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マンション売却コラム

マンション売却で「儲かった」は本当?高く売る戦略とタイミング

マンション売却で「儲かった」は本当?高く売る戦略とタイミング

マンションの売却を検討する際、多くの人が「できるだけ高く売りたい」と考えるのが自然ではないでしょうか。近年は不動産市場が堅調に推移しており、購入時よりも高い価格で売却できる事例も増えています。ただし、利益を出すには、適切なタイミングや売却戦略を見極めることが重要です。

本記事では、マンション売却に関する最新の市場動向や、価格が上昇している背景に加え、高く売るための工夫やポイントについて紹介します。また、売却益が出た場合の税金対策についても触れています。マンション売却を有利に進めるために、ぜひご覧ください。

マンション売却で「儲かった」とは?

マンション売却において「儲かった」と感じるかどうかは、人それぞれ基準が異なります。たとえば、想定より高く売却できた場合や、短期間でスムーズに売れたとき、得をしたと感じる方もいるでしょう。

なかでも、多くの人が「儲かった」と認識するのは、売却によって金銭的な利益が出たときです。つまり、購入価格や諸費用などの購入時にかかった費用を、売却価格が上回った場合です。

近年は中古マンションの価格が上昇傾向にあり、購入時よりも高い価格で売却できるケースも増えています。

分譲マンションを売る人が続出?最新の市況を解説

首都圏の中古マンション市場は、現在も活発な動きを見せています。

東日本不動産流通機構が公表したデータによると、1平方メートルあたりの成約単価は、2020年5月以降、 62 ヶ月連続で前年同月比を上回っており(2025年6月時点)、価格は上昇傾向が続いています。成約件数も高水準を維持しており、売り手にとっては有利な市場環境が続いているといえます。

マンション価格が高騰している理由

中古マンションの価格が高騰している背景には、複数の要因があります。まず挙げられるのは、新築マンションの価格が上昇している点です。建築資材の高騰や建設業界の人手不足により、販売価格が大きく引き上げられた結果、新築の購入を見送る人が増えています。そのため、比較的価格の抑えられた中古マンションへの需要が高まっています。

また、長く続いた低金利の影響もあります。住宅ローンを利用しやすい環境が、購入の後押しとなり、市場全体の動きを活発にしてきました。現在は金利がやや上昇傾向にあるものの、依然として中古物件への関心は根強く残っています。

さらに、在宅勤務の浸透などライフスタイルの変化も要因のひとつです。都市部・郊外を問わず、広さや環境を重視した住みかえのニーズが高まり、中古マンション市場の需要を支えています。

マンション売却で儲かるかどうかを計算する方法

マンション売却で利益が出るか、また手元にいくら残るのか、事前に計算しておくことで見通しを立てられます。ここでは、儲かるかどうかを判断するための2つの計算方法を見ていきましょう。

  • 査定価格と購入価格の差を確認する
  • 売却価格からローン残債・諸費用を引いて利益を計算する

査定価格と購入価格の差を確認する

実際に利益が出るかどうかは、最終的な売却価格によって決まります。ただし、事前におおよその目安を把握するには、査定価格をもとに見通しを立てる方法が有効です。

まずは、査定価格と購入価格の差を確認しましょう。査定価格は、不動産会社に依頼すれば無料で算出してもらえます。購入価格については、当時の売買契約書や重要事項説明書を確認することで把握できるでしょう。

書類が手元にない場合は、住宅ローンの借入額に頭金を加えることで、おおよその購入価格を推測することも可能です。「査定価格 −(購入価格+購入時の諸費用+リフォーム費用)」の式で計算し、差額がプラスであれば利益が見込めると判断できます。

売却価格からローン残債・諸費用を引いて利益を計算する

マンションを売却したときに、最終的に手元に残る現金の額を把握するには、「手取り額」を計算する必要があります。手取り額の基本的な計算式は「売却価格 −(ローン残債+売却にかかる諸費用)」です。

売却時の諸費用には、不動産会社へ支払う仲介手数料や、契約書に貼る印紙代などが含まれます。

住宅ローンを完済している場合も、諸費用は発生します。費用の内訳や税金については、本記事後半の「マンション売却で儲かった場合にかかる諸費用・税金」で詳しく紹介します。

