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住宅買い替え時の売却差額、平均316万円のプラス

 (一社)不動産流通経営協会は8日、2023年度「不動産流通業に関する消費者動向調査」の結果を発表した。居住用不動産取得者の取得行動等を把握する目的で1991年から行なっているもので、今回で28回目。調査対象は、首都圏1都3県において2022年4月1日〜23年3月31日に購入した住宅の引き渡しを受けた世帯。有効回答数は1,063件。

 住宅購入資金の内訳では、「前住居の売却金」が新築購入者は平均4,026万5,000円(前年比793万6,000円増)、既存購入者は2,830万円(同310万1,000円増)と共に大幅増。住宅市場の価格高騰の影響が表れた。また、「親からの贈与」の利用率は新築が17.8%・既存が20.2%で、平均額は新築915万8,000円(同82万4,000円減)・既存734万4,000円(同72.2万円増)となった。

 自己所有していた住宅から現在の住宅に住み替えた306世帯のうち、69%に当たる211世帯が従前の住宅を売却。このうち、従前住宅の購入額と売却額の回答があった206世帯について売却差額を算出・整理すると、マイナスの差額になっているのは37.4%(同2.4ポイント増)、プラスの差額が発生したのは57.3%(同1.1ポイント減)となった。

 平均売却差額はプラス316万8,000円(同81万8,000円増)。売却した住宅の築年数別に平均売却差額を算出すると、築5年以内がプラス823万8,000円(同495万4,000円増)、築5年超〜10年以内がプラス590万円(同82万2,000円減)、築10年超〜15年以内がプラス727万1,000円(同8万1,000円増)、築15年超〜20年以内がプラス882万円(同461万8,000円増)、築20年超〜25年以内がプラス596万8,000円(同1,260万2,000円増)、築25年超がマイナス438万9,000円(同415万8,000円減)。築25年以内の各築年帯で差益が出たことが大きな特徴となった。

 住宅ローン減税制度が住宅購入に影響したとする回答は、新築で87.0%(同7.4ポイント低下)となり、影響度がやや低下した。住宅購入理由についても「住宅ローン減税制度が有利で買い時だと思った」という回答が前年の30.3%から17.8%に急減していることから、同協会では、「控除率が1%から0.7%に下がったことが影響したのではないか。住宅ローン減税の縮減が住宅購入にマイナスの影響を与えているようだ」と分析した。

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