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土地価格動向DI、11期連続のプラス

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会は24日、2023年10月時点の「不動産価格と不動産取引に関する調査報告書(第31回不動産市況DI調査)」を発表した。

 3ヵ月前と比較した現状と、3ヵ月後の見通しについて不動産価格・取引の動向を調査。その結果を指数(DI)化したもの。DIは「横ばい」回答をゼロとして、「大きく上昇」「やや上昇」「やや下落」「大きく下落」のそれぞれの回答比率から、四半期ごとに算出している。調査期間は10月6〜20日、有効回答数は184。

 土地価格動向DIは、全国で4.6(前回調査比4.6ポイント低下)と、11期連続のプラスとなった。地域別では、北海道・東北・甲信越が0.0(同10.0ポイント低下)、関東が3.2(同3.3ポイント低下)、中部が0.0(同7.1ポイント低下)、近畿が13.8(同3.6ポイント上昇)、中国・四国が0.0(同10.5ポイント低下)、九州・沖縄が10.9(同3.7ポイント上昇)。

 3ヵ月後のDI値は、全国で-3.5と予測。北海道・東北・甲信越がマイナス7.1、関東がマイナス4.8、中部がマイナス13.5、近畿が5.2、中国・四国がマイナス3.1、九州・沖縄が4.3。

 最近の不動産市況の特徴的な動きについて聞いたところ、「建築資材高騰により、新築建築が減少。それに伴い土地需要も減退している感じがする」(鹿児島県)、「建築費の高騰で住宅建築の着工が減少するのでは」(沖縄県)など、建築費の高騰に言及したコメントが目立った。また、「売買仲介では、都市部の価格上昇にお客さまがついてこられない状況になっている」(大阪府)、「人件費高騰、物価上昇の一方で、個人の所得が上がらないため、住宅ローンを組むことが難しくなっていると感じる」(岡山県)、「住宅ローンの金利が上昇傾向にあるため、今後、新築一戸建ての販売状況が悪化するのでは」(広島県)など、今後の販売状況を懸念する事業者も少なくなかった。

 併せて、「宅地建物取引士」への名称変更における意識調査結果も公表。仕事に対する意識や責任感、周囲からの評価において「変化があったと感じる」と回答した人に具体的な変更点を尋ねたところ、「各業務において信頼度が高くなってきている」「士業としての認識が出てきた」「仕事を進める上でスケールメリットが大きいと感じる」など、前向きな意見が多く挙がった。

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