儲かるタイミングでマンションを売却する方法

マンションを高く売って利益を出すためには、売却のタイミングが重要です。市場の動向や季節的な要因を見極めることで、より有利な条件での売却が期待できます。

  • 1年のなかで高値で売れやすい時期を選ぶ
  • 市況が高騰した局面で売却を判断する
  • 再開発・大型イベント前後の価格変動を利用する

1年のなかで高値で売れやすい時期を選ぶ

賃貸と比べて売買の場合は1年を通して需要がありますが、特に毎年2〜3月が進学や転勤などにともなって住まいを探す人が増え、マンション購入を検討する層の動きが活発になる時期と言えるでしょう。

この時期は比較的成約件数も多く、売却しやすいタイミングといえます。ただし、必ずしも高値で売れるとは限らないため、価格設定には慎重さが求められます。

売却には、査定の依頼や内覧の対応、書類の準備など想定以上に時間がかかるケースもあります。タイミングを逃さないためには、余裕を持った計画が重要です。

市況が高騰した局面で売却を判断する

不動産市場の動きを把握し、価格が上昇している時期を見極めて売却を検討することは、利益を得るうえで有効な方法です。市場の状況は、国土交通省が公表する「不動産価格指数」や、不動産流通機構の「成約価格指数」などのデータで確認できます。

それにあわせて、流通している物件の数(在庫件数)にも注目しましょう。在庫が減少しているときは、需要が供給を上回っている状態で、価格が上がりやすくなります。

さらに、住宅ローン金利の動向も判断材料のひとつです。金利が上昇傾向になると、今後の上昇を見込んで購入を急ぐ動きが強まる可能性があります。こうした状況も、売却のタイミングを考えるうえで参考になります。

ただ、こういった情報を収集するのは難しいため、売却を検討した際は不動産会社に相談することをおすすめします。

再開発・大型イベント前後の価格変動を利用する

マンション周辺で進行している再開発や、新駅・新路線の開通といった動きは、売却価格に影響を及ぼす要因のひとつです。計画が公表され、工事が進行するにつれて将来的な利便性の向上が見込まれ、周辺の不動産価格は上昇しやすくなります。

再開発が完了すると価格の上昇は徐々に落ち着く傾向がありますが、都心部などの大規模なプロジェクトでは、完成後も利便性の向上が評価され、価格が上がる場合もあります。

売却のタイミングを逃さないためには、自治体のホームページなどで開発計画の情報を確認しておくことよいでしょうか。

マンション売却で儲けるための戦略

マンション売却で利益を出すためには、タイミングだけでなく、売却活動における戦略も欠かせません。ここでは、儲けるための具体的な対策を5つ紹介します。

  • 余裕のあるスケジュールで売却活動をおこなう
  • 類似物件の売却相場を把握しておく
  • 信頼できる不動産会社・担当者を選定する
  • 値下げ交渉を見越して売出価格を設定する
  • 内覧時に購入意欲が高まるような演出をする

余裕のあるスケジュールで売却活動をおこなう

余裕を持った売却スケジュールを組むことは、高値売却の基本です。特に住みかえの場合、新居の購入を先におこなう「買い先行」では、2重ローンを避けるために旧居の売却を急ぐ場合があり、余裕を持った売却スケジュールを立てづらい可能性があります。

一方、現在の住まいを売却してから新居を探す「売り先行」は、資金計画が立てやすく、売却活動にじっくり時間をかけられるため、高値で売れる可能性が高まります。

ただし、売却から新居への入居までに期間が空く場合は、仮住まいの家賃や引っ越し費用といった追加コストがかかるデメリットも考慮する必要があります。

類似物件の売却相場を把握しておく

売却で損をしないためには、自分のマンションと似た条件の物件が、周辺エリアでいくらで取引されているかを把握しておくことが不可欠です。SUUMOやアットホーム、Yahoo!不動産等でご自身の物件条件と近いものを検索して見ましょう。相場を知ることで、不動産会社から提示された査定価格が妥当かどうかを客観的に判断できます。

また、相場を理解していれば、購入希望者から値下げ交渉をされた際にも、冷静に対応できます。どの程度の値引きなら応じるべきかを判断できるでしょう。

信頼できる不動産会社・担当者を選定する

マンション売却の成功は、パートナーとなる不動産会社と担当者の力量に大きく左右されます。まずは、マンション売却の実績が豊富かどうかを確認しましょう。特に、売却したい物件と同じエリアや、類似する条件での取引経験が多い会社であれば、効果的な販売戦略が期待できます。

