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マンションの共同名義とは?メリット・デメリットや注意点を解説

マンションの共同名義とは?メリット・デメリットや注意点を解説

マンションを購入する際、共同名義を検討する方は少なくありません。夫婦や親子での購入など、さまざまなケースで選ばれる方法です。しかし、共同名義にはメリットだけでなくデメリットもあるため、慎重な判断が大切です。

本記事では、共同名義でマンションを所有する際のメリット・デメリットから購入時の注意点、共同名義を解消する方法まで詳しく解説します。共同名義に関する疑問を解消し、最適な選択をするための参考にしてください。

マンションの共同名義とは?

マンションの共同名義とは?

マンションの共同名義とは、複数の人が1つのマンションを共同で所有することを指します。たとえば、夫婦で住宅ローンを組んでマンションを購入する場合や、親子で資金を出し合って購入する場合などが該当します。

共同名義でマンションを所有する場合、各所有者は共有持分を持つことになります。共有持分とは所有権の割合を示すもので、出資額に応じて決定されるのが一般的です。

夫婦がそれぞれ2,000万円ずつ出し合って4,000万円のマンションを購入した場合は、共有持分はそれぞれ2分の1となります。なお、「共同名義」と「共有名義」は同じ意味で用いられます。

マンションを共同名義で所有する主なケース

マンションを共同名義で所有する主なケース

マンションを共同名義で所有するのは、主に以下のケースがあります。

  • 夫婦で購入する場合
  • 親子で購入する場合
  • 相続人が複数いる場合

購入時に共同名義を選択する理由としては、夫婦や親子など、複数人で出資することで、より高額なマンションを購入しやすくなる点が挙げられます。

また、相続の場合は、法定相続人が複数人いる場合に、遺産分割協議によって共同名義となることがあります。

マンションを共同名義で所有するメリット

マンションを共同名義で所有するメリット

マンションを共同名義で所有することには、さまざまなメリットがあります。ここでは、主な4つのメリットを解説します。

  • 住宅ローンの借入可能額が増える
  • 住宅ローン控除がそれぞれに適用される
  • 売却時に特別控除がそれぞれに適用される
  • 相続税が節税できる

住宅ローンの借入可能額が増える

住宅ローンを組む際、年収や勤続年数などによって借入可能額に制限があります。しかし、夫婦や親子などで共同名義にすると、それぞれの収入額を利用して住宅ローンを組むことができるため、借入可能額を増やせる可能性が高まります。

たとえば、夫の年収だけでは希望額に届かない場合でも、妻も返済を負担することで、より高額な物件の購入が可能になります。

共同名義で購入する場合の住宅ローンの借り方には、借入人の一方が連帯保証人になる収入合算(連帯債務型)、別々にローンを組むペアローンといった方法があります。それぞれに特徴があるため、金融機関と相談して最適な方法を選ぶことが大切です。

住宅ローン控除がそれぞれに適用される

共同名義でマンションを購入し、各名義人が住宅ローンを組む場合は、借入人それぞれが住宅ローン控除を受けられます。住宅ローン控除とは、一定の条件を満たすことで、年末のローン残高に応じた金額が所得税や住民税から控除される制度です。

夫婦それぞれがローンを組んでいる場合、双方が控除を受けられるため、合計の控除額が増加し、家計全体の税負担を軽減できる可能性があります。ただし、控除を受けるためには、各名義人がローンの債務者であり、かつその物件に居住していることが条件となります。(※住宅ローン控除の適用には他にも条件があります。詳しくはこちら

売却時に特別控除がそれぞれに適用される

マンションを売却して利益が出た場合、通常は譲渡所得税がかかります。しかし、居住用財産(マイホーム)を売却した場合には、一定の要件を満たせば、3,000万円の特別控除が適用されます。

共同名義の場合、それぞれの名義人がこの特別控除を受けられるため、夫婦での共有であれば最大で6,000万円まで控除を受けられます。

各自の持ち分が2分の1ずつの場合、仮に6,000万円の譲渡所得が出ても、夫婦それぞれが3,000万円の特別控除を受ければ、譲渡所得税は課税されません。単独名義であれば3,000万円を超える部分に課税されるため、共同名義にすることで税負担を軽減できる可能性があります。

相続税を節税できる

マンションを単独名義で所有している場合、所有者が亡くなると、そのマンションは相続財産として評価され、相続税の課税対象となります。

一方、共同名義の場合、相続税の課税対象となるのは亡くなった方の共有持分のみです。そのため、単独名義の場合よりも相続財産の評価額を抑えられる場合があります。

ただし、相続税の計算は複雑でさまざまな要素が影響するため、必ずしも節税につながるわけではありません。専門家に相談し、個別の状況に応じたシミュレーションをすることが大切です。

マンションを共同名義で所有するデメリットや注意点

マンションを共同名義で所有するデメリットや注意点

マンションを共同名義で所有する際には、以下のデメリットや注意点もあります。

  • 共有者全員の同意がなければ売却できない
  • 贈与税の課税対象となるケースもある
  • 住宅ローン諸費用が余分にかかる
  • 離婚の際の財産分与が複雑になる
  • 共有者が死亡すると相続の対象になる

