の金額を売主に支払う（現金または振込）
・不動産会社に仲介手数料の残金を支払う（契約時に一部支払った場合は、その残額となります。）
・登記費用・司法書士へ報酬を支払う
（７） 確定申告を行う
不動産売却で利益が出た場合は、売却した年の翌年3月15日までに確定申告をする必要があります。こちらで確定申告について詳しく説明していますのでご覧ください。
２マンション査定依頼時に必要な書類
査定依頼時に必要な書類は特にはありません。
物件の価格提示に必要な書類については不動産会社が用意します。あらかじめ、不動産会社がマンション分譲時のパンフレットやマンション内・周辺物件の成約事例、売り出し事例等の情報収集を行います。
売り出し価格は売主の事情によっても異なるため、査定では売主と不動産会社とのコミュニケーションが大変重要です。
３マンション売買契約時に必要な書類
買主が決まり、売買契約となった際は以下の書類が必要になります。
・登記済権利証（登記識別情報）
・印鑑証明書 （3ヶ月以内に発行されたもの）※名義人全員分が必要
・住民票 （住所変更がある場合）
・固定資産税の納税通知書
・マンションの管理規約等
上記の他に以下も必要です。
・実印※名義人全員分が必要
・顔写真付き本人確認資料 （免許証等）※名義人全員分が必要
・印紙代の支払い
・仲介手数料の支払い
しっかり確認し余裕を持って準備しておきましょう。書類が揃わない場合は契約ができないこともあります。
４マンション売却決済時に必要な書類
決済・引渡しの際は以下の書類が必要になります。
・登記済権利証（登記識別情報）
・印鑑証明書 （3ヶ月以内に発行されたもの）※名義人全員分が必要
・住民票 （住所変更がある場合）
上記の他に以下も必要です。
・実印※名義人全員分が必要
・顔写真付き本人確認資料 （免許証等本人が確認できるもの）※名義人全員分が必要
・物件の鍵
・仲介手数料 （契約時に一部支払った場合は、その残額の支払いが必要）
・登記費用 （抵当権抹消や住所変更等がある場合）
最後まで気を抜かず、しっかり事前準備をしましょう。万全の態勢で臨めるとスムーズにお取引ができます。
５確定申告時に必要な書類
マンションの売却時に利益が出た場合、売却した年の翌年3月15日までに確定申告をしましょう。確定申告をする際は以下の書類が必要になります。
（１）申告書B第一表、第二表
確定申告書には「A」と「B」があり、それぞれ「第一表」「第二表」があります。マンション売却時は申告書「B」を提出します。
こちらより書類をご確認ください。
（２）申告書第三表（分離課税用）
分離課税対象の所得を申告する書類が申告書第三表です。確定申告書の第三表は土地や建物の譲渡、株式の譲渡（特定口座の源泉徴収ありの口座内の取引のみであれば不要）など、申告分離課税の対象である所得がある場合に提出が必要になる申告書です。
こちらより書類をご確認ください。
（３）譲渡所得の内訳書（確定申告書付表兼計算明細書）
建物や土地の譲渡所得金額を計算するための書類です。
こちらより書類をご確認ください。
（４）マンション売却時の書類
・売買契約書
・売買代金の領収書
・売却の際にかかった仲介手数料や印紙税等の経費の金額が分かる領収書
・固定資産税等の清算書
（上記はいずれもコピーで構いません。）
（５）当該売却マンションを購入した時の書類
・売買契約書
・売買代金の領収書
・購入の際にかかった仲介手数料や印紙税などの経費の金額が分かる領収書
・固定資産税等の清算書
（上記はいずれもコピーで構いません。）
さらに、特例等の適用を受ける場合は特例等によって必要な書類が異なります。事前に確認しましょう。こちらでマンション売却時の確定申告についての説明をしていますのでご覧ください。
（※国税庁の特例を受ける場合の申告書添付書類チェックシートもご確認ください。）
６マンション売却時に必要な書類についてのよくある質問
マンション売却時の必要書類についてのよくある質問を3つご紹介します。
Q1 権利証が見つからないのですが、その場合はマンションを売却することができないのでしょうか？
A1 権利証（登記識別情報）を無くしても、マンションの売却はできます。ただし、権利証は再発行ができないため、マンションを売却をする際は権利証に代わるものが必要です。権利証を無くした際のマンション売却方法についてはこちらで詳しく説明していますのでご覧ください。
Q2 まだ買主が決まっていないのですが、あらかじめ全ての必要書類を準備した方がよいですか？
A2 事前に準備できるものはあらかじめ取得しておくことが大切です。ただし、契約時、決済・引渡し時に必要な印鑑証明書は3ヶ月以内に発行されたものでなければなりません。そのため、書類によっては早く準備すると無効となってしまうものもあります。不動産会社の担当者と相談しながら準備を進めると安心ですね。
Q3 いろいろな書類が必要で全てを準備できるか不安です…。
A3 不安なことがあればすぐに不動産会社の担当者に相談しましょう。必要書類に関してだけでなく、売却を検討した段階からコミュニケーションを密に取ることが重要です。安心して売却活動を進められるようにしましょう。
７まとめ
マンションの売却の流れを知り、必要な書類を把握することでスムーズな売買に繋がります。事前準備をしっかり行い、余裕を持って進めていきましょう。
