物件選びのポイントのひとつである家の広さは「坪」や「平米」など、さまざまな単位で表されます。しかし、物件資料に「◯坪」と書かれていても、どのくらいの広さなのかイメージできない場合もあるでしょう。
この記事では、「坪」「平米」「畳」のそれぞれの広さや換算方法を解説します。マイホームに必要な坪数の目安や、坪単価の計算方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
坪と平米(平方メートル)とは?家の広さを測る単位を解説

家の広さを表す単位として、よく耳にするのが以下の3つです。
- 坪
- 平米(平方メートル、㎡)
- 畳(帖)
それぞれの単位の意味や関係性を理解しておくと、物件探しの際に役立ちます。各単位について見ていきましょう。
坪
坪は、尺貫法による面積の単位で、日本で古くから使われています。
1坪は、おおよそ畳2枚分の広さです。一辺が約1.818182メートルの正方形で、面積は約3.31平米(平方メートル)です。
尺貫法における1尺は0.303030メートルのため、坪は1辺が6尺の正方形となります。
坪は、不動産広告や住宅の間取り図などで頻繁に見られるほか、建築費を示す指標である坪単価を算出する際にも用いられます。
平米(平方メートル、㎡)
平米(へいべい)は、正式には平方メートル(㎡)と読む単位で、国際的に使用されています。
1平米は、1メートル×1メートルの正方形の面積を指します。坪に換算すると、0.3025坪です。
日本の不動産広告や建築図面では、法律で平米表記が義務付けられており、物件の広さを示す際には平米が使われます。
畳(帖)
畳(じょう)または帖(じょう)は、日本特有の面積の単位で、1畳(帖)は畳1枚分の面積を指します。主に部屋の広さを表す際に用いられ、「6畳間」「8畳間」などの表現もあります。
1畳の広さは地域や畳の種類によって異なりますが、一般的には約1.62~1.82平米(平方メートル、㎡)です。
なお「1畳」と「1帖」は同じ広さです。和室ではどちらの表記も用いられますが、洋室では「帖」と表記されるケースが多くなっています。
地域によって畳の大きさは異なる
畳の大きさは地域によって異なり、以下のように分類されます。
地域・種類 | 畳のサイズ | 面積 |
京間(西日本エリア) | 191cm × 95.5cm | 約1.82㎡ |
中京間(東海エリア) | 182cm × 91cm | 約1.65㎡ |
江戸間(関東エリア) | 176cm × 88cm | 約1.54㎡ |
団地間 | 170cm × 85cm | 約1.44㎡ |
これらの違いは、地域ごとの建築文化や生活様式の違いに由来します。
京間は広めの畳を使用するため、部屋全体が広く感じられますが、江戸間は畳が小さめで、同じ畳数でも部屋の実際の広さは狭くなります。
ただし、広告などに表記する部屋の広さは「1畳=1.62㎡以上」として算出するよう、不動産公正取引協議会連合会によって定められています。1.62㎡は、1.80cm × 90cm の畳の面積です。
参考:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」
【早見表】坪数、平米数(平方メートル)、畳数の換算
「畳(帖)・坪・平米(㎡)」を他の単位に換算すると、どの程度の広さになるか、見ていきましょう。1畳(帖)を1.62平米(㎡)と想定した場合の換算結果を以下の表にまとめました。
畳(帖) | 坪 | 平米(㎡) |
1畳(帖) | 約0.5坪 | 1.62平米(㎡) |
2畳(帖) | 約1坪 | 3.24平米(㎡) |
4.5畳(帖) | 約2.25坪 | 7.29平米(㎡) |
6畳(帖) | 約3坪 | 9.72平米(㎡) |
8畳(帖) | 約4坪 | 12.96平米(㎡) |
10畳(帖) | 約5坪 | 16.20平米(㎡) |
12畳(帖) | 約6坪 | 19.44平米(㎡) |
16畳(帖) | 約8坪 | 25.92平米(㎡) |
20畳(帖) | 約10坪 | 32.40平米(㎡) |
60畳(帖) | 約30坪 | 97.20平米(㎡) |
80畳(帖) | 約40坪 | 129.60平米(㎡) |
1畳(帖)は約0.5坪で、畳の面積は1.80cm × 90cm=1.62㎡と覚えておけば、簡単に換算できるでしょう。
坪数、平米数(平方メートル)、畳数への換算・計算方法

