こんにちは。コラム担当の米川です。

2019年の年末以降、世界中に新型コロナウイルス感染症が拡散し、日本でも政府により2020年4月に緊急事態宣言が発出されました。また、都道府県知事より不要不急の外出への自粛要請や特定業種に対する休業要請がされました。

2020年の4月と5月は自粛要請の影響を大きく受け、以前にも記事にしていますが、首都圏の中古マンション成約数は過去に前例のない大きな落ち込みとなりました。

【緊急】マーケットインフォメーション

コメント 2020-06-01 134605首都圏

この影響なのか、今回は最近増えてきた、中古マンションの買取査定について「何故増加してきたのか?」を考えてみたいと思います。

 

【目次】

■売主が一般個人の方の場合の中古マンションの取引

■買主が一般個人の方の場合の中古マンションの取引

■不要不急の外出自粛要請の影響

■すべての関係者が願う接触機会の減少

■表面化し始めた収入の減少と先行き不安

■売却査定の増加傾向

■買取査定と買取相談の増加

■まとめ

 

 

■売主が一般個人の方の場合の中古マンションの取引

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主に一般の方々が中古マンションの取引をする場合を考えてみましょう。

売主が売却する場合、通常は不動産会社に査定の依頼をします。投資用の物件でない限り、内見に来てもらうのが普通です。
査定の依頼をしたら、事前にメール等で査定書をもらい、査定価格に極端な乖離がないことを確認の上、メール文面や、電話やオンライン通話等で印象の良い会社に限定して、査定してもらうとよいと思います。
査定の依頼先が複数社になる場合、同日に複数社に内見してもらうか、何日かに分けて内見をしてもらうことになります。
ここまでの流れで通常最低でも1週間から2週間の時間を要します。

売却活動の依頼先を選択し、媒介契約を締結し売りに出す段取りが整うまでに約1週間程度必要になるので、ここまでで約1ヶ月程度を要します。

また、売却活動を開始してから買主を見つけ、契約条件を整え、成約に至るまでの時間は近年長期化してきています。
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の調べによると、首都圏で売りに出された新規登録物件が、成約に至って市場から抹消されるまでの期間は、中古マンションの場合、平均81.7日、中古一戸建ての場合、99.3日となっています。

出典:東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2019年)-9-

 

 

■買主が一般個人の方の場合の中古マンションの取引

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買主が購入する場合は、物件を探す時間(ネット上で物件を検索、複数あると思われる内見希望物件の内見申込、同日、または複数日にわたる実際の内見)を抜きに考えた場合でも、購入希望物件の内見申込から、売買契約締結、物件の引き渡し、引っ越しの完了までは概ね2ヶ月前後の時間を要します。

また、通常であればこの2ヶ月の短期間で引越しを含む様々な手続きを行うことになります。市役所への連絡・書類の取得や銀行との融資手続き、司法書士の相談など様々な作業を実施する必要があります。

 

 

■不要不急の外出自粛要請の影響

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先日まで各都道府県知事の要請により実施されていた、首都圏内における不要不急の外出自粛が行われているタイミングでは、一般個人の行動が大幅に制限されていました。
先にご説明した、売主、買主の不動産取引に付随する活動も制限されていたわけではありませんが大幅に減少していました。
また、不動産会社の多くが店頭営業を見合わせ、リモートワークを実施してました。

その結果が、首都圏中古マンション市場の成約物件数の大幅な減少、
4月 前年同月比-52.6%(1,629件)
5月 前年同月比-38.5%(1,692件)
6月 前年同月比-11.0%(3,107件)
という形で表れています。

出典:東日本不動産流通機構 レインズデータライブラリー

先行き不透明感や相場価格の低下期待等、市場の変化も原因の一部と思われますが、それ以上に人々の購入需要・購入行動が減少しているのが問題と思われます。

よほど強い動機がなければ、新型コロナウイルス感染リスクを生じさせてまで積極的な行動はしないと思われます。

 

 

■すべての関係者が願う接触機会の減少

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先に一般個人の方が売主や買主の取引の流れを説明させていただきました。実際にその行動を行った場合、どれだけ不特定多数の人と接触機会を持つようになるのでしょうか?

売主は複数査定を依頼した先の不動産会社の社員、物件を見にくるお客様と同伴する不動産会社の社員、内装の必要があれば内装業者、引っ越しを伴う場合は引っ越し業者、登記手続きで銀行への来店、司法書士との面談が考えられます。

買主は物件内見時の内見依頼先の不動産会社の社員(多分複数になるでしょう)、売主が居住中の物件の場合はそれぞれの物件の売主と売主側の立会をする不動産会社の社員、内装の必要があれば内装業者、引っ越し業者、登記手続きで銀行への来店、司法書士との面談が考えられます。

今回のコロナウイルスの感染拡大が続き、感染拡大の第2波が来れば、4月と5月と同じ事象が発生し、行動制限が行われるかもしれません。

今、不動産会社ではいろいろな対策を取り始めています。
具体的にはなるべく直接接触する機会を減らすために、お客様とのオンライン面談やVR内見の仕組みを整えつつあります。

 

 

■表面化し始めた収入の減少と先行き不安

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ここ2ヶ月ほど、休業要請等で売り上げが90%減少した飲食店等のニュースが多く聞かれました。また、観光地や宿泊業界・旅行業界・運輸業界の一部もかつてないほどの打撃を受けています。驚くべきことには医療関係でも大幅な収益悪化が始まっています。

