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マンションを購入するメリット・デメリットは?賃貸との比較を解説

マンションを購入するメリット・デメリットは?賃貸との比較を解説

マンションでの暮らしを考えている方のなかには、分譲マンションと賃貸マンションのどちらを選ぶか迷っている方も多いのではないのでしょうか。

この記事では、マンションを購入するメリット・デメリットや賃貸との比較、マンション購入をおすすめしたい人の特徴について解説しています。

マンションの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

マンションを購入するメリット

マンションを購入する場合、大きく分けて6つのメリットを享受できます。

ここでは、それぞれの内容について詳しく解説します。

利便性の高い物件が多い

分譲マンションは立地のよい場所に建てられることが多く、利便性の高い場所に多い点が大きなメリットです。

マンションの建設場所には、駅周辺や商業施設の近く、都心に出やすい路線などが選ばれる傾向にあります。

一戸建てと比べてアクセスが向上しやすいケースが多く、通勤・通学や買い物などに便利です。

国土交通省による「令和4年度住宅市場動向調査」でも、分譲マンション購入者の56.9%が購入理由を「住宅の立地環境がよかったから」と回答しています。

維持管理の手間がかからない

マンションの場合、入居者はマンションの維持管理をおこなう必要がありません。

多くのマンションでは、日常的なメンテナンスや清掃、大規模修繕工事などの管理業務を管理会社に委託しています。

一戸建てのように自分で管理する手間がかからず、管理会社に一任できるのはマンションの便利な点といえるでしょう。

また、修繕費用をマンションの所有者から毎月徴収して積み立てているため、長期的な建物維持の観点からも安心です。

耐用年数が長い

多くのマンションは一戸建てと比べて耐用年数が長い点もメリットの1つです。

国税庁による「主な減価償却資産の耐用年数表」でも、木造戸建の耐用年数が22年であるのに対し、マンションに使用される鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年とされています。

耐用年数はあくまでも減価償却の計算時に用いる税法上のものではあるものの、「マンションのほうが長く住み続けられる」との判断ができるといえるでしょう。

資産価値が落ちにくい

マンションを購入すると資産になります。

マンションは立地がよい物件が多く、一戸建てと比べて耐用年数が高いことから、資産価値が落ちにくいといわれています。

特に最近では、新築マンションの取引件数を超えるほど中古マンションの流通量が増えており、中古マンションの需要は年々拡大しています。

マンションを所有することで、居住用だけでなく、賃貸に出して収益を得る・子どもに相続する・売却して現金化するなど、資産としてさまざまな活用が検討できるでしょう。

設備やセキュリティが充実している

多くのマンションでは共用設備に力を入れており、宅配ボックスなど便利な設備を利用できます。

マンションによっては、フィットネスジムやコワーキングスペースといった独自の設備を設けて利便性を高めているケースも見られます。

また、オートロックや監視カメラなどのセキュリティ対策が充実している点も魅力です。

警備会社と連携して24時間体制で警備実施されている物件もあり、入居者が安心して生活できる環境が整っていることが多いのが分譲マンションの魅力です。

高齢になっても安心して暮らしやすい

マンションの室内は多くの場合、ワンフロアで段差が少ないため、高齢になっても暮らしやすい点が特徴です。

なかでも築年数が浅めのマンションはバリアフリーが多く、室内で杖や車椅子を利用しても生活しやすいように設計されています。

段差などにつまづいて怪我をするリスクが軽減されるため、老後の一人暮らしでも安心です。

また、バリアフリーな空間は高齢者だけでなく子どもにとっても安全性が高く、子育て世代にも大きなメリットがあります。

マンションを購入するデメリット

マンションを購入する際は、デメリットも事前に把握しておくことが大切です。

ここでは、代表的なデメリットを3つ紹介します。

騒音トラブルが発生する可能性がある

マンションは集合住宅のため、近隣との騒音トラブルが発生する可能性があります。

よくあるトラブルとして、「上の階から足音が響いてくる」、「隣の部屋から生活音が聞こえてくる」、「大音量での音楽や大声での話し声が聞こえる」などの事例が挙げられます。

近年では防音性に優れたマンションも多いものの、部屋が隣接していることから、音漏れを完全に防ぐことは困難です。

周囲からの音に敏感な方やプライベート空間を特に重視したい方は、一戸建てを検討したほうがよいでしょう。

管理費・修繕積立金が別途発生する

マンションを所有している場合、毎月管理費や修繕積立金の支払いが発生します。

国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、管理費の平均は15,956円・修繕積立金の平均は12,268円となっています。

