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マンションの資産価値を決める10の要素!調べ方や年数による推移も解説

マンションの資産価値を決める10の要素!調べ方や年数による推移も解説

マンションを購入するときに気になるのが、将来の資産価値です。いずれ売却する可能性を踏まえ、価値が下がりにくい物件を購入したいと考える方も多いでしょう。

この記事では、マンションの資産価値を決める要素や、年数による推移、資産価値の調べ方を解説します。マンション購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

マンションの資産価値とは

マンションの資産価値には、主に売却価値と収益価値があります。

それぞれ説明していきます。

売却価値

売却価値とは、マンションを市場に売りに出す際の物件価値のことです。購入価格より高く売れれば、その差額は利益となります。そのため、売却価値が高いマンションは、住みかえの際の資金調達がしやすくなります。

近年、マンションは一生に一度の買い物ではなく、ライフステージの変化に伴い住みかえをするケースも見られるようになりました。将来的な住みかえの可能性を考慮すると、売却価値を維持しやすいマンションを選ぶことは重要といえます。

収益価値

収益価値とは、マンションを賃貸物件として運用する際の物件価値を指します。

マンションは、投資物件とするほか、転勤などで一時的に住まなくなった場合に貸し出すことでも家賃収入を得られます。そのため、収益性の高さもマンションを選ぶ際のポイントになるでしょう。

収益価値は、築年数や広さだけでなく、設備や共用施設といった賃貸としてのニーズにも左右されます。

マンションの資産価値を決める要素10選

ここでは、マンションの資産価値を決める要素を「建物」と「立地・周辺環境」に分け、合計10個のポイントを解説します。

建物の要素

建物の要素は、次の7つです。

  • 眺望・陽当たり
  • 広さ・専有面積
  • 間取り
  • 階数
  • 築年数
  • 管理状況
  • 共用施設やサービス

ひとつずつ見ていきましょう。

眺望・陽当たり

眺望や陽当たりは、居住者の生活の質に関わるだけでなく、売却や賃貸をする際の物件の魅力にも影響します。たとえば、公園・河川・海などの自然景観や都市景観などが見える物件は高い評価を得やすいです。

一方、隣接する建物が近く陽当たりが悪い部屋や、視界が遮られる部屋は、資産価値が低下する可能性があります。周辺にビルなどが建つと景観が変わるため、近隣に開発計画がないか情報収集することも大切です。

また、南向きの部屋は、日中の自然光を多く取り入れられるため、人気が高くなっています。陽当たりは時間帯によって変わるため、タイミングを変えて何度か内見しましょう。

広さ・専有面積

マンションの資産価値を決定する重要な要素の一つが、広さや専有面積です。

一般的に、専有面積が広いほど資産価値は高くなる傾向にあります。ただし、広すぎる部屋は需要が限られるため、売却時に希望通りの価格で売れない場合もあります。家族構成やライフスタイルに合った広さかどうかを確認することが大切です。

また、専有面積を確認する際は、壁芯面積(壁の中心線の内側の面積)と内法面積(壁の内側の線を基準とする実際に使える面積)の違いを認識しておきましょう。販売資料は壁芯で算出した面積が記載される場合が多いため、実際に使える面積は少し狭くなります。

間取り

間取りは資産価値を大きく左右する要素の一つです。需要の高い間取りの特徴としては、可変性や動線の短さが挙げられます。

ライフスタイルの変化に対応できる柔軟な間取りは、長期的な需要を維持しやすいです。たとえば、リビングを中心に各部屋が配置された間取りや、壁を取り払いやすい設計は人気があります。必要な場所の収納スペースがあることや、水まわりの配置などもポイントです。

間取りをチェックする際は、家具の配置や生活動線をイメージすることが大切です。また、将来的なリノベーションの可能性も考慮に入れると良いでしょう。

階数

マンションの階数は資産価値に影響し、一般的に、高層階ほど価値が高くなる傾向にあります。眺望や陽当たりの良さ、プライバシーの確保のしやすさなどが、その要因です。さらに最上階は、上階からの騒音がないことも大きなポイントです。

一方、低層階や中層階は、災害時の避難がしやすい、地震の際の揺れが上階よりも緩やかなどの利点がありますが、資産価値は高層階より低くなる傾向があります。ただし、エレベーターがないマンションについては、逆に1階の方が高くなるケースが多いです。また、1階の場合、専用庭付きであったり、専用駐車場が付いているなどのお部屋の人気が高まることもあります。それぞれの特徴を確認し、総合的に判断することが大切です。