また、査定時に提示された価格の根拠を明確に説明してくれるかどうかも重要なポイントです。担当者のレスポンスの速さや、売主の立場になって親身に相談に乗ってくれる姿勢も、納得のいく形で売却するためには欠かせない要素です。

値下げ交渉を見越して売出価格を設定する

中古マンションの売買では、購入希望者から値下げ交渉が入ることが一般的です。そのため、売出価格は、ある程度の値下げを想定して、相場より少し(3~5%程度)高めに設定するのがセオリーです。

ただし、高すぎる価格設定は、内覧希望者が現れにくくなるリスクもあり、売却までに時間がかかることも考えられます。そのため、市況や周辺の類似物件を見ながら不動産会社と相談して決定する必要があります。

値下げ交渉があった場合も、ご自身がどれくらい売却に時間をかけられるのか等を考慮しながら不動産会社と価格を検討しましょう。

内覧時に購入意欲が高まるような演出をする

内覧は、購入希望者の購入意欲を高める絶好の機会です。第一印象を良くするために、室内の清掃や整理整頓をしましょう。特に水回りや玄関は、清潔感が重要です。

部屋を広く、明るく見せる工夫も効果的です。全ての照明をつけ、カーテンを開けて自然光を取り込み、明るい空間を演出することで、「ここに住みたい」という気持ちを高められます。

オークラヤ住宅では、プロが家具や小物で室内を演出する「ホームステージング」をはじめ、売主様をサポートするさまざまなサービスをご用意しています。

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マンション売却で儲かる取引方法は?仲介・直接買取・リースバックを比較

マンションの売却方法には、主に「仲介」「直接買取」「リースバック」の3つがあります。どの方法を選ぶかによって、売却価格や現金化までの期間に差が生じるため、それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

最も一般的なのは「仲介」です。不動産会社が買主を探して販売活動をおこなう方法で、時間はかかるものの、市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。

「直接買取」は、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。売却が短期間で成立しやすいのが利点ですが、売却価格は仲介の7〜8割程度になるのが一般的です。

「リースバック」は、売却後もそのまま物件に住み続けられる仕組みです。まとまった資金を得たうえで生活環境を維持できますが、所有権は移転することになります。

早期の現金化を重視する場合は、価格がやや低くなっても、買取やリースバックといった選択肢を検討するのもひとつの方法です。

当社の取引方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

マンション売却で儲かった場合にかかる諸費用・税金

マンションを売却して利益が出た場合でも、売却価格の全てが手元に残るわけではありません。売却にともなって発生する諸費用や税金を差し引いた額が、最終的な手取り金額となります。

ここでは、売却時に必要となる主な諸費用と、利益が出た場合に課税される税金について見ていきましょう。

マンション売却時の諸費用一覧

マンションを売却する際には、次のような諸費用(譲渡費用)がかかります。売却代金からこれらの費用とローン残債を差し引いた金額が、実際の手取り額となります。

費用・税金 概要
仲介手数料 不動産会社に支払う成功報酬売却価格400万円超の場合:(売却価格の3%+6万円)+消費税が上限
印紙代
  • 売却価格500万円超~1,000万円以下の場合:印紙代5,000円
  • 売却価格1,000万円超〜5,000万円以下の場合:印紙代1万円
  • 売却価格5,000万円超〜1億円以下の場合:印紙代3万円
  • 1億円超~5億円以下の場合:印紙代6万円
登記費用
  • 抵当権抹消登記費用:一般的に抵当権1本につき2万円程度
  • 住所移転登記費用:一般的に2万円程度
引っ越し費用・その他諸経費 新居への引っ越し費用、売却にともなう諸経費(ハウスクリーニング費用など)
※2025年6月時点

諸費用のなかでも仲介手数料は大きな割合を占めるため、あらかじめ計算方法を確認しておくと安心です。

なお、これらの諸費用とは別に、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合には「譲渡所得税」がかかります。次の項目では、この譲渡所得税について詳しく解説します。

利益が出ると譲渡所得税がかかる

マンションを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」が課税されます。譲渡所得税は、所得税・住民税・復興所得税の3つを合わせたものです。課税対象となる譲渡所得の金額は、以下の計算式で算出します。

