こんにちは。コラム担当の下里です。
今回は2025年第2四半期(2025年4月から6月まで)のマーケットインフォメーションをお届けします。
首都圏中古マンションの2025年4月の成約件数は3,950件で前年同月比で+21.5%、5月は3,841件で前年同月比+35.0%、6月は4299件で前年同月比+31.9%と8ヵ月連続での大幅な増となり、取引件数が依然として右肩上がりで引き続き活発な取引が続いております。
首都圏中古マンションの成約㎡単価(価格)についても前年同月と比較すると㎡単価は4月:81.11万円/㎡(+3.9%)、平均価格5,047万円(+0.6%) 5月:84.06万円/㎡(+10.2%)、平均価格5,311万円(+9.9%)、6月:83.34万円/㎡(+6.9%)、平均価格5,209万円(+5.1%)といずれも上昇傾向にあり、成約㎡単価に関しては62ヵ月連続で上昇し1990年10月のバブル期の価格まで推移してきました。
その反面、6月の在庫件数は44,428件と前年比(-0.7%)とほぼ横ばいになりつつありますが、14ヵ月連続で減少しており供給不足が価格上昇を助長しております。
上記の内容から2025年春の市況を簡潔にまとめてみました。
■ 価格
首都圏全体で中古マンションの成約価格は上昇傾向が継続。
東京23区では成約平均価格が 8,000万円超 に到達し、神奈川エリアでも過去最高を更新しました。
■ 在庫
市場の在庫数は前年比で 5%以上減少。
11ヵ月連続で在庫が減り続け、売り手優位 の状態が続いています。
■ 成約件数
4〜6月は新生活需要により取引が活発化。
首都圏全体で成約件数は前年比 +30%前後 と大きく伸びました。
市場の特徴を一言で表すと「高値+活発」
価格は上昇中にもかかわらず、購入希望者の動きは非常に活発。
背景には「今のうちに買いたい」「ローン金利が上がる前に動きたい」といった心理も影響していると見られます。
このまま価格上昇が続くのか、それとも秋以降に調整局面を迎えるのか
今後の金利動向や投資需要がカギとなります。
購入・売却を検討中の方にとっては、まさに「今が判断の分かれ目」の時期と言えるでしょう。
目次
首都圏エリア(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の市況について

2025年4~6月の首都圏中古マンション市場では、成約㎡単価が82.84万円となり、前期から上昇が続いています。高水準の在庫が続く中でも、立地や価格など条件の整った物件には引き合いがあり、堅調な価格形成が続いています。一方で、成約件数はやや減少しており、今後は金利や経済環境によって、需要がさらに絞られる可能性もあります。現在は価格面でも売却を検討しやすいタイミングといえ、売却をお考えの方には一つの判断材料となる局面です。
都心3区の市況について

2021年4-6月の都心3区平均成約㎡単価は136.76万円、2025年同時期は232.47万円で約70%上昇し、高水準を維持しています。在庫数は2021年以降増減を繰り返しながら全体的に上昇傾向にあり、直近は再び高水準に達しています。一時的に減少した時期もありましたが、現在は2021年初期を上回る水準です。成約件数は上半期を通じて横ばいで推移し、一定の需要が保たれています。全体として、価格・在庫・需要はいずれも落ち着いた動きとなっています。
城東エリアの市況について

2021年4-6月時点での城東エリアの平均成約㎡単価は69.02万円、2025年4-6月時点では93.84万円、比較すると約36%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で最も高い在庫水準となった後、現在は減少傾向にあります。
城南エリアの市況について

2021年4-6月時点での城南エリアの平均成約㎡単価は92.19万円、2025年4-6月時点では116.62万円、比較すると約27%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で高い在庫水準となりましたが、以降、減少しています。
城西エリアの市況について

2021年4-6月時点での城西エリアの平均成約㎡単価は103.03万円、2025年同時期には151.86万円となり、約47%の急激な上昇を見せました。特に2025年1-3月期(134.67万円)から4-6月期(151.86万円)にかけては、わずか1期で約13%上昇しており、足元での価格上昇が加速している様子がうかがえます。一方、在庫件数は2023年4-6月期に高水準となった後、おおむね横ばいで推移しており、需給バランスの調整が進んでいると考えられます。
城北エリアの市況について

2021年4-6月時点での城北エリアの平均成約㎡単価は75.35万円、2025年同時期には95.05万円となり、約26%上昇しました。中長期的には上昇傾向が続いていますが、直近ではやや鈍化が見られます。一方、在庫件数は2023年4-6月に高水準となった後は減少が続いており、需給バランスの改善がうかがえます。
東京多摩エリアの市況について

2021年4-6月時点の東京多摩エリアの平均成約㎡単価は43.18万円、2025年4-6月には53.57万円へと約24%上昇しました。過去数年間で価格は上昇傾向にあるものの、2024年を中心に増減を繰り返し、直近では微増傾向にあります。一方、在庫件数は2020年に一時減少した後、増減を繰り返しながらも高水準で推移しており、直近ではやや減少しています。
さいたま市の市況について

2021年4-6月時点でのさいたま市の平均成約㎡単価は45.67万円、2025年4-6月時点では58.51万円にまで上昇しており、これは約28%の上昇を示しています。一方、在庫件数は2020年頃に一時的に減少しましたが、その後増加傾向が続いており、供給が依然として多いことが示されています。
埼玉中央エリアの市況について

2021年4-6月時点での埼玉中央エリアの平均成約㎡単価は44.11万円、2025年4-6月時点では51.05万円へと約16%上昇しました。在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向になり現在は高水準で横ばいに推移しています。
千葉総武エリアの市況について

2021年4~6月の千葉総武エリアの平均成約㎡単価は40.93万円、2025年4~6月には45.38万円となり、増減を繰り返しながらも全体としては約11%上昇しています。ただし、直近ではやや下落傾向が見られます。一方、在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向が続いていましたが、足元ではやや落ち着きを見せています。
横浜市の市況について

2021年4-6月時点での横浜市の平均成約㎡単価は46.65万円、2025年4-6月時点では58.30万円と約25%上昇しましたが、直近では下落傾向にあります。一方、在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向が続いていましたが、足元ではやや落ち着きを見せています。
川崎市の市況について

2021年4-6月時点の川崎市の平均成約㎡単価は58.80万円であり、2025年4-6月時点では73.30万円となり、増減を繰り返しながらも約25%の上昇を見せました。また、在庫件数は2020年頃に減少後、増加傾向が続いており、供給が依然として多いことが示されています。