築年数

一般的に、築年数が浅いほどマンションの資産価値は高くなります。築浅のマンションが高値で取引されるのは、最新の設備を備えており、建物の劣化も少ないことが理由です。

年数が経過するとともに、老朽化が進み資産価値は低下しますが、築年数を経るごとに価格の下落率は緩やかになっていきます。築が古くなると、築年数よりも他の要素が価格に及ぼす影響が大きくなるのが一般的です。

管理状況

適切にメンテナンスされているマンションは、築年数が経っても比較的高い資産価値を保ちやすいです。

一方、管理が不十分なマンションは建物の劣化が進み、資産価値が低下しやすくなります。特に大規模修繕がおこなわれていないマンションは、今後の修繕費用が大きくかかる可能性もあるでしょう。

管理状況をチェックする際は、過去の修繕履歴や今後の修繕計画のほか、修繕積立金が適切に積み立てられているかどうかを確認することも重要です。これらはマンションの管理規約や議事録などで確認できます。

共用施設やサービス

共用施設やサービスが充実していると、マンションの魅力や需要が高まり、資産価値の維持・向上につながります。

特に、24時間可能なゴミ捨て場や宅配ボックスなどの実用的な施設は、多くの入居者に支持されています。そのほか、キッズルームや図書室、フィットネスジム、ラウンジ、コンシェルジュサービスなども人気です。

ただし、過剰な施設があると管理費が高くなります。利用頻度とコストのバランスを考慮しましょう。

立地・周辺環境の要素

立地・周辺環境の要素は、次の3つです。

  • エリアの需要
  • 交通の利便性
  • 周辺施設

それぞれ解説していきます。

エリアの需要

人気のエリアに建っているマンションは、常に高い需要があるため、資産価値が落ちにくい傾向にあります。たとえば、都心部や再開発が進むエリアは人気が高く、資産価値が上がりやすいです。

一方、人口減少が進む地域では需要が低下し、資産価値も下がる傾向にあります。

チェックポイントとしては、エリアの将来性や人口動向、再開発計画の有無を確認することが重要です。自治体の発表する再開発計画や人口統計データを参考にするとよいでしょう。

交通の利便性

駅やバス停からの距離、利用可能な路線数、主要駅までの所要時間といった交通の利便性も重要な要素です。

一般的に、最寄り駅から徒歩10分以内のマンションは資産価値が高いとされています。特に、複数の路線が利用可能な駅や、急行・特急が停車する駅に近いマンションは、より高い評価を得られます。

反対に、最寄り駅まで徒歩20分以上かかるマンションや、バスでしかアクセスできないマンションは、資産価値が低くなる傾向があります。

交通の利便性をチェックする際は、駅からの距離だけでなく、主要駅や都心部へのアクセス時間、通勤・通学のしやすさなども考慮することが大切です。

周辺施設

日常生活に必要な施設が近くにあると、居住者の利便性が高まり、結果として資産価値の維持・向上につながります。

具体的には、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストア、病院、銀行、郵便局などの生活利便施設が徒歩圏内にあることが望ましいです。また、子育て世帯にとっては、保育園や幼稚園、学校の近さも大切なポイントです。

反対に、周辺に騒音や悪臭を発生させる施設がある場合や、治安の悪い地域では、マンションの資産価値が低下する可能性があります。

周辺施設をチェックする際は、施設の有無だけでなく、その質や利用のしやすさも考慮することが大切です。また、将来的な開発計画も確認しておくとよいでしょう。

マンションの資産価値の推移

マンションの資産価値は、市況とともに変化していきます。

2024年6月発表の国土交通省の調査結果によると、マンションの価格は2013年から2024年まで年々上がり続けています。

出典:国土交通省|不動産価格指数(令和6年3月・令和6年第1四半期分)を公表(P2)

公益財団法人東日本不動産流通機構の「レインズタワー」の2024 年 1〜3 月期の季報マーケットウォッチによると、中古マンションの価格は、首都圏では平均価格が4,845万円、前年同期比で11%のアップとなっています。

この結果からわかるように、マンションの資産価値は市況によって変化します。昨今では新築時より高く売れるマンションも少なくありません。

ただし、今後継続して上がり続けるのか、それとも下落の方向に転じるのか、市況については先の予測は難しく、資産価値の推移については定期的に確認し続けていく必要があります。

