マイホームの購入を検討する際、「マンションか戸建か」は多くの人が迷うポイントです。それぞれに魅力があり、費用や住環境、資産価値などを比較しても、なかなか決断できないこともあるでしょう。
本記事では、マンションと戸建の違いや費用の比較、それぞれのメリット・デメリットを解説します。ライフステージにあわせた選び方の基準も紹介するので、理想の住まいを探す際の参考にしてください。
マンションと戸建、そもそも何が違う?検討前に整理すべき3つのポイント

マンションと戸建には、権利関係や建物の構造、管理体制の3つに違いがあります。まずは、比較検討の基本となる主な違いを押さえておきましょう。
| 比較項目 | マンション | 戸建 |
| 権利形態 | 専有部分:区分所有権 土地:敷地権※所有権物件の場合 | 土地・建物ともに所有権 ※所有権物件の場合 |
| 構造・耐用年数 | 鉄筋コンクリート造(RC造)などが中心 法定耐用年数:47年 | 木造が一般的 法定耐用年数:22年 |
| 管理体制 | 管理会社がおこなうことが多い 管理費などがかかる | すべて自己管理維持 管理に時間や労力がかかる |
それぞれの詳細について解説します。
権利形態の違い
戸建は、土地と建物の両方の所有者となり、所有権を持つのが特徴です。売却や建て替えの判断を所有者の一存でおこなえるため、将来的な自由度が高いといえます。
一方、マンションは住戸部分の区分所有権と、土地を利用する権利である敷地権を持つ形になります。建て替えや大規模な変更には管理組合での合意形成が必要です。
構造と耐用年数の違い
戸建とマンションは建物の構造が異なります。戸建は木造が一般的である一方、マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)や、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が基本となります。
それぞれの構造の特徴は、以下のとおりです。
| 構造 | メリット | デメリット |
| 木造 | 通気性が高い 初期コストを抑えやすい | 気密性・防音性はRC造より劣る シロアリ対策などのメンテナンスが必要 法定耐用年数が短い |
| RC造SRC造 | 耐震性・耐火性に優れる 気密性・防音性が木造より高い 法定耐用年数が長い | 通気性が低い 初期コストが高くなりやすい |
標準的な仕様で比較した場合、地震・火災に対する安心感や、防音性などの性能面ではマンションの構造が有利といえます。
法定耐用年数とは、税務上の計算で用いられる建物の耐用年数のことです。木造住宅が22年、RC造のマンションは47年とされていますが、この期間を過ぎても建物の使用は可能です。
管理体制の違い
マンションでは、管理会社や管理人が廊下やゴミ置き場といった共用部分の清掃やメンテナンスをおこないます。管理費はかかりますが、日々の手間を省ける点は大きなメリットといえるでしょう。
一方、戸建は、建物の修繕手配や庭の手入れなどをすべて自分でおこなう自己管理が基本です。管理費はないものの、維持管理に時間や労力を割く必要があります。
管理の負担を抑えたい方はマンション、ご自身で自由に手入れをしたい方は戸建というように、ライフスタイルにあわせて選ぶのもひとつの方法です。
マンションと戸建にかかる「お金」を比較!トータルでお得なのは?

