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マンション売却のトラブル事例と対策! 売却後の責任や対処法を解説

マンション売却のトラブル事例と対策! 売却後の責任や対処法を解説

マンション売却は金額が大きく、手続きも複雑なことから、なおさらトラブルなくスムーズに進めたいと考える方がほとんどでしょう。しかし、知識不足や確認漏れにより、予期せぬ問題が発生し、買主から損害賠償を請求されるといったトラブルに発展することもあります。

本記事では、売却時によくあるトラブル事例をはじめ、売主が負う契約不適合責任の仕組みや、問題を未然に防ぐための対策を詳しく解説します。リスクを事前に把握し、対策を講じたうえで売却活動を進められるよう、ぜひ参考にしてください。

マンション売却のトラブル事例

マンション売却では、さまざまな場面で予期せぬトラブルが発生する可能性があります。ここでは、売却活動中から引渡し後までに起こりやすい事例を6つの種類に分けて紹介します。

  • 物件・設備に関するトラブル
  • 支払いに関するトラブル
  • 引渡しに関するトラブル
  • 残置物に関するトラブル
  • 環境に関するトラブル
  • 契約解除に関するトラブル

物件・設備に関するトラブル

引渡し後に、雨漏りやシロアリ被害といった欠陥が見つかり、買主との間でトラブルになることがあります。また、給湯器やエアコンなどの設備が故障していて使えないといったクレームも少なくありません。売主が「使える」と伝えていても、実際には故障していると、買主から契約不適合責任を問われる可能性があります。

契約不適合責任について詳しくは後述しますが、契約内容と異なる不具合があれば、修補費用や損害賠償を請求されるリスクがあります。設備の動作確認は必ずおこないましょう。不具合がある場合は隠さずに告知し、契約書に明記することで、のちのトラブルを回避できます。

支払いに関するトラブル

売買契約締結後に、買主の住宅ローン審査が通らず、売買代金を受け取れない場合があります。

買主が住宅ローンを使う場合、万が一審査に通らなかった際には契約を白紙に戻せる「ローン特約」を付けることが一般的です。「ローン特約」により契約を解除すると、売主は受け取った手付金を無利息で全額返還しなければなりません。

手付金をすでに新居の購入費用や諸費用に使ってしまっていると、返還資金の工面が難しくなります。契約解除のリスクを考慮し、手付金は決済が完了するまで保管しておくと安心です。

また、買主の審査状況は不動産会社を通じて確認し、住宅ローンの事前審査を通過してから売買契約を結びましょう。

引渡しに関するトラブル

売主の都合や準備不足により、約束した日に物件を引き渡せないケースがあります。たとえば、必要書類の不備や鍵の紛失、新居への引っ越しが間にあわないといった事情です。

引渡しが遅れると、買主の引っ越し手配や仮住まいの費用に影響が及びます。その結果、契約内容や状況によっては、実費負担や違約金、契約解除の問題になることがあります。スケジュールには余裕を持ち、必要書類や鍵の保管場所を早めに確認するなど、計画的に準備を進めることが大切です。

残置物に関するトラブル

売却した部屋に、エアコンや照明器具、家具、不用品などが残されていると、トラブルの原因になります。不動産売買において、売主は物件を「空」の状態で引き渡す義務があり、不用品はすべて売主の責任と負担で処分するのが原則です。

特に「まだ使えるから」と売主の判断で残したエアコンや照明器具が、買主にとっては「処分費用がかかる邪魔なもの」としてクレームに発展するケースが少なくありません。これらは「残置物」とみなされ、撤去が完了していないと引渡しそのものが認められないこともあります。

トラブルを防ぐには、「付帯設備表」を活用して「何を撤去し、何を残すか」を1つずつ正確に記録し、双方が合意することが不可欠です。もし買主の希望で残すものがある場合は、必ず書面でその旨を明記しましょう。

環境に関するトラブル

近隣からの騒音や異臭、振動、あるいは近隣住民とのトラブルなどが、入居後にクレームとなることがあります。これらは買主の判断に影響し得る「周辺環境の問題」として争点になる可能性が考えられます。

また、過去にその部屋やマンション内で事件や事故があったことを隠して売却する「心理的瑕疵」も、トラブルに発展しやすいです。人の死に関する事項などは、内容や経過期間などにより告知の要否が定められています。迷う場合は不動産会社に相談し、重要事項説明や契約書への反映を検討しましょう。

