~首都圏マンション賃貸経営のリアル徹底解剖~
賃貸経営というものは、「月々の安定した家賃収入を得ることができる」という大きなメリットがあります。
しかし、短期的なメリットに目を奪われてしまい、「長期的な収支のことをあまり考えることができていない」というオーナー様が多いことも事実です。まず、首都圏におけるアパートの空室率の上昇がはじまり、現在では賃貸マンションの空室率も上昇傾向にあるということはご存知でしょうか?
「賃貸マンションの空室率が上がれば、それに伴って安定した収入を得ることができるオーナーの数も減少していく」という現実を見つめ、果たしてこのまま賃貸オーナーを続けるのか?も含めて考えることが必要となります。
まずは、最新の市場動向を掴み、どのようにリスクを回避していくかについても見ていきたいと思います。
低金利によって、上昇する持ち家志向
2016年2月に導入された「マイナス金利」が影響したことで住宅ローン市場は活性化。「賃貸に住み続けるよりも、持ち家を購入しよう」と考える人は増加しています。
それに加え金利が低下したことによって、資金調達のハードルが低下。資金を借りやすくなった個人投資家が投資を目的として賃貸物件を購入するといったケースも出てきました。
借り手は減少傾向にあるにも関わらず、貸し手は増加している。つまり、首都圏における最新の市場動向としては賃貸住宅が「供給過剰」になってきていると言えるでしょう。賃貸物件同士における競争が激化するにつれ家賃は下落傾向にあり、「賃貸マンション経営はハイリスク、ローリターンである」ということは否定できない状態となっているのです。
今後の利上げについては日銀も否定的なスタンスを取っているので、現在の状況がこの先もしばらくは続くことが見込まれています。
進む少子高齢化も賃貸経営には大きなリスクに
日本における社会構造の大きな変化も賃貸経営のリスクを上昇させています。特に深刻なのは、なかなか歯止めがかからない少子高齢化。
総務省が発表しているデータを見ても、総人口の減少とともに不動産を購入する可能性があると考えられる「生産年齢人口(15~64歳)」も2000年頃から減少に転じており、今後35年間で約35%も減少する見込みであると言われています。今後のことを考えれば「家があっても、借りる人・暮らす人がいない」という状況がますます起こり得るということ。
賃貸マンションの需要も減少し、市場自体が先細りすることは、誰にでも簡単に想像ができると思います。「不安定で不確実さが増している賃貸経営を、いつまで続けていくべきか?」ということは今から考えておきましょう。
長期的に利益を生む物件なのか、一度棚卸しをしてみよう
どれだけの家賃収入があるのか、管理費やメンテナンスのために必要となる出費はどれだけあるのかなどを再確認することは、賃貸経営をする上で非常に大切なことです。
このまま貸していくのか、それとも売却かと考えることがまず第一歩。環境の変化に加えて、物件の立地、間取り、面積など個別の状況によって判断が異なってきます。まだ貸していても大丈夫という判断をするにしても、何年後かに売却することを見据えて早い段階から不動産会社の意見を聞いておくことは将来的なプラスにもつながるでしょう。