マンションと戸建を比較する際は、購入価格だけでなく、入居後の維持費や税金も含めて考えることが大切です。金銭面での主な違いについて、次の表にまとめました。
| 項目 | マンション | 戸建 |
| 初期費用 | 修繕積立基金(一括)が必要な場合がある | 地盤改良費や外構工事費がかかる場合がある |
| 維持費 | 管理費・修繕積立金・駐車場代が毎月発生する | 数年ごとにまとまったメンテナンス費用がかかる 自主的な積み立てが必要 駐車場代はかからないことが多い |
| 税金 | 土地の税金は安くなる傾向 建物の税金は戸建より下がりにくい | 土地の税金は高くなる傾向 建物の税金は下がる可能性がある |
| 資産価値 | 比較的維持しやすい | 建物が古くなっても土地の価値は残る 立地等の条件によっては価格が下落しやすい場合がある |
以下で詳細を見ていきましょう。
初期費用・諸費用の違い
物件価格はエリアによって大きく異なりますが、都心の駅近エリアではマンションのほうが需要が高く、坪単価が高くなるケースがあります。購入時の諸費用は、新築戸建住宅や新築マンションなら物件価格の3~6%程度、中古戸建住宅や既存マンションなら物件価格の6~10%程度が目安となります。
新築マンションでは特有の初期費用として修繕積立基金が必要となり、数十万円単位での一括払いを求められるケースがあります。一方、注文住宅の戸建では、地盤改良費や外構工事費が別途必要になる場合もあるでしょう。
マンション購入の初期費用については、こちらのページで詳しく解説しています。
マンション購入の初期費用はいくら?相場や内訳、支払うタイミングを解説
維持費(ランニングコスト)の違い
マンションでは管理費、修繕積立金、駐車場代が毎月発生します。長期的な計画に基づいて積み立てられ、将来の大規模修繕に備えやすい点は安心材料といえます。
一方、戸建は毎月支払う管理費はないものの、10~15年ごとのメンテナンスに向けて、計画的に資金を確保しなければなりません。たとえば、外壁や屋根の塗装をおこなうだけでも、一度に100万~150万円前後のまとまった費用がかかる場合があります。
駐車場代がかからない点は戸建の強みですが、建物の維持管理には、どちらも相応のコストが必要になることを理解しておきましょう。
マンションの維持費については、こちらのページもあわせてご覧ください。
マンションの維持費は高い?安く抑えるコツや支払えない場合の対処法を解説
税金の違い
戸建やマンションを購入すると、固定資産税・都市計画税といった税金が毎年かかります。支払う税額は、土地と建物の評価額によって決まります。
土地にかかる税金は、戸建のほうが高くなる傾向があります。マンションは一戸あたりの土地の持分(敷地権)が小さいため、土地部分の税額は低くなりやすいでしょう。
一方で、建物にかかる税金は、マンションのほうが高くなる場合があります。鉄筋コンクリート造のマンションは法定耐用年数が長く、評価額が高い状態が続くためです。対して、木造の戸建は評価額の減少が早く、築20~25年程度で税額も下がる場合があります。
資産価値の違い
マンションの資産価値は立地と管理状態で決まります。駅近物件は需要が落ちにくく、高値で売却しやすいのが強みです。子どもの独立やライフステージの変化などで将来売却する可能性があるなら、立地のよいマンションを選ぶのが現実的といえます。
戸建の資産価値は、建物が古くなっても土地の価値は残る点が特徴です。ただし、駅から遠い郊外の戸建などでは、土地の価格が下落するリスクがあります。流動性を重視する場合は駅近に多いマンションが有利ですが、土地の値段が下がりにくいエリアであれば戸建も選択肢に入るでしょう。
資産価値の調べ方や年数による推移については、こちらのページで詳しく解説しています。
マンションの資産価値を決める10の要素!調べ方や年数による推移も解説
暮らしやすさを左右する「立地と住環境」の比較ポイント

毎日の生活のしやすさは、立地条件や間取り、セキュリティなどの環境によって変わります。主な比較ポイントは、以下のとおりです。
| 項目 | マンション | 戸建 |
| 立地・利便性 | 駅近のエリアに多い 通勤や買い物に便利なケースが多い | 駅から離れた住宅街が多い |
| 広さ・間取り | ワンフロアで家事動線がよい | 面積を確保しやすい 庭や駐車場が確保しやすい |
| 防犯面 | オートロックなどの防犯設備が充実 | 自分で対策する必要がある |
| 騒音・プライバシー | 上下左右の音に配慮が必要 高層階は外からの視線が届きにくい | 建物が独立しているため音をあまり気にせず過ごせる 道路や隣家との距離が近いと視線が気になる |
何を優先するかによって、快適な住まいの形は変わります。それぞれの特徴について解説します。
立地条件・利便性
マンションは、比較的駅が近いエリアに建てられることが多いです。通勤・通学の利便性が高く、車を持たずに生活することも可能です。人気エリアは土地の空きが少なく、新築マンションの供給が限られるものの、既存マンションなら希望エリアで物件が見つかる場合もあります。
一方、戸建は駅から少し離れた閑静な住宅街が中心となります。静かな環境で暮らせますが、駅までの移動にバスや自転車が必要になることも少なくありません。もちろん物件によりますが、利便性と住環境の静けさのどちらを優先するかは判断材料のひとつとなります。
部屋の広さと間取り
マンションの特徴は、すべての居室がワンフロアにあり、生活動線がフラットな点です。広さのバリエーションも豊富で、コンパクトなタイプから100平方メートルを超える大型住戸まで、家族構成にあわせて選べます。
既存マンションであれば、新築よりも物件価格を抑えやすいため、予算をかけて自分好みの間取りにリノベーションすることも可能です。
一方の戸建は平屋もありますが、2階建てや3階建ての物件が多く見られます。広さは立地条件に左右されやすく、都心部では敷地が限られるケースもあるでしょう。郊外であれば、広い部屋や庭、駐車場を確保しやすくなります。
セキュリティと防犯
マンションはオートロック、防犯カメラ、管理人、TVモニター付インターホンなど、セキュリティ面が充実している傾向があります。高層階であれば、外部からの侵入リスクも比較的低いでしょう。不在時の安心感や、安全性を重視するならマンションが向いています。
戸建は窓などの開口部が多く、侵入経路が増えることが考えられます。防犯ガラスやシャッター、ホームセキュリティなどの自主対策をすると安心です。防犯性能を高めるには費用がかかるため、そのコストを見積りに含めたうえで比較検討するとよいでしょう。
騒音とプライバシー
マンションでは、上階の足音や隣家の生活音といった騒音を懸念する方もいるでしょう。その場合、最上階や角部屋を選んだり、隣戸との間に収納がある間取りを選んだりすることでリスクを軽減できます。内見の際に、建物の防音性や住民の属性をチェックしておくのもポイントです。
一方、戸建は建物が独立しているため、子どもが走り回る音などを過度に気にせず過ごせるでしょう。
プライバシーの面では、マンションの高層階などは外からの視線が届きにくく、開放的に暮らせるのが魅力です。対して、戸建は道路や隣家との距離が近いと視線が気になりやすく、フェンスの設置や窓の配置などの工夫が必要になる場合もあります。
マンションの防音性や内見時のチェックポイントについては、こちらのページをご覧ください。
マンションの防音性を確認する方法は?内見時のチェックリストと構造の基準
【ライフステージ別】住まい選びで重視したいポイント