住宅ローンを利用している方は、管理費・修繕積立金の負担を考慮したうえで資金計画を立てることが必要です。

なお、管理費・修繕積立金の支払いは住宅ローンを完済したあとも続くうえに、築年数が経過すると値上がりする可能性がある点に注意してください。

管理規約によって生活が制限される

一戸建てでは日々の生活やリフォーム・リノベーションなどが自由におこなえるのに対し、マンションでは管理規約や工事規定などによって生活に一部制限が設けられています。

たとえば、リフォーム工事には事前申請が必要・ペット飼育や楽器演奏の禁止・楽器の演奏は◯〜◯時までといった規則が存在するケースが一般的です。

このようなルールは入居者全員が快適に過ごすために必要不可欠ではあるものの、理想のライフスタイルがある方にとっては窮屈に感じてしまうかもしれません。

分譲マンションと賃貸マンションの違い

ここでは、分譲マンションと賃貸マンションの違いを3つの観点から紹介します。

購入するか賃貸にするかを迷っている方はぜひチェックしてみてください。

費用

(初期費用)

分譲マンションと賃貸マンションでは、まず初期費用が大幅に異なります。

分譲マンションの場合、初期費用の相場は物件価格のおよそ5〜10%程度が一般的です。

最初に、賃貸よりもまとまった資金が必要になります。

一方、賃貸の場合は一般的に家賃の4〜5か月分の初期費用がかかります。

(月々の負担)

住宅ローンを組んで購入する場合は毎月ローンの支払いが必要になります。

ただし、ローン完済後は負担が軽減する点が特徴です。

賃貸の場合は、住み続けている間は継続的に家賃が発生します。途中、交渉にて家賃が下がるケースも稀にありますが、一般的には家賃が上がることの方が多く、長く住んでも月々の負担が減ることはあまりありません。

(総合費用)

分譲マンションを購入した場合、支払った「費用」の対価として「マンションの一室」が残ります。賃貸の場合は支払い済家賃はそのままで何も残りません。

「最終的にどちらが得か」についてはその時のマンション市況によっても異なってくるので一概には言えませんが、費用の支払い後に「対価が残るか、残らないか」は大きな違いかと思われます。

共用施設・設備

分譲マンションは長期で住むことを想定しているため、賃貸マンションと比べて室内設備が充実している傾向にあります。

浴室乾燥機や床暖房など自分ではなかなか導入しにくい設備を揃えている物件も多く、入居者が快適に過ごしやすい空間づくりに注力しています。

また、グレードの高いマンションでは、専用のコンシェルジュ・カフェラウンジ・スポーツ施設など、賃貸物件にはあまり見られない豪華な共用施設が用意されている物件もあります。

一方、賃貸の場合は共用施設や設備に特段注力している物件は少なく、それぞれのマンションの差はあまりないといえるでしょう。

居住期間

一般的に賃貸マンションのほうが居住期間が短く、ライフスタイルが変化しやすい方や収入に応じた住み替えが予測される方が多く利用しています。

一方、分譲マンションは短期間での住み替えが難しいことから、将来のライフプランがある程度固まっている方や、家族構成の変化が少ない方におすすめです。

また、賃貸マンションは自分の所有物ではないためリフォームできない物件が多いのに対し、分譲マンションは規約の範囲内で壁紙・間取り・設備などのリフォームを実施できます。

