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東京圏の物流施設、空室率6.2%と上昇

 (株)一五不動産情報サービスは8月30日、2023年7月の「物流施設の賃貸マーケットに関する調査」結果を発表した。東京圏・関西圏で延床面積または敷地面積が1万平方メートル以上の賃貸物流施設の空室率等を四半期ごとに調査している。今回の調査対象棟数は、東京圏642棟、関西圏188棟。

 7月の東京圏の空室率は6.2%(前期比0.8ポイント上昇)。今期(23年5〜7月)は、「プロロジスパーク古河4」「GLP ALFALINK 相模原2」「ESR加須ディストリビューションセンター2」など26棟・計132万2,000平方メートルの新規供給があった。うち、11棟が満室稼働。一方、新規需要は101万7,000平方メートルと、調査開始以来4番目のボリュームと堅調だったが、新規供給が過去最大となったこともあり、空室増に歯止めがかかっていない。
 1坪当たりの募集賃料は4,520円(同1.7%下落)。東京圏の募集賃料は4,500〜4,700円の幅で、一進一退の様相を示している。建設コストの上昇により、開発物件の募集賃料は上昇しているが、既存物件の賃料設定は空室増の影響もあり、従前からあまり変わっていない。

 関西圏の空室率は2.6%(同0.4ポイント下落)。新規供給は18万7,000平方メートル。新規需要が21万9,000平方メートルと、新規供給を若干上回ったことで、需給改善につながった。「NEWNO・SOSiLA高槻」「茨木彩都ロジスティクスセンター」など計4棟が竣工し、3棟が満室稼働。募集賃料は4,180円/坪(同2.5%上昇)。22年7月の4,420円/坪をピークに、募集賃料は下落傾向にあったが、需給改善の影響もあり、今期はわずかに持ち直した。

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