契約解除に関するトラブル

一度締結した売買契約を解除しようとすると、手付金や違約金が発生し、売主と買主の間で揉めることがあります。解約手付を定めている場合、相手方が履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄し、売主は手付金を倍返しすることで解除できるのが基本です。

一方、契約の履行に着手したあとは手付金の放棄や倍返しによる解除ができません。契約違反による解除となり、損害賠償(違約金条項があれば違約金)が生じる場合があります。契約解除は多額の負担をともなうため、契約内容や解除条件を理解したうえで手続きを進めることが不可欠です。

マンション売却のトラブルにかかわる「契約不適合責任」とは

売却後のトラブルにおいて特に注意が必要なのが、売主の責任に関する問題です。ここでは、契約不適合責任の仕組みや対象範囲、買主が行使できる権利について解説します。

契約不適合責任の仕組み

契約不適合責任とは、引き渡された物件の種類や品質、数量に関して契約内容と適合しない場合に、売主が負う責任のことです。契約内容に記載されていない不具合があれば、買主は売主に対して補修の対応や代金の減額を求めることができます。

買主がその権利を行使するには、「契約に適合しないことを知ってから1年以内にその旨を通知すること」が民法上で定められています。ただし、売主が個人の場合は、この期間を短縮することができ、引渡し後3か月以内とすることが一般的です。契約書で期間・範囲を必ず確認しましょう。

なお、2020年の民法改正により、「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ、名称と内容が変更されています。

契約不適合責任の対象範囲

契約不適合責任の対象となるのは、建物本体の雨漏りやシロアリ被害などのほか、以下のような主要設備です。

  • 給湯関係:給湯器・バランス釜など
  • 水まわり関係:キッチン・浴室・洗面・トイレ・洗濯用防水パンなど
  • 空調関係:エアコン・床暖房・換気扇・24時間換気システムなど
  • その他:インターホン・ドアチャイムなど

設備の不具合については、契約書や特約で責任期間を短期(引渡し後7日など)に定めるケースがあります。なお、パッキンの劣化や電球切れといった消耗品は、一般的に免責となります。

買主が行使できる権利

契約内容に適合しない点が見つかった場合、買主は売主に対して以下の4つの権利を行使できます。

  • 追完請求(修補請求):売主に修理の対応を求める権利
  • 代金減額請求:修理されない場合に購入価格の減額を求める権利
  • 契約解除:重大な不具合により契約を解除する権利
  • 損害賠償請求:売主に落ち度がある場合に損害を請求できる権利

まずは不具合の修理や代替物の引渡しを求める「追完請求(修補請求)」がおこなわれるのが一般的です。売主が修理に応じない場合や修理が不可能なときは、「代金減額請求」がなされることもあります。

修理にも減額にも応じない場合には、買主が「契約解除」をできる権利もありますが、不具合が軽微と判断される場合には解除できません。

なお、追完請求、代金減額請求、契約解除の3つについては、「売主が不具合を知っていたかどうか」にかかわらず、契約不適合であれば買主は権利を行使できます。一方、損害賠償請求については、原則として売主に過失(帰責事由)がある場合に限られます。

マンション売却のトラブルを未然に防ぐ対策

売却後のトラブルを防ぐには、事前の準備や確認が欠かせません。契約不適合責任のリスクを減らし、安心して取引を進めるための5つの対策を紹介します。

  • 物件状況を正確に伝える
  • 瑕疵保険に加入する
  • 契約書の内容を入念に確認する
  • 重要なやり取りは書面に残す
  • 信頼できる不動産会社を選ぶ

物件状況を正確に伝える

売買契約時に作成する「物件状況等報告書」と「付帯設備表」は、契約不適合責任のリスクを回避するための重要な書類です。事実を正確に記載して買主と合意しておけば、契約内容として扱われるため、あとから契約不適合として争われにくくなります。

ただし、記載が不正確だったり、別の不適合があったりする場合は問題になることもあります。設備の動作確認をしていない場合や調子が悪い場合は、「問題なし」とせず、「不明」や「故障あり」とできるだけ具体的に記載しましょう。

瑕疵保険に加入する

既存住宅売買瑕疵保険への加入は、売却後のトラブル対策として効果的です。この保険は、主に構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分などに欠陥が見つかった場合、補修費用などの負担をカバーする制度です。

売主にとっては、予期せぬ負担を軽減できるだけでなく、買主に対して「保証付きの物件」としてアピールできるため、売却がスムーズに進む可能性が高まります。加入には保険法人所定の検査への適合が必要ですが、安心して取引を進めるための有効な手段です。

