こんにちは。コラム担当の米川です。

 

今回は以前から賃貸募集をしていたものの、最繁忙期の2月・3月を過ぎても申し込みがない場合の考え方についてアドバイスができればと思っています。お持ちのお部屋の大きさによっても、借りる方が多い時期、少ない時期があるのでその点を考慮の上でお読みいただければと思います。


【目次】

【1】賃貸住宅市場の特徴

【2】賃貸不動産業者の繁忙期は「1月~3月」と「9月~10月」の年2回

【3】住民基本台帳人口移動報告、東京圏は若者の転入超過が顕著

【4】なぜ入居者が現れない?物件の特徴を再確認してみましょう

【5】まとめ

 

 

【1】賃貸住宅市場の特徴

 

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まずは賃貸住宅市場の特徴を簡単に説明したいと思います。賃貸住宅を借りた経験がある方ならば、「あー、そうだった、そうだった!」と感じていただけるのではないかと思います。一年を通じた賃貸不動産業界の特徴は下記のようになります。

 

1月・2月・3月

早めに物件探しを始める人は1月の中旬から動き始めます。お客様の多くは4月から新生活を迎える予定の新入生や新社会人の皆様です。2月くらいからは新年度の転勤準備がはじまります。ご家族で住む住宅、または単身赴任で住む住宅を探す方がでてきます。2月~3月の引っ越しを目指して大変多くの方が物件を探している時期になります。物件探しの最繁忙期は2月~3月中旬です。物件の供給もこの時期に向けて新築アパートなどが完成し、募集を開始します。最繁忙期なので募集した先からどんどん入居者が決まっていくような感覚です。良い物件はこの時期に入居者が決まってしまいます。

 

3月は引っ越しが集中する時期です。3月に引っ越しする場合は、借りる物件が決まった1月・2月の時点で予約するのが賢明です。3月に依頼しても断られるケースが多くなるので注意しましょう。

 

4月・5月・6月・7月・8月

季節による移動要因が少なくなり、あまり期限に縛られない方が物件探しをしている時期になります。繁忙期に募集していた人気物件は入居者が決まってしまっていますが、残った物件や新たに募集開始された物件の中から、比較的ゆっくり探すことができます。6月前後に結婚式をされるカップル向けに、2人住まい用の新築物件が供給されるのはこの時期が多くなります。繁忙期に比べると取引量は少なくなります。需要が少ないので、賃料や引っ越し費用が最も安くなる時期とも言われています。

 

9月・10月

8月のお盆明けから、9月・10月の繁忙期に向けファミリータイプの新築物件等が供給され始めます。需要を見越して、家賃も少し高くなり始めます。9月中旬くらい転勤を控えたお客様の物件探しが最盛期を迎えます。転勤シーズンで物件の競争率が高いので家賃が高めでも入居者が決まっていくような状況になります。

 

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11月・12月

転勤等の季節要因がなくなり、あまり期限に縛られないお客様が物件探しをしている時期になります。取引量は少なくなります。時間をかけてゆっくり探せる時期になります。12月中旬から、来年に向けた一人暮らし用の物件情報が増え始めます。

 

 

【2】賃貸不動産業者の繁忙期は「1月~3月」と「9月~10月」の年2回

 

「1月~3月」は、4月の新年度に向けて初めて一人暮らしをする人が多いため、1年で最も賃貸住宅を探す人が多い時期になります。とくに、学生から新社会人になる若い人が多いので、一人暮らし向けの物件が1番増える時期でもあります。

 

「9月~10月」は企業の異動シーズンのため、転勤する人が多くなり、春先の繁忙期に次いで賃貸住宅を探す人が増えます。ファミリーで転勤先に引っ越しする人も多いので、一人暮らし向けからファミリー向けの広い間取りまで出回ります。ただし、比較してみると1月~3月の最繁忙期よりは物件数が少なくなります。

 

 

【3】住民基本台帳人口移動報告、東京圏は若者の転入超過が顕著

 

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住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査(平成30年1月1日から同年12月31日まで)人口動態によると、

参照元:総務省統計局調査結果概要はこちら

東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)は14万8783人の転入超過になっています。前年に比べ転入超過人数は8915人の拡大となっています。日本の代表的な都市部と比較してみると名古屋圏は1万5017人の転出超過、大阪圏は4097人の転出超過になっています。東京圏は全国での人口減少にもかかわらず、人口集中が続いているのがみてとれます。

 