課税譲渡所得金額=売却価格 − (取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額

取得費は、物件の購入代金や購入時の諸経費です。譲渡費用は売却時の諸費用を指します。

税率はマンションの所有期間によって異なり、5年以下の場合は「短期譲渡所得」として39.63%、5年超の場合は「長期譲渡所得」として20.315%です。なお、所有期間は、マンションを売却した年の1月1日時点で判断される点に注意が必要です。

また、マイホームの売却ではさまざまな特別控除が利用できるため、実際の税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

譲渡所得税の計算方法について、詳しくは以下のページをご確認ください。

不動産売却でかかる税金はいくら?計算方法や税金控除について解説

マンション売却で儲かった場合にかかる税金への対策

マンション売却で利益が出た場合でも、税金の負担を軽減するための特例制度が用意されています。これらを活用することで、手元に残る金額を大きくできる可能性があります。

  • 居住用財産の3,000万円特別控除
  • 10年超所有の軽減税率
  • 特定居住用財産の買換え特例

居住用財産の3,000万円特別控除

マイホーム(居住用財産)を売却した際、一定条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。この特例を適用できれば、売却益が3,000万円以内であれば譲渡所得税はかかりません。

適用を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。主な要件は以下のとおりです。

【主な適用条件】

  • 自宅やその敷地の売却であること
  • 住まなくなった場合は3年目の年末までに売却すること
  • 取り壊した場合は、1年以内の売却であること
  • 他用途に未使用であること
  • 親族など特別な関係者への売却でないこと
  • 過去2年以内に同様の特例や買換特例、損失繰越控除などを使っていないこと

参考:マイホームを売ったときの特例|国税庁

上記以外にも複数の条件があるため、まずは自分が対象になるかを確認しましょう。

また、注意点として、住宅ローン控除との併用はできません。どちらがお得になるかを比較して選ぶ必要があります。

10年超所有の軽減税率の特例

「10年超所有の軽減税率の特例」は、正式名称を「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」といいます。10年を超えて所有したマイホームを売却した場合、譲渡所得6,000万円以下の部分に軽減税率が適用される制度です。その結果、通常の長期譲渡所得の税率(20.315%)よりも、低くなります。

軽減後の税率は以下のとおりです。

譲渡所得額適用税率
3,000万円以下3,000万円の特別控除が適用され非課税
3,000万円超~9,000万円以下(差額6,000万円)の部分所得税10%、住民税4%、復興税0.21%(10年超所有の軽減税率)
9,000万円超の部分(3,000万+6,000万円超)所得税15%、住民税5%、復興税0.315%(通常の長期譲渡税率)

譲渡所得6,000万円を超える部分には、通常の長期譲渡所得の税率(20.315%)が適用されます。

なお、10年超所有の軽減税率は、前項で紹介した3,000万円特別控除との併用も可能です。

特定居住用財産の買換え特例

所有期間10年超のマイホームを売って、新たにマイホームを購入すると、譲渡所得の課税を将来に繰り延べられる特例です。

主な適用条件は以下のとおりです。

【適用条件】

  • 売却物件が自宅(居住履歴あり)
  • 売却額1億円以下
  • 所有期間10年超、かつ、居住期間10年以上
  • 売却の前年〜翌年末までに新居を購入
  • 新居は50平方メートル以上(中古は耐震要件あり)
  • 特定の他の特例とは併用不可(3,000万円控除など)

この特例を受けると課税が繰り延べられますが、あくまで繰り延べであって、非課税になるわけではありません。新たに購入したマイホームを将来売却する際に課税される仕組みです。

また、「居住用財産の3,000万円特別控除」や「10年超所有の軽減税率の特例」とは併用できません。

それぞれの控除や特例については、以下のページでさらに詳しく解説しています。

不動産売却でかかる税金はいくら?計算方法や税金控除について解説

(※2025年7月現在の情報です。)

まとめ

マンション売却で「儲かった」という状況は、市場の動きや売却の進め方次第で十分に実現可能です。利益を出すためには、信頼できる不動産会社を選び、余裕を持ったスケジュールで計画的に進めることが大切です。

また、売却益が出た場合の税金対策も忘れてはなりません。控除の条件や適用期限などを事前に確認し、手元に残る金額を意識しながら準備を進めることが重要です。マンション売却を成功させるためにも、まずは専門家に相談してみるのがおすすめです。

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