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渋谷駅中心地区再開発の「ラストピース」が竣工

 東急不動産(株)は23日、同社が参加組合員として参画し、渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合が推進してきた「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業(Shibuya Sakura Stage)」を報道陣に公開した。11月30日に竣工後、各施設を順次開業し、2024年7月26日にまちびらきイベントを行なう。

 同事業は、JR山手線他「渋谷」駅の南西に位置する桜丘口地区約2.6haの再開発。東急グループが進めてきた渋谷駅中心地区5街区では最後発となる再開発事業。08年の準備組合発足から約10年かけ地権者の権利調整を進め、19年5月に着工していた。

 オフィス・商業施設・ホテル・住宅・サービスアパートメント、子育て支援施設、起業支援施設、国際医療施設など多様な機能と、随所に設けた広場やイベントスペースを通じ、多様な世代が働き、住み・訪れる活力あるまちを目指す。また、国道246号線とJR線により東西・南北に分断され、地形の高低差が大きく周辺地区との歩行者ネットワークが脆弱なエリアの欠点解消へ、渋谷駅の新改札口へアプローチする歩行者デッキと縦軸動線「アーバン・コア」を整備。周辺地域・施設の回遊性を向上させる。

 渋谷駅寄りの「SHIBUYAサイド」は、地上39階建ての「SHIBUYAタワー」と地上17階建ての「セントラルビル」を、新たに開通する区道を挟んだ「SAKURAサイド」に地上30階地下1階建ての「SAKURAタワー」を整備。両サイドは歩行者デッキで結ばれる。SHIBUYAサイドの2棟は低層部が商業施設、8階以上がオフィス。SAKURAタワーは、低層部に商業施設、中層部はオフィス(5〜14階)とサービスアパートメント「ハイアットハウス東京渋谷」(126室、6〜16階)、16階以上が住宅「ブランズ渋谷桜丘」(155戸、うち東急不動産持分50戸)となる。オフィスは3棟合わせて約10万平方メートルと、エリア最大級。IT系企業やコンテンツ産業を中心に、すでに95%のテナントが決まっている。サービスアパートメントは、24年2月に開業予定。「ブランズ渋谷桜丘」はすでに完売。商業施設は100店舗(うち地権者50店舗)で、東急不動産保有分は全テナントが入居済み。

 渋谷の多様性をさらに引き出すため、まちの随所に設けた広場やイベントスペース、デジタルサイネージでまちを「メディア化」し、発信力を強化する。また、アーティストやクリエイター、スタートアップ支援を目的としたプログラムやイベントなど、ハードソフトの両輪でIT・クリエイティブコンテンツの創造と集積を図る。

 同日会見した東急不動産代表取締役社長の星野浩明氏は「このエリアは国道246号線とJR線によりまちと駅とが分断され、歩行者ネットワークも脆弱だった。この再開発は、100年に1度の渋谷再開発における渋谷駅中心地区のラストピース。25年という莫大な時間とリソースをつぎ込み、まちの分断、高低差の解消という120人の地権者の想いを紡ぎ、形にした」などと語った。

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