こんにちは。コラム担当の下里です。
今回は2025年第3四半期(2025年7月から9月まで)のマーケットインフォメーションをお届けします。
首都圏中古マンションの2025年6月の成約件数は3,979件で前年同月比で+24.6%、8月は3,553件で前年同月比+54.5%、9月は4475件で前年同月比+46.9%と12ヵ月連続での大幅な増となり、取引件数が依然として右肩上がりで引き続き活発な取引が続いております。
首都圏中古マンションの成約㎡単価(価格)についても前年同月と比較すると㎡単価は4月:85.47万円/㎡(+8.2%)、平均価格5,303万円(+5.0%) 8月:84.85万円/㎡(+13.5%)、平均価格5,279万円(+13.5%)、9月:85.18万円/㎡(+12.3%)、平均価格5,352万円(+10.1%)といずれも上昇傾向にあり、成約㎡単価に関しては65ヵ月連続で上昇し、依然価格上昇が続いている状況です。
また、在庫件数は9月で43,850件とこの1年で2,000件ほど減少しており供給不足が価格上昇を助長しております。
その中でもエリア別の特徴は以下のようになっております。
■ 東京23区
外国人投資家や富裕層の需要の影響で、価格高騰の中心源で特に都心3区(千代田・中央・港)は237万円/㎡に達し、70㎡換算で「億ション」の状況です。
■神奈川県(横浜・川崎)
特に川崎市中原区の武蔵小杉周辺の再開発が進み、価格は都心3区に近づく水準になり過去最高値を記録しております。
■千葉・埼玉・多摩
価格は横ばいからやや微減傾向です。
・千葉県:価格は緩やかに上昇しており、安定した需要が続いております。
・埼玉県:価格が下がっているにも関わらず取引が活発な要因は、価格帯が手頃であることや交通利便性があります
・多摩地区:価格は下落傾向で需給のバランスに課題があり、駅から遠い物件は伸び悩む傾向です。
【「首都圏全体が高騰している」という印象は誤解】
実際には東京23区の高騰が平均値を押し上げているだけで、周辺地域は安定または軟調です。
ただし、川崎市中原区のような「都心化」エリアは今後も上昇の可能性はあります。
首都圏の中古マンション市場は今後「選ばれる物件だけが高値で売れる」と言う選別の時代に入ると予測されます。特に、立地・築年数・管理状態などが価格に大きく影響するため購入・売価の際は慎重な物件選びが重要となります。
目次
首都圏エリア(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の市況について

2025年7~9月の首都圏中古マンション市場では、成約㎡単価が85.18万円と前期から上昇しています。高水準の在庫が続く中でも、条件の整った物件には引き合いがあり、堅調な価格形成が続いています。一方、成約件数はやや減少しており、今後は金利や景気動向によって需要に影響が出る
可能性があります。とはいえ、価格水準は依然として高く、売却を検討しやすい状況が続いていますので、この機会を参考に、売却をお考えの方は検討を進めてみてはいかがでしょうか。
都心3区の市況について

2021年7-9月の都心3区平均成約㎡単価は134.65万円、2025年同時期は236.28万円と約75%上昇し、高水準を維持しています。価格は過去数年間、上昇と一時的な調整を繰り返しつつ推移しており、直近でも高水準を保っています。在庫数は増減を繰り返しながら全体として上昇傾向が続き、直近期は再び高水準に達しています。
城東エリアの市況について

2021年7-9月時点での城東エリアの平均成約㎡単価は68.78万円、2025年7-9月時点では99.28万円、比較すると約44%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で最も高い在庫水準となった後、現在は減少傾向にあります。
城南エリアの市況について

2021年7-9月時点での城南エリアの平均成約㎡単価は91.77万円、2025年7-9月時点では124.39万円、比較すると約35%の上昇を記録しています。一方、在庫件数は2023年4-6月時点で高い在庫水準となりましたが、以降、減少しています。
城西エリアの市況について

2021年7-9月時点での城西エリアの平均成約㎡単価は109.28万円、2025年同時期には148.99万円となり、約36%上昇しました。一方、在庫件数は2023年4-6月期に高水準となった後、おおむね横ばいで推移しており、需給バランスの調整が進んでいると考えられます。
城北エリアの市況について

2021年7-9月時点での城北エリアの平均成約㎡単価は79.63万円、2025年同時期には103.58万円となり、約30%上昇しました。中長期的には上昇傾向が続いており、直近期も高水準で推移しています。一方、在庫件数は2023年4-6月期に高水準となった後は減少が続いており、需給バランスの改善がうかがえます。
東京多摩エリアの市況について

2021年7-9月の東京多摩エリアの平均成約㎡単価は45.83万円、2025年7-9月には55.76万円へと
約21%上昇しました。過去数年間は増減を繰り返しながらも上昇傾向にあり、直近では微増しています。一方、在庫件数は高水準で推移しており、直近ではやや減少しています。
さいたま市の市況について

2021年7-9月時点でのさいたま市の平均成約㎡単価は46.12万円、2025年7-9月時点では60.81万円にまで上昇しており、これは約31%の上昇を示しています。一方、在庫件数は2020年頃に一時的に減少しましたが、その後増加傾向が続いており、供給が依然として多いことが示されています。
埼玉中央エリアの市況について

2021年7-9月時点での埼玉中央エリアの平均成約㎡単価は44.67万円、2025年7-9月時点では
49.95万円へと約11%上昇しました。在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向になり
現在は高水準で横ばいに推移しています。
千葉総武エリアの市況について

2021年7~9月の千葉総武エリアの平均成約㎡単価は40.64万円、2025年7~9月には48.25万円となり、増減を繰り返しながらも全体としては約18%上昇しています。直近では前期から上昇しており、高水準で推移しています。一方、在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向が続いていましたが、足元ではやや落ち着きを見せています。
横浜市の市況について

2021年7-9月時点での横浜市の平均成約㎡単価は51.43万円、2025年7-9月時点では63.02万円と
約22%上昇しました。直近では前期から上昇しており、高水準で推移しています。一方、在庫件数は2020年頃に一時減少した後、増加傾向が続いていましたが、足元ではやや落ち着きを見せています。
川崎市の市況について

2021年7-9月時点の川崎市の平均成約㎡単価は58.80万円であり、2025年7-9月時点では74.05万円となり、増減を繰り返しながらも約20%の上昇を見せました。また、在庫件数は2020年頃に減少後、増加傾向が続いており、供給が依然として多いことが示されています。