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人生100年時代に突入!?~老後の生活を考えた自宅に住み替える~

人生100年時代に突入!?~老後の生活を考えた自宅に住み替える~

人生100年時代に突入した今、定年を迎えても、子育てが終了しても約30年の時を過ごすといわれています。

そんな中、いわゆるシニア層の方の中で、現在の住居からの住み替えを検討する方が増えています。

「不動産購入は一生に一度」や「終の棲家」などの言葉もありますが、どういった背景でシニア層は住み替えを検討するのでしょうか。

「今回はシニア層の住み替え」についてお話します。

【目次】
1、人生100年時代への突入
2、終の棲家ではなくなった!?
3、シニア層の住み替えとは?
4、実際の住み替えの方法は?
(1)現在の自宅の売却資金で住み替える
(2)リバースモーゲージを使って住み替える
5、シニア層にお勧めな物件の特徴
6、まとめ

1、人生100年時代への突入

平均寿命は、平成30年の調査で男性で81.25歳、女性で87.32歳と言われています。

平均寿命は今後も伸びることが予想されていて、最近では「人生100年」なんて言葉も誕生しています。

実際に人生100年時代が到来すると、定年後や子育てが終了した後であっても、約30年の時を過ごすことになります。

その間、体力は徐々に衰えることは必然ですし、病気にもかかりやすくなることも想定されています。

人生100年というのは、老後の生活において様々な影響を及ぼすことが想定されていますが、中でも今の「自宅」の件で悩みを抱えている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

2、終の棲家ではなくなった!?

住宅を購入するきっかけは様々ですが、多いのが結婚や子供の誕生です。

購入するなら、子供の成長も考えて、子供部屋を確保できるような大きな部屋を購入する方がほとんどだと思います。

また、都会の環境よりかは子育て環境を重視し、郊外の住宅を購入する方も多くいました。

さて、今のシニア層と呼ばれる60代後半や70代にかけての方が、初めて住宅を購入した時というのは、人口増加に対応するためにマンション建設や団地の形成、郊外の宅地開発が盛んな時代でした。

住宅購入の選択肢も豊かになりつつある時代で、広い大きな家を購入された方も多く入らっしゃったのではないでしょうか。

しかし2020年を迎えた今、どうでしょうか。

子供の独立によって子供部屋は空き、部屋が余った状態になったり、自身は、加齢による体力衰退に伴って、広い部屋の移動に苦痛を感じる場面が出てくるようになります。

人生100年時代に突入した今、終の棲家として購入した自宅は、今後続くであろう約30年の老後の生活には合わないといったことが起こり得るかもしれません。

しかし、こうなる事を想定して不動産を購入することはとても難しいことです。そこで今、シニア層の中では、今の生活スタイルに合った「住み替え」を検討する方が増えてきているのです。

3、シニア層の住み替えとは?

住み替えと言っても、マンションから戸建や今より広い部屋へなど様々ありますが、シニア層では「ダウンサイジング」と呼ばれる住み替えが主となっています。

ダウンサイジングとは、住宅用語では、今よりコンパクトなお部屋に住み替えることを言います。

広義では、コンパクトにするだけでなく、今の生活スタイルを考慮した部屋に住み替えることをいいます。

例えば、広い部屋から夫婦二人だけが生活できるコンパクトなお部屋に引っ越すことはもちろんですが、年を重ね体力が落ちることを考えると、通院、買い物、交通など生活の利便性も考慮する必要があります。

特に郊外で、街の中心部や最寄り駅から離れている地域にお住いの方は、買い物や通院などでの外出が大きな負担になってしまいます。

庭付きの戸建もいいですが、今後の生活を考慮すると、街にあるコンパクトなマンションへの住み替えが実現できれば、日々の生活や体への負担の軽減が図れます。

また、「近居」という言葉も近年よく耳にするようになりました。

近居とは、自身の子供や親戚の近くに住むことを言います。一昔前は、同居という考えが主でしたが、最近では「近居」のスタイルをとっている家族もいるそうです。

老後の生活にとって、様子を見に行ける環境が整うことは、互いに安心することができます。

しかし、同居の場合だと抵抗感を持つ方もおり、程よく距離をとった「近居」が最近のトレンドにもなりつつあります。

この「近居」は、行政も奨励しています。例えば、品川区では「親元近居支援事業」を展開して、転居費用に応じてポイント交付が受けられます。そのポイントは区内で使える商品券などと交換することができます。参考:品川区親元近居支援事業

4、実際の住み替えの方法は?