マンションの資産価値の調べ方

マンションの資産価値の調べ方は、主に以下の4つです。

  • 市場の相場から推測する
  • マンションの固定資産税評価額を調べる
  • 土地の価格を調べる
  • 売却査定を依頼する

それぞれ解説していきます。

市場の相場から推測する

市場相場からマンションの資産価値を推測する方法は、比較的簡単におこなえます。

具体的には、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で、近隣の似たような物件の取引価格を調べます。不動産業者であれば「レインズ」などの専門サイトで、より詳しく調べることが可能です。

不動産情報ライブラリでは、取引時期や物件種類、地域を指定して検索することで、実際に売買契約が成立した取引価格を確認できます。

具体的な物件名は特定できませんが、築年数や面積、最寄り駅からの距離もわかるため、自分のマンションと類似する物件を探しやすいでしょう。取引価格を参考にすることで、おおよその資産価値を推測できます。

また、不動産ポータルサイトなどで、売り出し中の類似物件の販売価格を調べることも可能です。ただし、販売価格は売主の希望価格であり、実際の取引価格とは異なる点に留意しましょう。

マンションの固定資産税評価額を調べる

マンションの資産価値を知るための要素として、固定資産税評価額があります。

固定資産税評価額とは、固定資産税額を算出する際の基準となる金額で、市区町村が各不動産の価値を評価して定めるものです。固定資産税評価額は一般的に公示価格の7割程度となっています。

固定資産税評価額は、毎年郵送される納税通知書に記載されています。市区町村役場の税務課や住民課で固定資産税台帳を閲覧することでも確認可能です。

ただし、固定資産税評価額は実際の取引価格とは異なる場合が多いため、あくまでも参考値としてとらえることが重要です。他の方法と組み合わせて総合的に判断することで、より的確に資産価値の把握が可能となります。

土地の価格を調べる

マンションの資産価値を知るためには、土地の価格を把握することも重要です。土地の価格を調べる方法としては、公示価格と路線価の2つがあります。

公示価格を調べる

公示価格は、国土交通省が毎年1月1日時点の標準地の価格を公表するものです。不動産取引の指標として広く利用されています。

公示価格は、国土交通省のWebサイトで公開されており、誰でも無料で閲覧可能です。マンションが建っている地域の公示価格を確認することで、おおよその土地の価値を把握できます。

ただし、公示価格は標準的な土地の価格であるため、実際の価値とは差が生じる可能性があります。

路線価から土地評価額を算出する

路線価は、相続税や贈与税の算定基準として国税庁が毎年公表する、道路に面した土地の1平方メートル当たりの評価額です。路線価を利用して土地評価額を算出する方法は、以下の手順でおこないます。

  1. 国税庁のホームページで該当地域の路線価図を確認する
  2. マンションが面している道路の路線価を特定する
  3. 土地全体の評価額を算出する(土地全体の評価額 = 路線価 × 土地面積)
  4. 持分割合を掛けて、マンションの共有持分の評価額を算出する(共有持分の評価額 = 土地全体の評価額 × 持分割合)

たとえば、路線価が40万円/㎡、マンションの敷地面積が1,000㎡、自分の専有面積比率が5%の場合、土地評価額は2,000万円(40万円 × 1,000㎡ × 5%)と算出できます。

この方法により、マンションの土地部分の評価額を算出できます。ただし、路線価は相続税などの算定基準であるため、実際の市場価格とは異なる場合があることを認識しておきましょう。

売却査定を依頼する

正確にマンションの資産価値を知る方法のひとつは、不動産会社に売却査定を依頼することです。

売却査定では、マンションの立地、築年数、間取り、設備の状態、周辺環境などのさまざまな要素を総合的に判断し、現在の市場動向も考慮して価格が算出されます。

不動産会社によって査定額に差が出ることもあるため、複数社に査定を依頼し、平均値や中央値を参考にするとよいでしょう。

まとめ

マンションの資産価値を決める要素は、建物と立地に分かれます。建物で資産価値に影響するポイントは、主に眺望や広さ、間取り、築年数のほか、管理状況などです。

また、人気のあるエリアだけでなく、交通機関や周辺施設が充実している場所では資産価値が高くなる傾向があります。

将来のことを考え、資産価値の下がりにくい物件をお探しの場合は、この記事で紹介したポイントをチェックしてみてください。

なお、弊社オークラヤ住宅でも、お部屋探しのご相談を以下より承っております。

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著者情報

ライター・編集者

悠木まちゃ

【経歴】

ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅や事務所建築などの営業・設計を経験してきました。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集までおこなっています。

取材やブックライティングもおこなうほか、ライター向けオンラインコミュニティの講師も担当しています。

保有資格:宅建士・FP3級

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