では、この転入超過を世代別に見てみるとどうなるのでしょうか。

東京圏の年齢5歳階級別転入超過数は

15~19歳(2万4485人)

20~24歳が最も多く(7万9964人)

25~29歳(2万8084人)

15~29歳の3区分で、全年齢層の転入超過人数合計14万8783人のうち13万2533人、実に全体の89%を占めています。

 

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その他注目すべき特徴を見てみると

0~4歳は6年連続の転出超過(人数が減っている)していること、15~19歳は転入超過数が3年連続で縮小していることが挙げられると思います。

 

参考までに全国の都道府県単位でみた場合、転入超過は8都府県でした。転入超過となっているのは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、福岡県、滋賀県及び沖縄県の8都府県になります。

 

また全国を市町村単位でみた場合、2019年における全国1719市町村のうち、転入超過は450市町村で、全市町村の26.2%になりました。転出超過は1269市町村で、全市町村の73.8%になりました。

転入超過数が多い市町村は,東京都特別区部(6万4176人)、大阪府大阪市(1万3762人)、埼玉県さいたま市(1万1252人)などです。

 

 

【4】なぜ入居者が現れない?物件の特徴を再確認してみましょう

 

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2月・3月の最繁忙期に入居者が見つからなかった場合、その後しばらく入居者が現れないことがよく見受けられます。賃貸経営は、長期的な視点をもち「月々の安定した家賃収入を得る」ということが目的になります。入居者が見つからないのはとても残念なことですが、これを機会にご自身の物件を再確認してみるのもよいと思います。

 

今までの営業経験から、貸すときに「貸しづらい物件の特徴」を一覧にしてみました。

 

  1. お風呂とトイレが一緒(同一空間)
  2. バルコニーがない
  3. 見晴らしがよくない(開放感がない)
  4. 日当たりが良くない(北東・北・北西向き)
  5. 近所にスーパーやコンビニがない(徒歩5分以内)
  6. 駅から遠い(徒歩15分以上)
  7. 室内の設備が古い(15年以上経過)
  8. 1階部分(防犯上の不安)
  9. オートロックがない(上記に同じ)
  10. 家までの道のりが暗い・狭い
  11. 外観にタイルが貼っていない
  12. 築年数が古い(地震に対する不安)
  13. 建物管理状態が良くない
  14. 需要のある間取り・広さではない
  15. 家賃設定が適正でない

 

上記のうち5個以上が該当するようだと「借りる方が決めかねる」感が強いような気がします。

 

逆に、上記に該当しない場合は人気が高くなると思われます。皆さんの物件はいかがでしょうか?

 

 

【5】 まとめ

 

ここまでご説明して参りましたが、一人暮らしを予定している、新入生の方や新社会人の方を入居予定者に見込んでいる物件については、3月末時点で2月~3月中旬の最繁忙期を逸している可能性が大きいと思われます。先の統計資料でも明らかなとおり、東京圏に対する若者層の流入は大変に多くなっています。3月時点ではこの大半の方がすでに借りる住居を決めてしまっている時期になっていると思われます。

 

ファミリータイプの物件の賃貸募集をしている場合は、この2月~3月のピークの次は、転勤の多い9月~10月が次の大きなチャンスになると思われます。しかしながらファミリータイプの物件の場合、家賃もそれなりに高いので、6ヵ月近く空室のままで賃料収入が入らないのはオーナーにとって大きな痛手になります。

 

入居者が見つかり、無事に家賃収入が入ってくるようになれば問題はありません。しかしながら、この機会に今一度「このまま貸し続ける」のか、それとも「売却する」のか、を検討してみるのもよいと思います。

 

昨今、共働きの世帯比率が上昇し、職住接近や生活の利便性向上を求める方の増加に伴い、駅近といわれる距離が徒歩10分から徒歩7分以内に変化しています。また、築年数が古く、室内の設備が古めの住宅が敬遠されるような傾向が表れ始めています。また、以前はとても需要のある物件だったものが、従前の賃借人の方が長い期間住まわれている間に、社会環境が変化し、あまり需要がない物件になっているようなことも考えられます。

 

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募集はしているものの、なかなか入居者が見つからない場合には、是非一度、不動産会社に相談することをお勧めします。このまま貸し続ける判断をしていたとしても、いつかは売却するかもしれないこと念頭に置いて、現在の査定価格を把握し、今後の市況についての意見を聞いておくことは今後の賃貸経営にも有益ではないでしょうか。