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マンション売却コラム

マンション売却の失敗事例と対策! 成功のためのポイントも解説

マンション売却の失敗事例と対策! 成功のためのポイントも解説

マンション売却には、事前準備から契約後までさまざまなリスクがあります。売却を成功させるためには、失敗事例を事前に知り、適切な対策を講じることが重要です。

本記事では、売却前・売却中・売却後の失敗事例と具体的な対策を解説します。知識を備え、より良い条件でのマンション売却を実現させましょう。

マンション売却前の失敗事例と対策

マンション売却は、準備や戦略次第で結果が変わることがあります。ここでは、マンション売却前の失敗事例とそれぞれの対策を解説します。

  • 余裕のある売却スケジュールを立てていない
  • 不動産会社を比較検討せずに選んでしまう
  • 独断でリフォームしてしまう

余裕のある売却スケジュールを立てていない

マンションの売却には6か月程度かかる場合があり、スケジュールの立て方を誤ると、急いで売却することで相場より安くなってしまう可能性があります。特に買いかえの場合、新居の契約を結んだあとも旧居がなかなか売れないと、資金繰りが厳しくなることもあります。

事前に売却の流れを把握し、余裕をもったスケジュールを立てることが重要です。不動産会社と相談し、適切な売り出し時期や販売期間を計画しましょう。

不動産会社を比較検討せずに選んでしまう

マンション売却の成否は、不動産会社の選び方に左右されます。査定価格が高いという理由だけで選ぶと、思わぬ失敗につながるかもしれません。査定価格が市場の価格と乖離している場合、売却活動が長引くことや、最終的に大幅な値下げが必要になることもあります。

複数の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの査定額の根拠を確認しましょう。1社だけでなく複数社を比較することで、適切な業者選びにもつながります。

また、価格だけでなく不動産会社のサービスや担当者との相性等を総合的に判断した上でご自身に合った不動産会社を選びましょう。

独断でリフォームしてしまう

売却前にリフォームをおこなうと、かえって売りにくくなるケースがあります。その理由は、購入希望者のなかには自分好みにリフォームしたいと考える人も多く、売主のおこなったリフォームがニーズに合わないことがあるためです。 また、リフォームをしたからと言って、その分高く売却できるとは限りません。手を加える前に不動産会社に相談し、リフォームが必要かどうかを判断してもらいましょう。たとえば、壁紙の張り替えや簡単な修繕は有効な場合もあります。

マンション売却中(売出中)の失敗事例と対策

続いて、マンション売却中(売出中)に生じる失敗の事例と対策を見ていきましょう。

  • 売出価格を高くしすぎる
  • 根拠のない値下げをしてしまう
  • 内覧時の準備が不十分

売出価格を高くしすぎる

売出価格を高く設定しすぎると、購入の申込が入らずに売却期間が長引くことがあります。市場価格とかけ離れた価格設定をすると、結果的に値下げを余儀なくされ、当初の希望より低い価格で売却することになる可能性もあります。

周辺地域の市場動向や類似物件の売却事例を参考にし、不動産会社と相談して現実的な価格を設定しましょう。

根拠のない値下げをしてしまう

売却活動が長引くと、焦りから購入検討者からの根拠のない値下げに応じてしまうことがあります。

値下げを検討する際は不動産会社と協議し、市場の反応や競合物件の状況を踏まえた判断が大切です。

内覧時の準備が不十分

内覧時に部屋が整理整頓されておらず清掃が行き届いていないといった状況は、購入希望者によくない印象を与え、成約の妨げとなります。

内覧前に室内の清掃や片付けを行い、明るい空間を演出することが重要です。また、設備の不具合があれば事前に不動産会社に共有しましょう。購入希望者が安心して物件を検討できる状況を整えましょう。

マンション売却後の失敗事例と対策

マンション売却では、契約成立後に発生する失敗もあります。対策とあわせて解説していきます。

  • 成約価格が住宅ローン残債を下回る
  • 想定よりも多額の税金が発生した
  • 契約不適合責任を負う

成約価格が住宅ローン残債を下回る

住宅ローンが残っているマンションを売却する場合、一般的に売却代金でローンの残債を支払って完済します。しかし、なかには成約価格が住宅ローン残債を下回り、手元資金から充当するケースもあります。主な要因は、売却前にローンの残債額を正確に把握していなかったことです。

対策としては、売却前に金融機関で残高証明書を取得することが挙げられます。残債額を把握したうえで、適正な販売価格を設定しましょう。

想定よりも多額の税金が発生した

マンション売却にともない、譲渡所得税などの税金が発生します。事前に税額を把握していないと予想外の出費となり、実際に得られる収入が想定以上に少なくなるかもしれません。

