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「住み続けたいまち」をランキング、特徴を類型化

 (株)リクルートの住まい領域の研究機関であるSUUMOリサーチセンターは5日、2021年の「住み続けたい街ランキング」を発表した。

 人気駅やターミナル駅が上位になりやすい「住みたい街ランキング」に対して、各駅停車駅などでも実際に住みやすいまちであることや、一定の視点でみた場合に魅力の高いまちであることを示すのが狙い。東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城の各都府県内の各自治体等を対象に調査。「今住んでいるまちに住み続けたいか」という設問に対して「まったくそう思わない」〜「とてもそう思う」の5段階の評価を設定。30万6,948人から回答を得て、結果を自治体別にランキングした。

 自治体別でみると、1位が東京都武蔵野市で、平均評価点は77.97点だった。以下、同中央区77.55点、同文京区77.16点と続いた。東京23区の自治体が上位50位までに15区がランクイン。また、神奈川県逗子市(4位タイ76.90点)、同三浦郡葉山町(8位タイ76.02点)、同鎌倉市(12位75.44点)同藤沢市(13位74.95点)と、湘南・三浦エリアの自治体も上位に固まった。横浜市都筑区(14位74.85点)や千葉県印西市(25位72.43点)、東京都稲城市(36位71.30点)、同多摩市(39位71.17点)といった郊外大規模ニュータウンを抱える自治体も上位となっている。埼玉ではさいたま市大宮区(21位73.55点)、同浦和区(同22位73.50点)とさいたま市の中心エリアが上位となり、千葉は浦安市(10位75.96点)、茨城は那珂郡東海村(24位73.22点)が最上位だった。

 同社では、回答者のうち4万2,947人に対して交通利便性や商業利便性、生活コスト、コミュニティなどの35項目でまちの魅力を聴取し、「住み続けたいまち」の特徴を探った。その結果により、まちの魅力を「都心ローカル型」「郊外中核型」「郊外ニュータウン型」「郊外自然型」「遠郊外特異型」の5つに類型化した。

 2位にランクインした東京都中央区に代表される「都心ローカル型」は、都心の利便性を享受できる点だけでなく、地区ごとの祭りや大きな公園での人との偶発的な出会いなど、都心の利便性を享受しつつ「顔見知り」ができる環境が特徴。また、1位の武蔵野市は「郊外中核型」に分類。駅近くにさまざまな機能が揃うコンパクトシティ的な快適性と、活発な市民活動やイベント等によるまちへの参加意識も住み続けたくなる要因だという。

 SUUMOリサーチセンター所長の池本洋一氏は、「住み続けたいまちをつくる要素として、自然環境や買い物利便施設といった基本インフラが整っているだけでなく、それを生かす取り組みや担い手がいること、さらにその取り組みが継続できる仕掛けを構築することが重要になる」とまとめた。

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