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マーケットインフォメーション2025年第1四半期(2025年1月から3月まで)

マーケットインフォメーション2025年第1四半期(2025年1月から3月まで)

こんにちは。コラム担当の下里です。

今回は2025年第1四半期(2025年1月から3月まで)のマーケットインフォメーションをお届けします。

首都圏中古マンションの2025年1月の成約件数は3,242件で前年同月比で+19.6%、2月は4,152件で前年同月比+23.9%、3月は4991件で前年同月比+31.0%とそれぞれ大幅な増となり、取引が活発化しました。

首都圏中古マンション㎡単価(価格)についても前年同月と比較すると成約㎡単価は1月:81.88万円/㎡(+7.8%)、平均価格5,174万円(+5.9%) 2月:79.14万円/㎡(+4.8%)、平均価格4,985万円(+2.6%)、3月:79.01万円/㎡(+4.1%)、平均価格4,945万円(+2.6%)といずれも上昇傾向にあります。

在庫件数も3月は43,941件と前年比(-5.2%)となり11ヵ月連続で前年同月を下回り、供給不足が価格上昇を助長しております。

地域別に動向をみてみますと、東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)では、富裕層向けの中古マンション価格が急上昇しています。

逆に、神奈川県・千葉県・埼玉県では、価格の上昇幅は限定的であり、東京都心部との価格差が拡大しております。

首都圏の中古マンション市場は、2025年4月以降も以下の要因で価格の上昇が続くと予想されます。

1.供給不足の継続

新規登録件数の減少が続いており、在庫件数も減少しています。供給不足が続く限り、価格の下落は限定的と考えられます。​

2.投資家による短期売買の増加

新築マンションの供給減少に伴い、投資家による築浅物件の短期転売が増加しています。これが中古市場の価格上昇を加速させています。​

3.金融政策の影響

日本銀行の政策金利引き上げにより、住宅ローン金利の上昇が予想され、今後の市場に影響を及ぼす可能性があります。​

一方で成約㎡単価の前年同月比の上昇幅は2024年8月から鈍化しており、価格上昇がひと段落する兆しもみられます。ただし新規登録物件数の減少が続いており、供給不足が続く限り、価格の下落は限定的と考えられます。

以前として、首都圏中古マンション市場は、供給不足と投資家の動向が価格上昇を支えているものの、金利上昇や供給状況の変化が今後の市場に影響を与える可能性があります。

首都圏エリア(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2025年1~3月の首都圏中古マンション市場では、米国の利上げ停止観測や国内金利の横ばいが続く中、平均成約㎡単価は79.80万円となり、前期より上昇しました。在庫は緩やかに減少しているものの、依然として高水準にあり、選択肢は比較的豊富です。生活コストや金利への警戒感から購入を見送る動きもある一方、立地や価格に魅力のある物件には堅調な需要があり、価格上昇の一因となりました。今後も金利や経済指標により需給バランスが変動する可能性がありますが、市場はおおむね安定しています。

都心3区の市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点での都心3区の平均成約㎡単価は128.55万円、2025年1-3月時点では214.35万円、
比較すると66.74%の上昇を記録し、急激に上昇し続けています。在庫件数は2020年頃から一時
減少し、その後増加の兆候がみられましたが、足元では再度減少し2021年頃の水準まで戻りつつ
あります。

城東エリアの市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点での城東エリアの平均成約㎡単価は68.59万円、2025年1-3月時点では90.71万円、比較すると32.23%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で最も高い在庫水準となった後、現在は減少傾向にあります。

城南エリアの市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点での城南エリアの平均成約㎡単価は87.60万円、2025年1-3月時点では116.78万円、比較すると33.32%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で高い在庫水準となりましたが、以降、減少しています。

城西エリアの市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点での城西エリアの平均成約㎡単価は99.20万円、2025年1-3月時点では134.67万円と35.75%上昇しました。一方、在庫件数は2023年4~6月時点で高水準となりましたが、その後はおおむね横ばいで推移しており、需給調整が進行していると考えられます。

城北エリアの市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点での城北エリアの平均成約㎡単価は73.89万円、2025年1-3月時点では97.59万円、比較すると32.08%アップと急激に上昇しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で高い在庫水準となりましたが、以降、減少しています。

東京多摩エリアの市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点の東京多摩エリアの平均成約㎡単価は43.16万円、2025年1-3月には56.31万円へと30.46%上昇しました。過去数年間で価格は上昇傾向にあるものの、2024年を中心に増減を繰り返し、直近では微増傾向にあります。一方、在庫件数は2020年に一時減少した後、増減を繰り返しながらも高水準で推移しており、直近ではやや減少しています。

さいたま市の市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点でのさいたま市の平均成約㎡単価は43.66万円、2025年1-3月時点では59.94万円にまで上昇しており、これは37.31%の上昇を示しています。一方、在庫件数は2020年頃に一時的に減少しましたが、その後増加傾向が続いており、供給が以前として多いことが示されています。

埼玉中央エリアの市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点での埼玉中央エリアの平均成約㎡単価は42.61万円、2025年1-3月時点では51.37万円へと約20.56%上昇しました。在庫件数は2020年頃に減少したものの、その後増加傾向にあり、現在も高水準を維持しています。

千葉総武エリアの市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1~3月の千葉総武エリアの平均成約㎡単価は38.21万円、2025年1~3月には45.40万円となり、増減を繰り返しながらも全体としては18.82%上昇しています。ただし、直近ではやや減少傾向が見られます。一方、在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向が続いていましたが、足元ではやや落ち着きを見せています。

横浜市の市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点での横浜市の平均成約㎡単価は49.20万円、2025年1-3月時点では58.60万円と19.11%上昇しましたが、直近では下落傾向にあります。一方、在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向が続いていましたが、足元ではやや落ち着きを見せています。

川崎市の市況について

資料:月例マーケットウォッチ 公益財団法人 東日本不動産流通機構より作成

2021年1-3月時点の川崎市の平均成約㎡単価は57.07万円であり、2025年1-3月時点では72.39万円となり、増減を繰り返しながらも26.85%の上昇を見せました。また、在庫件数は2020年頃に減少後、増加傾向が続いており、供給が以前として多いことが示されています。