分譲マンションは居住用として不要になった場合でも、売却して現金化したり、リフォームして別の人に貸し出すといった運用方法の選択が可能です。

マンションの購入をおすすめしたい人

ここでは、マンションの購入に適している人の特徴を4つ紹介します。

以下の内容に当てはまる場合は、マンションの購入を前向きに検討することをおすすめします。

セキュリティ対策をしっかりしたい

安全性の高い住居で生活したい方は、一戸建てや賃貸マンションよりも分譲マンションの購入が適しているでしょう。

多くの分譲マンションではセキュリティ対策が充実しており、外部からの侵入を防ぐオートロックや高画質・高性能の防犯カメラが設置されています。

マンションによっては管理人や警備員などによる見守りを24時間実施している場合もあり、仕事などで深夜の外出・帰宅が多い方も安心です。

また、中層階や高層階の部屋は外部から侵入されにくいといった防犯上のメリットもあります。

立地のよさや周辺環境を重視したい

分譲マンションは購入者を惹きつけるために、立地がよい場所や周辺環境が充実している場所に建てられる傾向にあります。

そのため、駅から近い物件や商業施設などにアクセスしやすい物件が多く、生活の利便性向上が期待できるでしょう。

通勤・通学などで日常的に電車を利用する方や、買い物などで外出する機会が多い方だけでなく、世代によってライフスタイルが異なるファミリー層にもおすすめです。

共用設備の利便性を重視したい

近年の分譲マンションは、共用設備の充実に注力している傾向があります。

たとえば親戚や友人などの来客が宿泊できるゲストルーム・図書スペース・カフェ・屋上庭園などが用意されているなど、外出しなくてもマンション内で快適に過ごせる点が魅力です。

周辺環境の利便性だけでなく、マンション内での生活も充実させたい方は、共用設備にこだわった分譲マンションを選ぶとよいでしょう。

老後の生活に備えたい

マンションの室内はワンフロアで段差の少ない部屋が多く、杖や車椅子を使う機会が増える老後でも安心して生活できます。

また、建物の維持管理は管理会社がおこなっているため、日頃の掃除や手入れの負担が少ない点も大きなメリットです。

実際に定年退職をきっかけに、将来に備えて一戸建てからマンションに移り住むケースも多く見られます。

さらにマンションは利便性の高い物件が多いため、運転免許証の返納後も生活しやすい点もうれしいポイントです。

マンションは購入と賃貸どちらがよいのか?

購入と賃貸、それぞれメリット・デメリットもあります。

そのため、「購入と賃貸どちらがよいのか」についての結論は、人それぞれです。

購入がよい、賃貸がよいと決めるにはその人の事情などをお伺いしないとなかなか判断ができません。

下の表で、一般的に購入に向いている方、賃貸に向いている方の特徴をまとめています。ご自身がどちらに向いているのかを確認してみましょう。

購入に向いている方賃貸に向いている方
・定住地が決まっている方(短いスパンでの転居の見込みがない)・ライフスタイルやその時の収入に合わせて転居を考えている方
・ある程度広さが欲しい方・住宅ローンなどを背負わずに気軽に暮らしたい方
・今後家族構成にあまり変化がない方・住宅設備のメンテナンスを軽減したい方
・資産を持ちたい方
・部屋の中を自由にリフォームしたい方

マンションの購入は将来のライフプランや住みたい場所がある程度確定している方には向いているといえるでしょう。

購入すると、変化に応じてすぐに住みかえるということが難しいため、収入や家族構成、居住地がある程度固まっている場合には、購入の検討をおすすめできます。

一方賃貸に向いている方は、購入の場合とは反対でライフプランや住みたい場所など柔軟に変化させたい、もしくはまだ定まっておらず変化に応じた転居の可能性がある方などに向いているといえるでしょう。

また、コロナ禍などで収入や勤務形態が大きく変わった方もいらっしゃると思いますが、賃貸の場合、収入に応じた賃料の賃貸住宅に転居することも購入に比べると容易です。

このように購入と賃貸ではその人の事情によって向き不向きが変わってきますので、検討時に自身の今の状況の確認や将来のライフプランを見据えておくとよいでしょう。

まとめ

この記事では、マンションを購入するメリットや賃貸物件との比較について解説しました。

分譲マンションは住み続けることを前提にしているため、設備が充実しており、利便性が高い点が魅力的です。

ただし、購入後は気軽な引っ越しが難しくなるため、資金計画なども踏まえたうえで慎重に判断する必要があります。

分譲マンションか賃貸マンションのどちらを選ぶか迷った際は、不動産会社に相談するのもおすすめです。

今回の記事もぜひ参考にしてください。

著者情報

宅建士 兼 Webライター

井後 帆乃香

【経歴】

宅建士として不動産会社に勤務するかたわら、SEOライティングを中心に幅広く活動するWebライター。

「不動産って難しい!」と頭を抱えた経験から、難しい言葉を使わず、わかりやすく丁寧にお伝えすることをモットーとしています。

家に居る時は、愛猫を膝に載せながら執筆することも。

保有資格:宅建士/日商簿記2級/ITパスポート試験 など