売却前に税理士や不動産会社に相談し、適用可能な特例や控除を確認したうえで、納税額をシミュレーションしておくことが大切です。

契約不適合責任を負う

売却後、物件の不具合や欠陥が発覚すると、買主から契約不適合責任を追及され、修繕費用の負担や損害賠償を求められることがあります。

事前に物件の状態を正確に把握し、必要に応じて専門家によるインスペクション(建物検査)を実施することで、リスクを軽減できます。また、売買契約時に責任範囲を明確に定めることも重要です。設備のことで気になることがあれば早めに不動産会社に相談しましょう。

マンション売却で失敗しないためのポイント

ここでは、マンション売却で失敗しないための3つのポイントを解説します。

  • 信頼できる不動産会社を選ぶ
  • 自分の希望を明確にする
  • 諸費用や税金について理解する

信頼できる不動産会社を選ぶ

マンション売却を成功させるうえで重要なポイントのひとつは、不動産会社の選定です。

媒介契約の種類や販売活動の内容を確認するのも大切ですが、なにより重視したい点は、信頼できる不動産会社かどうかです。

実際に問合せや来店をした際に、以下のような点を確認し、売主に寄り添って動いてくれるかを見極めましょう。

  • 顔を合わせて話を聞いてくれる
  • レスポンスが早い
  • 顧客のためになる提案をしてくれる
  • 根拠のある提案をしてくれる

信頼できる不動産会社に依頼すると、トラブルが発生した場合も安心です。

たとえば、売却後に「給湯器からお湯が出ない」といった事態が発生した場合、トラブルが起きた時期によっては売主に補修の責任が生じます。不動産会社を選ぶ際には、そうしたトラブルに対応する保証制度が整っている会社を選ぶのがおすすめです。

自分の希望を明確にする

マンション売却で失敗しないためには、自分の希望を明確にし、優先順位をつけておくことが重要です。そうすることで迷いが減り、売却の条件や計画が揺らぐことなく、スムーズに進められます。

希望を明確にするには、売却計画を立てる際に次の3つをしっかりと定めておきましょう。

  • いつまでに(時期)
  • いくらで(希望価格)
  • 売却の目的は何か(売却事情)

希望条件を固めておくことによって、不動産会社からも適切なアドバイスを受けやすくなります。

諸費用や税金について理解する

マンションの売却金額と手取りの収入額は異なることを理解しておきましょう。

マンションの売却金額からは、主に次のような諸費用が引かれます。

  • 仲介手数料
  • 収入印紙代
  • 表示変更登記費用
  • 抹消登記費用

金額は物件ごとに異なりますが、おおよその目安として、売却金額の約3.5%が諸費用です。たとえば、3,000万円で売るのであれば、105万円程度は諸費用として必要だと考えておきましょう。

また、住宅ローンが残っている場合は、マンションの売却代金のなかからローンの残債を支払います。

諸費用や税金について、詳しくは以下のページをご確認ください。

諸費用について

譲渡所得の計算と税金(所得税・住民税)

マンション売却は築25年が目安

マンション売却で失敗しないために、売りやすい時期を知りたいと考える場合もあるでしょう。

一般的に築年数が浅いマンションのほうが需要はあります。2021年までは築25年を超えるマンションは住宅ローン控除等を受けられないことも古めのマンションが敬遠される要因となっていました。

2022年には昭和57年(1982年)以降に建築されたマンションであれば住宅ローン控除が適用されるように税制改正されました。これにより新耐震基準で建築されたマンションは住宅ローン控除利用が可能になりました。 (参考:国土交通省 住宅ローン減税

また、耐震性が担保されていることを証明する耐震基準適合証明書の発行が可能であればが築年数に関わらず住宅ローン控除が適用されるようになりました。

築後経過年数についてのみ、購入者の物件選びの視点から見ると
①新築後25年以内のマンション
②平成に建築されたマンション
③昭和57年以降に建築されたマンション
④古くても耐震基準適合証明書の発行が可能なマンション
⑤住宅ローン控除が利用できないマンション、の順に選択すると思われます。
(参考:国税庁 No.1214 中古住宅を取得した場合

ただ、需要が高くなる要因は、築年数だけでなく立地や広さ、マンションの規模や周辺施設等さまざまです。築年数が25年を超えていても売却をお考えの際は不動産会社に相談してみましょう。

まとめ

マンション売却には、余裕のないスケジュール管理や価格設定の誤りなど、さまざまな失敗のリスクがあります。しかし、コツを押さえておけば売却の成功率を高めることができます。

そのためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。知識や経験が豊富な不動産会社に相談すれば、適切な売却スケジュールや戦略を立てられます。見落としがちな費用やリスクも事前に確認しておきましょう。

なお、弊社オークラヤ住宅でも、マンション売却のご相談を以下より承っております。

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お問合せを心よりお待ちいたしております。

著者情報

ライター・編集者

悠木まちゃ

【経歴】

ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅や事務所建築などの営業・設計を経験してきました。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集までおこなっています。

取材やブックライティングもおこなうほか、ライター向けオンラインコミュニティの講師も担当しています。

保有資格:宅建士・FP3級