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マンション寿命は何年?影響を与えるポイントや法定耐用年数を超えた物件の選択肢

マンション寿命は何年?影響を与えるポイントや法定耐用年数を超えた物件の選択肢

マンションを購入する際、建物の寿命について気になる方も多いのではないでしょうか。適切に管理すれば、マンションは100年以上経っても住むことが可能といわれています。しかし、建物の構造や修繕状況、立地などの要因によって、寿命は大きく左右されます。

この記事では、マンションの寿命に影響を与えるポイントや、耐用年数を超えた場合の選択肢について解説します。長く快適に暮らせるマンションを選ぶために、ぜひ参考にしてください。 

マンション寿命と法定耐用年数の違い

マンション寿命は何年?影響を与えるポイントや耐用年数を超えた物件の選択肢

マンションの「法定耐用年数」と「寿命」は異なります。法定耐用年数は固定資産減価償却費の計算をするために用いられます。(参考:国税庁 減価償却のあらまし

法定耐用年数は国税庁が公表しています。(参考:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

鉄筋コンクリート造(RC造)および鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンションの法定耐用年数は47年とされています。この年数は税法上の法定耐用年数でマンション建物の物理的な寿命を指しているわけではありません。

マンション寿命は建物の管理や修繕状況に大きく影響され、適切にメンテナンスされていれば長くなります​。築後経過年数が耐用年数を超えるマンションも数多く存在しており建物に問題がない限りは住み続けることが可能です。

マンションの寿命は最長150年ともいわれる

実際のマンションの寿命は法定耐用年数よりも長く、物理的寿命は100年を超えるとされています。RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例によると、鉄筋コンクリート造の建物の寿命は約120年、外装の仕上げ次第では150年まで延ばせるともいわれています。

ただし、建物の構造だけではなく定期的な修繕や管理がおこなわれているか否かによって、マンションの寿命は大きく変わってきます。

マンションが法定耐用年数を超えたらどうなる?

マンションが法定耐用年数を超えたらどうなる?

法定耐用年数は税制上の数値に過ぎないものの、法定耐用年数を超えると以下のようなデメリットが生じます。

  • 減価償却費が0円になる、あるいは期間が短い
  • ローンが組みにくい

それぞれ説明していきます。

減価償却費が0円になる、あるいは期間が短い

事業用不動産として法定耐用年数の47年間減価償却を継続した場合、帳簿価格が1円または0円になるので翌年度以降減価償却費は0円になります。

中古マンションを購入し投資用マンション(事業用不動産)として利用する場合、築後経過年数が法定耐用年数を超えた物件は減価償却期間が最長で9年になります。(参考:国税庁 中古資産の耐用年数

投資用マンションでは、賃料等の収入から減価償却費を経費計上することにより税負担が抑えられるので、減価償却できる期間が短いのはデメリットとなります。

一方で、自ら住むマンション(居住用マンション)の減価償却費は「減価償却費=建物購入価額×0.9×償却率×経過年数」で計算します。この際の経過年数はマンションを所有していた期間のため、居住用マンションの場合は、法定耐用年数(47年)を超えていても減価償却費に影響はありません。

ローンが組みにくい

法定耐用年数を超えたマンションは資産価値が低いと判断され、ローンが組みにくくなる傾向があります。借入期間短期化、担保評価より融資額の減額、優遇金利の非適用などが生じる場合がその一例です。

耐用年数の残りの年数を借入期間の上限とする金融機関もあり、借り入れができない場合もあります。

マンションの寿命に影響を与える要因

マンションの寿命に影響を与える要因

前項では法定耐用年数による影響を説明しました。ここでは、マンションの実際の寿命を左右する4つの要因を解説します。

  • 建物の構造・耐震性能
  • 大規模修繕
  • 維持管理・メンテナンス
  • 気候・立地

それぞれ見ていきましょう。

建物の構造・耐震性能

マンションの構造や耐震性能は、建物の寿命に大きな影響を与える要因のひとつです。鉄筋コンクリート造の場合、コンクリートの品質や鉄筋の量、施工の精度なども重要です。コンクリートの強度が不足していると、建物の耐久性を低下させる原因となります。

また、旧耐震基準で建てられたマンションは、新耐震基準で建てられたマンションと比較して大地震の際に倒壊する危険性が高いため、比較的寿命が短いと考えられています。

大規模修繕

マンションの大規模修繕の実施状況は、建物の寿命を左右します。国土交通省のガイドラインでは、外壁や屋上の塗装、ひび割れの補修などを12~15年ごと、空調・換気設備の交換を13~17年ごとにおこなうことが推奨されています。

必要な修繕を怠ると、コンクリートのひび割れ発生、ひび割れからの浸透による鉄筋の腐食が発生し、建物の寿命が短くなります。修繕積立金不足で定期的な修繕工事が出来ない場合は建物の築後経過年数以上に老朽化が進行する恐れがあります。

適切な時期に大規模修繕を実施することで建物の劣化を遅らせ、長く住むことが可能となります。

維持管理・メンテナンス

日常的な維持管理やメンテナンスも、マンションの寿命に影響を与えます。定期的な清掃や設備の点検、小規模修繕などをおこなうことで、建物の劣化を防げます。特に、排水管の清掃や屋上の防水工事は、水まわりのトラブルを防ぐために重要です。