住まいに求める条件は、家族構成や年齢によって変化します。ライフステージごとのポイントを、以下の表にまとめました。
| ライフステージ | マンション | 戸建 |
| 独身・DINKS共働き夫婦 | ・利便性が高く、時間を有効活用できる ・資産価値を維持しやすく住みかえに有利 | ・庭の手入れなどの負担がある ・駅から遠いと通勤が大変 |
| 子育て世帯 | ・セキュリティ面で安心 ・周辺施設の利便性が高い ・足音などの騒音トラブルに注意が必要 | ・土地や家が広いと、のびのび子育てできる ・玄関から駐車場が近く荷物の出し入れが楽 |
| シニア世代 | ・管理が楽な点が魅力 ・バリアフリーの物件だと暮らしやすい ・車を手放しても生活しやすい | ・階段の上り下りが負担になりやすい ・草むしりなどの負担が重い |
現在の状況だけでなく、将来も見据えて検討することが大切です。それぞれのケースについて見ていきましょう。
独身・DINKS(共働き夫婦)の場合
独身の方やDINKS、共働きの夫婦には、利便性が高く、時間を有効に使えるマンションが向いています。
駅に近い物件なら通勤時間を短縮でき、宅配ボックスや24時間ゴミ出し可能な設備があれば、忙しい毎日を支えてくれます。庭の手入れといった維持管理が不要な点も、メリットといえるでしょう。
また、結婚や転勤、出産などによって、将来的にライフスタイルが変化する可能性もあります。いざというときにスムーズに住みかえられるよう、売却や賃貸に出しやすい立地の物件を選ぶことが大切です。
<h3>子育て世帯の場合
子育て世帯には、子どもの声や足音を気にせず過ごせる戸建の魅力が大きいでしょう。玄関付近に駐車スペースを確保できる場合、子どもの乗り降りや荷物の出し入れがしやすいメリットもあります。
一方で、学童や塾へのアクセス、防犯を重視してマンションを選ぶ家庭も多いです。ワンフロアで完結する生活動線が家事・育児に役立つ点も、子育て世帯に選ばれる理由でしょう。専用庭や広いバルコニー付きのマンションなら、子どもの遊び場を作ることも可能です。
なお、広い戸建の場合、子どもが独立したあとに部屋を持て余したり、老後の維持管理が負担になったりするケースも少なくありません。将来の売却や住みかえも視野に入れて物件を選ぶと安心です。
<h3>シニア世代・老後の場合
シニア世代には、バリアフリーと管理の楽さでマンションが選ばれています。階段のないワンフロアの生活は、足腰に不安を感じるようになっても暮らしやすいでしょう。庭の草むしりや建物の維持管理から解放される点もメリットといえます。
スーパーなどが徒歩圏内にあるマンションなら、免許返納後も自立した生活を送りやすいでしょう。郊外の戸建から便利なマンションへ住みかえるシニア層も少なくありません。
迷ったらここを基準に!譲れない条件で決める「マンション vs 戸建」

マンションと戸建で迷った場合は、優先順位を明確にしましょう。どちらに向いているかを判断するために、以下の項目に当てはまるかをチェックしてみてください。
【マンションが向いている人】
- 駅近や交通アクセスのよさを重視したい
- 周辺施設の利便性を優先したい
- セキュリティ・防犯面を重視したい
- 建物の維持管理をプロに任せたい
- フラットな動線で効率的に暮らしたい
- 将来、売却や住みかえをする可能性がある
【戸建が向いている人】
- 広さや部屋数を確保したい
- 駐車場代をかけたくない、車を複数台持ちたい
- 子どもの足音や生活音を気にしたくない
- 庭いじりやDIYを自由に楽しみたい
- 管理費などの月々の固定費を抑えたい
マンションの項目に多く当てはまる場合は、立地や利便性を重視した暮らしが適しています。一方で、戸建の項目に多く該当する場合は、広さや自由度を優先できる環境が合っているといえるでしょう。
すべての希望を満たす物件を見つけるのは難しいため、譲れない条件を決めることが大切です。
まとめ

マンションと戸建のどちらがよいかは、家族構成やライフスタイル、将来設計によって異なります。利便性の高い立地やセキュリティ、管理の手軽さを重視するなら、マンションが有力な選択肢です。自由度が高い住まいを希望する場合は戸建の方が向いているでしょう。それぞれの特徴を理解したうえで優先順位を整理し、住まい選びを進めましょう。
弊社オークラヤ住宅では、「マンションと戸建で迷っている」という方からのご相談も承っております。お客さまの状況やご要望を伺い、プロの視点から最適な住まいをご提案いたします。
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