こんにちは!
先月は街角エッセイをお休みしてしまい、
楽しみにされていた皆さん、ごめんなさい!
今回は、
東京都大田区の『大森』の由来についてお届けします。
大森と呼ばれるようになったのは、
江戸時代になってからと云われています。
それ以前の、「おおもり」には、「大杜」の字が使われていました。
地名の由来は大きな森があったことに因むとされています。
この森というのが、海岸線に面した大きく豊かな森でありました。
大森と言えば貝塚が有名です。
1877年(明治10年)6月に、
アメリカ人の動物学者エドワードSモース博士が
横浜から新橋へ向かう汽車の窓からこの貝塚を発見しました。
その後発掘調査が本格的に始まり、
土器、土偶、石斧、石鍬、鹿や鯨の骨に混じり、人骨まで発掘されました。
それまで日本には考古学というものが存在しなかった為、
大森の地が、「日本考古学発祥の地」とされています。
貝塚の時代背景は、縄文時代後期とされています。
縄文後期という時代は、
それまで温暖であった気候が徐々に寒冷化に向かい、
それに伴う環境の変化により、
木の実、動物などの重要な食料資源が減少し、
また、追い討ちをかけるように、
富士山や箱根山の噴火などもあり、
食料の確保が大変厳しい時代でした。
人々は寒冷化による被害が少ない海産物を中心に食料の確保を行なった為に、
大森貝塚が出来上がったそうです。
海岸沿いの大きな森は気候の変動にも負けず、
不安を抱えて暮らす人々を
優しく包んでくれたのではないでしょうか。