共有者全員の同意がなければ売却できない

マンションを共同名義で所有する場合、売却には共有者全員の同意が必要になります。民法第251条で「共有物の変更には共有者全員の同意が必要」と定められているためです。

たとえば、夫婦の共同名義のマンションを、夫が単独で売却しようとしてもできません。共有者のうち1人でも反対すれば、売却は不可能です。将来的に離婚や相続が発生した際に、全員の意見をまとめることが難しく、売却手続きが進まない場合もあります。

贈与税の課税対象となるケースもある

マンションを共同名義で購入する際、出資割合と持分割合が異なると、贈与税の課税対象となる場合があります。たとえば、夫婦でマンションを購入する際に、夫が全額を出資したにもかかわらず、持分割合を夫婦で半分ずつにした場合、夫から妻への贈与とみなされ、妻に贈与税が課される可能性があります。

住宅ローン諸費用が余分にかかる

ペアローンを利用してマンションを共同名義で購入する場合、単独名義の場合よりも諸費用が多くかかる傾向があります。事務手数料や保証料、団体信用生命保険料などが、それぞれで発生するためです。

住宅ローンの諸費用は、金融機関やローンの種類によって大きく異なります。事前に複数の金融機関を比較検討し、諸費用総額を把握したうえで、最適な住宅ローンを選ぶことが重要です。

離婚の際の財産分与が複雑になる

夫婦が共同名義でマンションを所有している場合、離婚時の財産分与が複雑になる傾向があります。共有財産であるマンションの持分割合や、住宅ローンの残債、売却の可否など、さまざまな要素を考慮して、夫婦間で合意を形成する必要があるためです。

たとえば、夫婦の持分割合が均等でない場合や、住宅ローンの連帯保証人が夫婦のどちらか一方になっている場合など、状況によっては話し合いが難航し、解決までに時間がかかることもあります。

財産分与は、夫婦間の合意に基づいておこなわれますが、合意が難しい場合は家庭裁判所に調停や審判を申し立てることも可能です。

共有者が死亡すると相続の対象になる

共同名義のマンションにおいて、共有者の一人が死亡した場合、その持分は相続の対象となります。新たな相続人が共有者として加わることで、物件の管理や売却時の意思決定が複雑化する場合があります。

たとえば、相続人の間で意見が合わず、物件の売却や賃貸が滞るケースも考えられます。このようなリスクを軽減するためには、生前に遺言書を作成し、持分の処分方法を明確にしておくことが有効です。

マンションの共同名義を解消する方法

マンションの共同名義を解消する方法

マンションの共同名義にはメリットもあるものの、ライフスタイルの変化や予期せぬ事態により、単独名義に変更する必要が生じることがあります。ここでは、状況別に共同名義の解消方法を説明します。

  • 離婚時に単独名義に変更する
  • 共有者が死亡した際に単独名義に変更する

離婚時に単独名義に変更する

離婚に伴い、夫婦の共有名義のマンションを夫または妻の単独名義に変更する場合は、財産分与をおこないます。夫婦間で話し合い、もしくは調停や裁判をおこない、一方の単独名義に変更します。

離婚前に協議を済ませておくと、離婚と同時に財産分与できます。また、離婚をしてから財産分与を請求することも可能です。ただし、離婚から2年経過すると家庭裁判所に申立てができなくなります。

注意点として、住宅ローンが残っている場合は、金融機関の承諾が必要になるケースがあります。登記上の所有権移転と住宅ローンの共同名義の解消は、それぞれ別の手続きです。

共有者が死亡した際に単独名義に変更する

共有名義のマンションで、共有者の一人が死亡した場合、残された共有者または相続人が単独名義に変更するには、遺産分割協議による手続きが必要です。

まず、相続人全員で遺産分割協議をおこない、誰がマンションを相続するかを決定します。マンションを相続する人は、ほかの相続人に対して代償金を支払うことが一般的です。協議がまとまったら、法務局で相続登記の手続きをおこない、単独名義に変更します。

なお、遺言書がある場合は、原則として遺言書に従って手続きを進めることになります。相続の手続きは複雑なため、司法書士や弁護士といった専門家への相談が推奨されます。

まとめ

共有名義まとめ

マンションの共同名義には、住宅ローンの借入可能額が増えたり、税制上のメリットを享受できたりする利点があります。

しかし、売却や名義変更の際に手続きが複雑になるといったデメリットもあります。メリット・デメリットを十分に理解し、自身の状況に適しているかを判断することが大切です。

共同名義での購入に不安がある場合は、不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。弊社オークラヤ住宅でも、マンション購入のご相談を以下より承っております。

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ご不安な点などございましたら、お気軽にご相談ください。お問合せを心よりお待ちしております。

著者情報

ライター・編集者

悠木まちゃ

【経歴】

ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅や事務所建築などの営業・設計を経験してきました。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集までおこなっています。

取材やブックライティングもおこなうほか、ライター向けオンラインコミュニティの講師も担当しています。

保有資格:宅建士・FP3級

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