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標準管理規約の見直し等、最終とりまとめへ

 国土交通省は26日、「マンション標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」(座長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の6回目の会合を開催。とりまとめ(案)について検討した。

 とりまとめ案では、マンション標準管理規約の主な改正内容について、(1)高経年マンションの非居住化や所在等不明区分所有者の発生への対応等、(2)マンションの管理情報の見える化の推進、(3)社会情勢やライフスタイルの変化に応じた対応、を挙げた。

 (1)では、組合員の住所等に変更があった際に管理組合へ届け出ること、組合員名簿を更新すること、居住者名簿を作成・更新することなどを記載。所在等が判明しない区分所有者への対応については、管理組合が所在等不明区分所有者の探索を行なった場合、その探索に要した費用を当該区分所有者に請求できることを記載するとした。
 (2)については、修繕積立金の変更予定等の見える化、管理に関する図書の保管の推進を記載。(3)では、EV用充電設備の設置の推進、宅配ボックスの設置に係る決議要件の明確化を記載する。

 管理計画認定制度の認定基準については、段階増額積立方式における適切な引き上げの考え方を提示。月当たりの徴収金額は、均等積立方式とした場合の月当たりの金額を基準額とした場合、計画の初期額は基準額の0.6倍以上、計画の最終額は基準額の1.1倍以内とすると示した。
 また、マンションの防災対策を推進するにあたり、管理組合の合意形成を後押しする観点から、マンションの耐震改修をはじめとした防災対策改修等に対する支援措置を継続して実施。大規模な自然災害等が発生した場合に備え、「防災マニュアルの作成・周知」「防災訓練の実施」「防災用名簿の作成」「防災組織の結成」といった取り組みの推進に向けた周知を行なっていく。

 今後の方向性では、新築分譲時点から適切な管理体制を確保していく方策等について、現行の既存マンションを対象とした管理計画認定制度との関係を踏まえつつ、マンション管理適正化法のあり方の検討を進めていくと提示。マンションの内外に情報発信する方策については、令和6年度中に不動産ポータルサイトへの認定情報の掲載に向けた検討を進めるとした。

 同省住宅局参事官(マンション・賃貸住宅担当)の下村哲也氏は、「マンション標準管理規約については、所在不明者の発生への対応、資産価値の向上に向けたマンション管理に関する情報の見える化の推進など、マンションをめぐるさまざまな変化に対応した改正案となっている。管理計画認定制度では、修繕積立金の安定的な確保に向け、段階増額積立方式における早期の引き上げが重要であると打ち出し、適切な引き上げ幅に関する具体的な考え方を示した。マンションの長寿命化に向けた新たな一歩を示す内容となったのでは」などと話した。

 今後は、当会合で挙がった委員の意見を集約し、とりまとめ(案)を修正。座長が確認後、最終とりまとめとして同省ホームページで公開する予定。

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