いつ収束するのか、治療薬が開発されるのか、ワクチンが開発されるのか、見通しの立たない新型コロナウイルスの影響が人々の実収入にも影響を与え始めています。
それに伴い、住宅ローン支払いに対する不安、先行きの生活に対する漠然とした不安を感じ始めている方が多くいると思われます。

 

政府による支援事業を一部記載しておきます。

 特定定額給付金(総務省)はこちら

持続化給付金(経済産業省)はこちら

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(厚生労働省)はこちら

 

 

■売却査定の増加傾向

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いつの時点でマンションを売るべきか?買うべきか?に関しては、コロナウィルスの感染拡大がいつ終わるかによって変わってくると思います。
コロナウイルスの問題が2020年の間に収束するのであれば、収束を待って売却することも可能でしょう。

逆にコロナウイルスの感染拡大が続き、感染者数が増えていくとすれば、再度経済活動は停滞し、不況になり、人々の収入も不安定化し減少すると思われます。
その場合は成約物件数の減少に留まらず、価格も徐々に値下がりしてきます。
それであれば収束を待たず、今すぐ売ったほうが大きな値下がりは防げるでしょう。

収束時期は今、誰にもわかりません。

コロナ禍の真最中にマンションを売りに出すのはおすすめできませんが、売却価格の決定する構成要素は多く、売るタイミングだけですべてが決まるわけではありません。
実際に外的要因(経済情勢等)よりも売却価格に影響するのはマンションの築年数や室内の印象(きれいな状態なのか?劣化が進んでいるか?)が大きな要因となっています。
特に重要なのが築年数で、だんだん古くなるにつれ、どんなに条件が良いマンションでも高く売れなくなってきます。
売りたいマンションの個別要因を考えた場合、コロナ収束を待たないほうが良い可能性もあります。

このところ、私共に寄せられる売却査定は増加傾向で推移しています。この増加傾向は上記のような背景のもと、売主の将来に備えた準備段階なのだと思います。

個別要因も鑑みて適切な対処方法をアドバイスしてもらうとすれば、やはりその道に精通した不動産会社に相談するのが得策だと思われます。
査定によって自身の納得できる金額と条件が出る場合は、躊躇わずに売却することをお勧めします。

 

売却のご相談はこちら

 

買取保証制度とは

 

 

■買取査定と買取相談の増加

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今、売却査定が増えてきています。

とりわけ、仲介の査定ではなく買取査定が増えてきているように感じています。

仲介の査定とは一般のお客様に対して販売する金額等の価格査定になります。
買取査定とは不動産会社に買取してもらう金額等の価格査定です。

 

直接買取とは

 

先にご説明したように、売主が売却意思を固めてから売却が完了するまでの期間は平均約6ヶ月程度必要になってきています。コロナウイルスの問題が解決するまでは、この期間はそれ以上に必要になってくることは想像の通りです。

また、買主はよほど強い動機がなければ、コロナウイルス感染リスクの増加を避けるため積極的な行動をしないと思われます。

また、未知のウィルスによって経済が大きな影響を受けているため、短期的に価格上昇を見込んでいる人は少ないと思われます。

このような情勢から、売主は何カ月も先に確定する、値下がりする可能性が高い「仲介の査定金額」ではなく、現時点での不動産価値を「買取金額」という形で把握したいと思われているのだと想像しています。

住宅ローンの支払いが毎月あり、ボーナス支払い分が年2回あり、将来的な収入減少の可能性があれば、現在のローン返済残高と自宅の売れる金額、どちらが高いのかは切実な問題です。

また、現在の自宅に住んだまま買取をしてもらう方法もあります。ローン支払い金額、ボーナス支払い金額の合計金額より、ずっと安い家賃で借りられるならば自宅を買取してもらって住宅ローンの残高を全額一括返済して、そのまま住み続けることが可能な「リースバック買取」という方法もあります。

 

リースバック買取とは

 

以前から処分を悩んでいた古いマンションを、これを機会に思い切って処分する、それも最も手間がかからず、人との接触機会を最小限にとどめたうえで、とご希望されるご高齢の方がいたとしても何らおかしくありません。

 

 

■まとめ

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現時点で中古マンション価格が急激に、大幅に値下がりする(暴落する)可能性は少ないと思います。大きな値下がりが発生するとすれば、景気後退が続き、人々の購買意欲の減少が今よりも強くなったとき、じわじわと値下がりし、長く続けば続くほど、結果大きな値下がりになってくるものです。

多くの方が求めている需要が高い中古マンションは、標準的な金額で売却するならば、平均的な売却期間よりずっと早い、1~3ヵ月程度で売却できるので、早期に資金が必要でない限り買取ではなく仲介で売却することを引き続き強くおすすめします。

一方、様々な検討を重ねた結果として、後々ご売却をする可能性がある方は、買取を検討してみるべきだと思います。

大きな値下がりが発生した場合、その時点での買取価格は値下がりした相場価格に合わせたものになります。また状況によっては将来の値下がりまで織り込んだ金額になる可能性があります。

ここ最近に買取査定のご依頼を頂いたお客様と同じように、買取を依頼するのではなく、「今、確実な金額はいくらか?」「全額一括返済可能なのか?」「借りるとすれば家賃はいくらなのか?」「仲介で売るべきか?」「買取にするべきか?」等の疑問を解消する手段として、将来の生活設計をする為の材料として、買取査定をお勧めします。