では、実際に住み替えるにはどのようにしたらよいのでしょうか。

物件の購入費用、引っ越し費用などお金の工面をする場面が出てきます。しかも、仕事は定年しているし、住宅ローンは組めないしなど、シニアならではの制限もついてきます。

しかし近年では、このシニア層の住み替えに対応するべく専用の融資を用意している金融機関も出てきました。この融資の内容も含めて、シニア層の住み替え方法をまとめました。

(1)現在の自宅の売却資金で住み替える
こちらの方法は、住み替えの中でも一番シンプルな方法で金融機関の融資を受ける必要もありません。

自宅を売却し、手元に残った資金を使った資金をそのまま購入物件に充当してもよいですし、売却資金と自己資金を合わせて購入することもできます。

不動産売却には、税金、仲介手数料などの諸費用が発生しますので、これらは購入資金から除く必要があります。

仲介手数料も物件価格の3%+6万円の消費税がかかり、大きな諸費用となりますが、売却時の税金が気になるといった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産売却時の税金(印紙税を除く)は譲渡取得税と呼ばれます。不動産売却は税法的には、その売却金額は収入とみなされ、所得税が課税されます。

課税は譲渡益が出た場合に限られます。譲渡益とは、簡単に言うと買った金額よりも売った金額の方が高かったことをいいます。その分を利益として、課税がなされます。

しかし譲渡益が出たとしても、利益が3,000万円までは非課税という「3,000万円特別控除」という仕組みがあります。(特別控除は自宅の売却時のみ適用です)ほとんどの自宅の売却はこの特別控除が使えて無税になると思います。

反対に、売れた金額が買った金額よりも大きく下回った場合には、利益は発生していないので、課税がされないという仕組みになっています。(ただし、自宅の減価償却がありますので、売れた金額、購入金額が近い場合には注意しましょう。)

住み替え時には、いくら手元に残って、いくら購入物件に充当できるかなど資金計画をしっかりと立てる必要がありますので、不動産会社の担当者と打ち合わせをしておきましょう。

(2)リバースモーゲージを使って住み替える
最近のシニア層の住み替えが増えている傾向に、金融機関も専用の融資で対応しています。それがリバースモーゲージです。

リバースモーゲージとは、所有している自宅を担保にして、担保評価に基づいて決められた金額の範囲で融資を受けることができる仕組みです。通常の住宅ローンと違って、元本の返済はなく金利のみを支払うケースが一般的です。

借りた資金は、通常、本人が死亡した後に担保とした不動産が売却されて一括返済されることが前提です。もちろん、その他預金や保険などで返済されれば不動産を売却する必要はありません。
この数年、徐々に認知されるようになり、取扱い金融機関も増加して利用件数が伸びています。

最近のシニア層の方は、子孫に資産を残す傾向より、活用したいとの考える方が多いようです。

活用事例はこちらをご覧ください。~お金がなくとも住み替えできる?? ~リバースモーゲージを活用してみては~

こういった融資もありますし、今の生活にあった暮らしを実現するには、とても良い機会だと思います。

リバースモーゲージを活用すれば、シニア層の方の住み替えの現実味が増すことでしょう。

5、シニア層にお勧めな物件の特徴

年を重ねると、やはり心配なのが体力の低下です。また、持病を抱えるといったことも出てくるでしょう。

毎日の階段の上り下り、お掃除、庭の手入れなどを考えると、体への負担が少ないマンションがお勧めです。

ワンフロアで、コンパクトなお部屋も購入できるほか、外壁などの共用部の管理はマンション側で行うので、メンテンナンスが楽だと言われています。

また、マンションの特徴と言えば、立地の良さです。駅からは徒歩圏内に建っていることが多く、街中にあるが故に病院への通院にも便利です。

さらに、マンションの中でも、既存(中古)マンションがお勧めです。

新築マンションは建設計画がない限り、購入することができませんが、既存(中古)の場合、物件数も豊富に存在します。

例えば、病院の近くに住みたい、子供夫婦の近くに住みたい、買い物が便利なところに住みたいとなると、ある程度地域が限定されてしまいます。

地域限定で物件を探すことは、なかなか難しいことですが、既存(中古)マンションならば、立地も良く、広さや間取りのバラエティにも富んでいて、希望に近い物件に出会う可能性が高くなります。

物件価格も新築に比べれば、リーズナブルで手に入れることが可能です。資金があまり調達しにくいシニア層にはお勧めです。

6、まとめ

人生100年時代に突入した現代では、30年ぐらい続く老後の生活をどうするかしっかりと計画を立てておく必要があります。

一生ここに住むといった発想も、今後はあまり流行らなくなるかもしれません。自分の体調、家族の体調を考えて、必要であれば、今の生活に合うお部屋への住み替えを検討してもいいかもしれません。

また「近居」にも触れましたが、子供の近くにいる、孫の成長を一緒に見届けたいなど、家族全体にプラスに働く住み替えもあります。

具体的にお考えになる場合は、親族も含めてしっかりと話し合いをしておきましょう。

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