売却コラム
マンション売却コラム

マンション売却の先売り・先買いとは?それぞれの手順やメリットを解説

マンション売却の先売り・先買いとは?それぞれの手順やメリットを解説

マンションを住みかえる際には、先売りと先買いの2つの方法があります。マンションを段取りよく売却するためには、事前に売却の流れを把握したうえで、計画的に売却活動をおこなうことが大切です。

そこで今回は、マンションを段取りよく売却するための売却計画のたて方を含め、先売り・先買いのメリットやデメリットを紹介していきます。

マンションの住みかえを検討している方はぜひ参考にしてください。

マンション売却の基本的な流れ

マンションを売却する際、基本的な流れは以下のとおりです。

  1. マンションの売却計画をたてる
  2. 不動産会社に査定を依頼する
  3. 不動産会社と媒介契約を締結する
  4. 広告を掲載して売却活動をおこなう
  5. 購入希望者の内覧対応をおこなう
  6. 条件交渉を行い、売買契約を締結する
  7. 決済と物件の引渡しをおこなう

マンションの売却プロセスは、計画立案から始まります。まずはご自身で最低限の売却金額や売却期限を明確にしましょう。次に、信頼できる不動産会社に査定を依頼し、適切な売却金額を確認します。その際、信頼できる担当者を見つけ、事前に売却の希望条件を伝えておくことが大切です。そうすることで、担当者から最適なアドバイスをもらうことができ、スムーズな売却につながります。

不動産会社と媒介契約を結んだら、売却活動が始まります。購入希望者が現れたら、内覧が必要になります。内覧前には、お部屋の片づけをしたり、玄関や水まわりなどを掃除し、お部屋の印象が良くなるようにしましょう。購入希望者が購入の申込をした場合、条件交渉が行われ、売買契約に移ります。最終的には代金が支払われ、物件の引渡しが行われます。

売却後のトラブルを防ぐためにも、売却前に室内の状況や設備の不具合を不動産会社の担当者に報告しておくことが重要です。これにより、条件交渉が円滑に進み、安心して売却手続きを進めることができます。

マンション売却における先売りとは

マンションを住みかえる際に、先売りという方法を利用することがあります。先売りとは、現在のマンションを売却してから新しい住居を購入する方法です。

以下では、マンション売却における先売りの流れとメリット、デメリットについて詳しく解説します。

マンション売却における先売りの流れ

マンションを先売りする際の流れは以下のとおりです。

  1. 現在のマンションの査定:現在のマンションを査定し、適正な売却価格を把握します。
  2. 売却活動の開始:現在のマンションを売却するための売却活動を開始します。インターネット広告等を通じて購入希望者を募ります。
  3. 新しい住居の探索:同時に新しい住居を探し始めます。希望条件や予算を考慮して物件を検討します。
  4. 売買契約の締結:購入希望者が見つかったら、売買契約を締結します。売却価格や引渡し時期等の条件を取り決めます。

先売りでは、まず、現在住んでいるマンションの売却手続きを開始します。購入希望者はすぐに現れる場合もあれば、数か月かかる場合もあります。

売買契約を締結したら、次は新しい住居の購入手続きに移ります。新居探しは、売却活動中から並行しておこなうことで、スムーズな住みかえができます。

マンション売却における先売りのメリット

先売りの場合、今住んでいるマンションを売ってから新しい住居を購入するため、マンションの売却を急がなくて済むというメリットがあります。

また、売却して得た資金を充当して新しい住居を購入することができます。そのため、資金計画がたてやすく、無理のない範囲でマンションの買いかえをおこなうことができます。

マンション売却における先売りのデメリット

一方で、新しい住居を購入する際は、ある程度時間に追われることになってしまいます。マンションを売却してから新居を購入するまでに時間がかかる場合は、一旦、仮住まいをする必要があるからです。

メリット・デメリットをふまえると、先売りは、自己資金をあまり持ち出しできない方や、現在のお住まいに住宅ローンが多く残っている方、購入物件を探すより、ご自宅が売却できるかどうかが不安な方におすすめです。