また、エレベーターや消防設備などの法定点検を適切に実施することで、設備の故障を未然に防ぐことができます。管理が不十分な場合は建物の不具合が放置され、後日の修繕コストが増大する恐れもあります。

気候・立地

マンションの立地する地域の気候や環境も、建物の寿命に影響を与える要因のひとつです。例えば、海に近い地域では、塩害によってコンクリートや鉄筋が劣化しやすくなります。

また、寒冷地では凍害によってコンクリートにひび割れが生じるリスクがある一方、温暖な地域ではカビや腐食が発生し、建物の耐久性が低下する恐れがあります。

さらに、地盤の状態も重要です。軟弱地盤の上に建てられたマンションは、不同沈下によって建物に歪みが生じ、寿命が短くなる可能性があります。 

長寿命マンションを選ぶためのポイント

長寿命マンションを選ぶためのポイント

「大規模修繕」「維持管理・メンテナンス」の状況を確認する

長寿命のマンションを選ぶには、「大規模修繕工事」の履歴や今後の予定、清掃や設備の点検状況など日ごろの「維持管理・メンテナンス」の状況を確認することが重要です。

不動産会社を通じて管理会社に問い合わせることで管理に関する様々な資料を入手することが可能です。

住宅診断をおこなう

住宅診断とは、建物の状態を専門家が調査し、劣化状況や修繕の必要性を診断するサービスです。

調査項目は各住宅診断会社により異なりますが、マンションの場合、主に以下の部分のひび割れや欠損などが診断対象となります。

  • 共用部分:外壁仕上げ、基礎周り、屋根、軒裏、床面
  • 専有部分:壁、柱、梁、床、建具

住宅診断をおこなうことで、建物の現状と将来的なリスクを把握でき、適切な物件選びができます。

マンションの寿命が近づいた際の選択肢

マンションの寿命が近づいた際の選択肢

中古マンションを購入した場合には、暮らしていくなかでマンションの寿命が近づいてくるケースもあるでしょう。その場合に考えられる選択肢は、次の5つです。

  • 居住者負担で建て替える
  • 居住者負担なしで建て替える
  • ディベロッパーなどに売却
  • マンションを解体して土地を売却
  • 住み続ける

それぞれ説明していきます。

居住者負担で建て替える

マンションの老朽化が進み、修繕では対応できなくなった場合、居住者が費用を負担して建て替えをする選択肢があります。

建て替えることで、耐震性の向上や新しい設備の導入、バリアフリー化などが期待できます。一方で、デメリットになるのは多額の費用負担や仮住まいの確保、合意形成の難しさなどです。建て替えを選択する際は、資金計画や将来のライフプランを十分に検討する必要があります。  

居住者負担なしで建て替える

居住者の負担なしで建て替えをする選択肢もあります。建て替え前よりも建て替え後の住戸数を増やし、新たに増える住戸を販売する方法です。その売却資金を建て替え費用に充てることで、居住者の負担をなしにできます。

ただし、建て替え前の時点で容積率に余剰がない場合は住戸を増やせないため、必ずしも実現できるわけではありません。

ディベロッパーなどに売却

マンションの寿命が近づいた際、ディベロッパーなどに売却することも可能です。老朽化したマンションを売却し、新たな住まいを探す方法です。売却益を新しい住宅の購入資金に充てられます。

また、建て替えの合意形成が難しい場合の選択肢にもなります。懸念点になるのは、売却価格が期待通りにならない可能性や、新たな住まい探しの手間がかかる点などです。

マンションを解体して土地を売却

マンションを解体して土地を売却するのも選択肢のひとつです。建物の老朽化が進み、建て替えや修繕が困難な場合に検討される方法です。

土地の売却資金で新たな住まいを購入できますが、解体費用がかかる点や、土地売却の手続きが必要な点を認識しておきましょう。

住み続ける

マンションの寿命が近づいても、そのまま住み続ける選択肢もあります。建物の状態が比較的良好で、大規模な修繕で対応できる場合に向いている方法です。住み慣れた環境を維持できることや、建て替えに比べて費用負担を少なく済ませられることがメリットです。

ただし、将来的に修繕費用が増大する可能性や、設備が劣化するといったデメリットがあります。そのまま住み続ける選択をする際は、長期的な修繕計画を検討する必要があります。

まとめ

まとめ

マンションの寿命は、法定耐用年数である47年よりも長く、適切な管理のもとであれば最長150年に達する可能性があります。しかし、建物の構造や耐震性能、大規模修繕の実施状況、立地などの要因によって、寿命は大きく変わります。

長寿命なマンションを選ぶためには、これらの点の確認に加え、住宅診断をおこなうことが有効です。

なお、弊社オークラヤ住宅でも、マンション購入のご相談を以下より承っております。

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著者情報

著者

ライター・編集者

悠木まちゃ

【経歴】

ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅や事務所建築などの営業・設計を経験してきました。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集までおこなっています。

取材やブックライティングもおこなうほか、ライター向けオンラインコミュニティの講師も担当しています。

保有資格:宅建士・FP3級

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