こんにちは。コラム担当の米川です。
今回は2024年第4四半期(2024年10月から12月まで)のマーケットインフォメーションをお届けします。
首都圏中古マンション件数について前年同月と比較すると成約件数は11月、12月と2ヶ月連続で増加しました。新規登録件数は3月以降10ヶ月連続で減少し続けました。結果として在庫件数は5月以降8ヶ月連続で減少を続けています。
首都圏中古マンション㎡単価(価格)について前年同月と比較すると成約㎡単価は2020年5月以降56ヶ月連続で上昇し続けています。新規登録㎡単価は5月以降8ヶ月連続で上昇し10月+12.7%、11月11.4%、12月11.5%と2桁の大きな上昇を見せました。結果として在庫㎡単価は8月以降5カ月連続で上昇し10月以降は新規登録㎡単価の上昇影響で10月+6.6%、11月+7.2%、12月+7.8%と上昇を続けています。
前出のデータより当面首都圏中古マンションの価格上昇は人気エリアを中心に継続すると推定されます。
現在の中古マンション市場の㎡単価上昇要因は
・人気エリアの新築マンション供給不足(中古マンション市場への需要の流入)
・インフレによる新築マンション価格高値安定(中古市場価格への波及)
・中古マンション成約件数増加、新規登録件数減少による在庫件数減少と競争の激化
となります。
唯一の㎡単価下落要因は
・住宅ローン金利引き上げ影響による購入需要の減退
となりますがまだ住宅ローン金利は低い水準の為影響は限られるものと思われます。
在庫の減少については前年同月比、2024年10月以降12月の期間について東京都は減少、神奈川県、埼玉県、千葉県は増加の結果でした。人気エリアでは在庫減少、他エリアでは在庫増加の二極化が見られます。
参考に2024年の首都圏新築マンション市場のまとめです。
発売戸数 23,003戸(前年比-14.4%、1973年以降最小戸数)
平均価格 7,280万円 ㎡単価 117.7万円(前年比下落)
初月契約率 66.9%(4年ぶりの70%割れ、全エリア60%台)
※2025年供給戸数見込 26,000戸(東京23区供給復調見込)
出典:株式会社不動産経済研究所 首都圏 新築分譲マンション市場動向 2024 年のまとめ
目次
首都圏エリア(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の市況について

2024年10-12月の首都圏中古マンション市場では、住宅ローン金利の上昇や米国の利上げの影響が続く中、平均成約㎡単価は77.57万円となり、若干の上昇が見られました。また、在庫件数においても前期3ヵ月平均と比較してわずかに増加していますが、購入希望者の需要は安定しており、売り手と買い手のバランスが取れた状態が維持されていると考えられます。一方、一部では金利上昇の影響で購入を控える動きもありますので、今後も需給の変化が市場価格に影響を与える可能性があります。
都心3区の市況について

2020年10-12月時点での都心3区平均成約㎡単価は125.21万円、2024年10-12月時点では197.57万円、
比較すると57.79%の上昇を記録し、急激に上昇し続けています。在庫件数は2020年頃から一時
減少し、その後増加の兆候がみられましたが、足元では再度減少し2021年頃の水準まで戻りつつ
あります。
城東エリアの市況について

2020年10-12月時点での城東エリア平均成約㎡単価は64.61万円、2024年10-12月時点では88.84万円、比較すると37.50%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で最も高い在庫水準となった後、現在は減少傾向にあります。
城南エリアの市況について

2020年10-12月時点での城南エリア平均成約㎡単価は83.80万円、2024年10-12月時点では113.54万円、比較すると35.49%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で高い在庫水準となりましたが、以降、減少しています。
城西エリアの市況について

2020年10-12月時点での城西エリア平均成約㎡単価は97.61万円、2024年10-12月時点では136.54万円と39.89%上昇しました。一方、在庫件数は2023年4-6月に高水準となった後に減少していましたが、2024年10-12月は6-9月期よりわずかに増加しており、需給調整が進行中と考えられます。
城北エリアの市況について

2020年10-12月時点での城北エリア平均成約㎡単価は72.98万円、2024年10-12月時点では93.50万円、比較すると28.12%アップと急激に上昇しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で高い在庫水準となりましたが、以降、減少しています。
東京多摩エリアの市況について

2020年10-12月時点の東京多摩エリアの平均成約㎡単価は42.58万円、2024年10-12月には54.91万円へと28.95%上昇しました。過去数年間で価格は上昇していますが、2024年にはやや減少傾向が見られます。一方、在庫件数は2020年に一時減少したものの、その後は増加し、高水準を維持しています。
さいたま市の市況について

2020年10-12月時点でのさいたま市平均成約㎡単価は43.04万円、2024年10-12月時点では60.16万円にまで上昇しており、これは39.78%の上昇を示しています。一方、在庫件数は2020年頃に一時的に減少しましたが、その後増加傾向が続いており、供給が以前として多いことが示されています。
埼玉中央エリアの市況について

2020年10-12月時点の平均成約㎡単価は41.32万円、2024年10-12月時点では49.15万円となり、4年間で約18.95%の上昇を見せました。ただし、直近では下落傾向が見られます。一方、在庫件数は2020年頃に減少したものの、その後増加傾向にあり、現在も高水準を維持しています。
千葉総武エリアの市況について

2020年10-12月の千葉総武エリア平均成約㎡単価は36.39万円、2024年10-12月には47.60万円となり、増減を繰り返しながらも30.81%上昇しました。一方、在庫件数は2020年頃に減少後、増加傾向が続き、現在は近年で最も高い水準に達しています。
横浜市の市況について

2020年10-12月時点での横浜市平均成約㎡単価は47.48万円、2024年10-12月時点では58.78万円と23.79%上昇しましたが、直近では下落傾向にあります。一方、在庫件数は2020年頃に減少後、
増加傾向が続き、現在も高い水準を維持しています。
川崎市の市況について

2020年10-12月時点の川崎市の平均成約㎡単価は55.15万円であり、2024年10-12月時点では75.90万円となり、増減を繰り返しながらも37.61%の上昇を見せました。また、在庫件数は2020年頃に減少後、増加傾向が続き、現在も高い水準を維持しています。