マンション売却における先買いとは

新しい住居を購入してから現在のマンションの売却を行うのが先買いです。

マンション売却における先買いの流れとメリット、デメリットについて詳しく解説します。

マンション売却における先買いの流れ

マンションを先買いする際の流れは以下のとおりです。

  1. 新しい住居の探索:新しい住居を探します。希望条件や予算を考慮して物件を検討します。
  2. 資金計画の立案:新しい住居の購入に必要な資金計画を立てます。ローンや頭金などの支払方法を検討します。
  3. 売却活動の開始:新しい住居の購入が決まったら、今住んでいるマンションの売却活動を開始します。不動産会社を通じて購入希望者を見つけます。
  4. 売買契約の締結:購入希望者が見つかったら、売買契約を締結します。引渡し時期や価格などの条件を確定します。

先買いでは、まず、新しい住居を探し、新居が見つかったら購入手続きを行います。購入手続きを進め、購入が確定した段階で売却手続きを始めます。

新しい住居を探す前に、現在のマンションがどのくらいの値段で売れるかを査定をしておくと、資金計画がたてやすくなるのでおすすめです。

マンション売却における先買いのメリット

先買いの場合、新しい住居を購入してから今住んでいるマンションを売却するため、住まい探しに時間をかけることができます。

また、先買いなら、現在のマンションを売りに出す時期も柔軟に調整できるので、引っ越ししてから売りに出すことも可能です。

マンション売却における先買いのデメリット

一方で、マンションを売却する際は、ある程度急ぐ必要があります。なぜかというと、新居を購入した際に現在のマンションの売却ができていない場合、購入先・売却物件ともに住宅ローンを使用していると一時的に二重ローンになってしまう可能性があるからです。

さらに、後から現在のマンションを売却するため、売却代金もはっきりと決まっておらず、資金計画も立てづらいです。

メリット・デメリットをふまえると、先買いは、自己資金をお持ちの方、住宅ローンの残高が少ない方、資金に余裕のある方などにおすすめです。

マンションを売却する際の注意点

マンションを売却する際は、いくつかの注意点を理解したうえで売却活動を進める必要があります。

ここでは、3つの注意点を紹介します。

売却計画を明確にする

マンション売却を段取り良く進めていくためには、マンションの売却計画が大切になります。いつまでに売却し、売却代金はいくらくらいまで妥協できるかも決めておかなければなりません。

特に買いかえの場合は、先売りでも先買いでも「売却」と「購入」のタイミングが非常に重要になります。メリットだけでなく、デメリットも考慮しながらしっかりと計画を立てましょう。

不動産会社の担当者は、できるかぎり要望を叶えるように売却を進めてくれますが、その要望があいまいだと、思うような売却ができない可能性もあります。

そうならないためにも、売却計画を事前に立て、それを踏まえて相談することが大事になってきます。

売却金額の目途を立てる

先売り・先買いのどちらの場合であっても、現在お住いのマンションがいくらくらいで売却できるのか目途を立てることが重要です。そのため、相場をしっかりと把握した上で資金計画を立てましょう。

売却査定を依頼する際は、不動産会社の提示する価格だけでなく、価格の根拠に目を通すことをおすすめします。価格の根拠を知ることで相場に合った査定価格なのかを確認することができます。

マンションの売却や購入では大きな金額が動くため、マンションの売却・購入後のご自身のライフプランも含めて資金計画を検討しましょう。

マンション買取も視野に入れておく

立地や築年数などの条件が良くないために、マンションをなかなか売却できない・賃貸に出しても借り手が見つからないといった場合は、不動産会社による買取を利用する方法もあります。

マンション買取では、通常の売却活動と比べて短期間で買い取ってもらえるだけでなく、広告掲載や内覧などの手間が省ける点がメリットです。

ただし、一般的に買取価格は相場の7〜8割まで下がってしまうことが多いため、そのデメリットを理解した上で状況に応じて検討するとよいでしょう。

まとめ

マンションを売却する際には、先売りと先買いの2つの方法があります。それぞれの手法にはメリットやデメリットがあり、自身の状況や希望に合わせて選択することが重要です。売却計画を立てる際には、信頼できる不動産会社や担当者と相談し、スムーズな売却活動を進めましょう。

著者情報

宅建士 兼 Webライター

井後 帆乃香

【経歴】

宅建士として不動産会社に勤務するかたわら、SEOライティングを中心に幅広く活動するWebライター。

「不動産って難しい!」と頭を抱えた経験から、難しい言葉を使わず、わかりやすく丁寧にお伝えすることをモットーとしています。

家に居る時は、愛猫を膝に載せながら執筆することも。

保有資格:宅建士/日商簿記2級/ITパスポート試験 など