ここでは、以下の単位へ変換する際の計算方法を紹介します。
- 坪数から平米数への換算
- 平米数から坪数への換算
- 平米数から畳数への換算
- 畳数から平米数への換算
それぞれ見ていきましょう。
坪数から平米数への換算・計算方法
坪数から平米数(㎡)への換算は、1平米=0.3025坪であることをもとに計算します。
計算式は以下のとおりです。
坪数÷0.3025=平米数(㎡) |
たとえば、10坪の面積を平米数に換算する場合、以下のように計算します。
10坪÷0.3025=約33.0579平米(㎡) |
平米数から坪数への換算・計算方法
平米数(㎡)から坪数への換算も、1平米が0.3025坪であることから計算できます。
計算式は以下のとおりです。
平米数(㎡) × 0.3025 = 坪数 |
たとえば、100㎡の面積を坪数に換算すると、以下のように30.25坪となります。
100平米(㎡) × 0.3025 = 30.25坪 |
平米数から畳数への換算・計算方法
平米数(㎡)から畳数への換算は、1畳が約1.62平米と想定して計算します。
計算式は以下のとおりです。
平米数 ÷ 1.62 = 畳数 |
10㎡の面積を畳数に換算する場合は、以下のように計算します。
10平米 ÷1.62=約6.1728畳 |
畳数から平米数への換算・計算方法
畳数から平米数(㎡)への換算も、1畳が約1.62平米であることをもとに計算します。
計算式は以下のとおりです。
畳数 × 1.62 = 平米数(㎡) |
たとえば、10畳の面積を平米数に換算する場合、以下のように16.20平米となります。
10畳 ×1.62=16.20平米 |
マイホームに必要な坪数・平米数(平方メートル)の目安

続いて、マイホームに必要な坪数・平米数を、以下の世帯人数別に紹介します。
目安となる広さを把握しておきましょう。
1人暮らしの場合
国土交通省では、1人暮らしに必要な最低限の広さは25平米(約7坪)であると公表しています。リビングやキッチン、寝室、浴室、トイレなどの基本的な生活空間を確保するための広さです。
収納スペースや趣味の部屋を設け、生活の質を向上させるには40平米(約12坪)。都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅なら55平米(約17坪)を推奨しています。
畳数に換算すると、25平米は約15.4畳、55平米は約34畳です。間取りにすると1Kから2LDKが想定されるでしょう。
2人暮らしの場合(夫婦・カップルなど)
国土交通省の基準によると、2人暮らしの場合の最低限の面積は30平米(約9.1坪)です。ゆとりのある生活を送るために必要な面積は、75平米(約22.7坪)とされています。
畳数に換算すると、30平米は約18.5畳、75平米は約46.3畳です。間取りにすると1DKから3LDKが想定されるでしょう。
3人暮らしの場合(親子など)
国土交通省は、3人暮らしの場合の最低限の面積を40平米(約12.1坪)としています。居住空間にゆとりを持たせるなら、100平米(約30.3坪)が必要です。
畳数に換算すると、40平米は約24.7畳、100平米は約61.7畳。2DKや3LDK、4LDKの間取りが可能です。
4人暮らし以上の場合(親子・三世代同居など)
国土交通省の基準によると、4人暮らしなら最低限で50平米(約15坪)、理想的な面積が125平米(約37.8坪)。
畳数に換算すると、50平米は約30.9畳、125平米は約77.2畳。2LDKや3LDK、4LDK以上の間取りが想定されます。
また、5人暮らしなら57平米(約17.2坪)から150平米(約45.4坪)が必要とされています。
畳数に換算すると、57平米は約35.2畳、150平米は92.6畳。2LDKや3LDK、4LDK以上の間取りが可能になるでしょう。
物件の広さ(坪数・平米数)を確認するときの注意点

マンションや戸建て住宅の面積には、壁芯面積(かべしんめんせき)と内法面積(うちのりめんせき)がある点に注意しましょう。
内法面積とは壁の内側の室内面積を指し、実際に使える広さと同じ面積になります。
一方、壁芯面積とは、壁の中心までを部屋の面積に含んで計算した面積です。壁の厚みが面積に含まれているため、実際に使用できるスペースは、表示されている面積より狭くなります。
物件資料には壁芯面積で表記されることが多いため、実際に使える面積とは異なると認識しておきましょう。
坪単価の計算方法

坪単価とは、不動産の1坪当たりの価格を指し、マンションの場合は、以下のように算出できます。
不動産の本体価格 ÷ 坪数(壁芯面積)=坪単価 |
まとめ
家の広さを表す際に使われる「平米」「坪」「畳」。1坪とは約2畳であり、面積にすると約3.305785平米です。
物件の広さを確認する際には、地域によって畳の大きさが違うことや、壁芯面積と内法面積は違うことに留意しましょう。気になる物件の面積は不動産会社に確認してみてください。
なお、弊社オークラヤ住宅でも、お部屋探しのご相談を以下より承っております。
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著者情報

ライター・編集者
悠木まちゃ
【経歴】
ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅や事務所建築などの営業・設計を経験してきました。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集までおこなっています。
取材やブックライティングもおこなうほか、ライター向けオンラインコミュニティの講師も担当しています。
保有資格:宅建士・FP3級