契約書の内容を入念に確認する

売買契約書は流し読みせず、特に「特約事項」の内容を細部まで確認することが不可欠です。契約不適合責任を負う期間や、責任を免除される範囲が明確に記載されているかをチェックしましょう。一般的には引渡しから3か月といった期間制限が設けられます。

また、「ローン特約」による解除期限や、買主が自宅の売却ができなかった場合に購入を白紙にできる「買いかえ特約」と呼ばれる特約などの条件も重要です。自分にとって不利な条件になっていないか確認し、不明な点があれば担当者に説明を求めましょう。

重要なやり取りは書面に残す

「言った・言わない」のトラブルを防ぐために、口頭での約束は避け、記録に残すことが大切です。「エアコンは置いていく」「引渡し日を調整する」といった重要な取り決めは、必ずメールや覚書などの書面に残して証拠としましょう。

不動産会社の担当者とのやり取りについても、電話だけでなくメールで履歴を残すように心がけると安心です。記録があれば、万が一認識の相違が生じた際にも、事実関係を客観的に証明でき、トラブルの早期解決に役立ちます。

信頼できる不動産会社を選ぶ

適切なサポートをしてくれる不動産会社を選ぶことで、マンション売却のトラブルは避けやすくなります。書面への記載漏れや告知漏れ、売主と買主の打合せ不足によるトラブルなどは、不動産会社の対応によって回避できるケースが多いからです。

どのような不動産会社を選べばよいか、次の章で解説します。

マンション売却でトラブルを回避するための不動産会社の選び方

パートナーとなる不動産会社選びは、売却をスムーズに進めるうえで重要です。トラブル回避の観点から重視したい選び方のポイントは、次の2つです。

  • 実績豊富で担当者の対応がよい会社を選ぶ
  • 売却後の保証サービスを確認する

実績豊富で担当者の対応がよい会社を選ぶ

査定額の高さだけでなく、対応の丁寧さや知識・経験が豊富かどうかを見て決めることが重要です。実績のある担当者であれば、トラブルになりそうな点に気づいて先回りし、対策を講じてくれます。抜け漏れを防ぎ、買主と売主にわかりやすく説明してもらうためにも、担当者の質の高さが大切です。

会社の販売実績や評判に加え、担当者のレスポンスの早さ、デメリットや根拠を説明してくれるかといった点を確認しましょう。

担当者の選び方やあわない場合の変更方法は、こちらのページで紹介しています。

不動産売却は担当者で決まる!見極めるポイントや担当者を変える方法

売却後の保証サービスを確認する

売却後のトラブルへの不安を解消するために、不動産会社が独自に提供している保証サービスを確認しましょう。たとえば、弊社オークラヤ住宅では「住宅設備保証」と「建物瑕疵保証」を提供しています。

「住宅設備保証」は、所定の検査により基準を満たした設備に修理保証が付くサービスです。なお、製造年数や機器により保証限度額が異なる場合があります。「建物瑕疵保証」では、最長2年間・最高200万円まで、給排水管や住宅防水部、木部の腐食などの修理費用を保証します。

「住宅設備保証」について詳しくはこちら

「建物瑕疵保証」について詳しくはこちら

マンション売却でトラブルが発生した場合の対処法

万が一トラブルが発生した際には、まずは仲介を依頼した不動産会社の担当者に連絡しましょう。買主とのトラブルであっても、不動産会社に間に入ってもらうのが基本です。当事者同士で直接やり取りすると、感情的になり事態を悪化させてしまう恐れがあります。

マンション売却に関するトラブルの相談先

不動産会社を通じても解決しない場合には、第三者機関へ相談するのもひとつの方法です。トラブルの内容や段階にあわせて、適切な窓口を選びましょう。

相談先特徴
不動産適正取引推進機構不動産取引の紛争解決をサポートしている
法テラス(日本司法支援センター)法的トラブル全般の相談ができる
国民生活センター(消費生活センター契約に関するトラブル全般の相談窓口がある

契約解除や金銭的なトラブルについては、消費生活センターや国民生活センターが身近な相談窓口となります。また、不動産取引特有の問題であれば、各都道府県の宅地建物取引業協会や不動産適正取引推進機構の無料相談所を利用するのも有効です。

まとめ

マンション売却におけるトラブルは、契約不適合責任の理解不足や連絡の不備から生じることが多いものの、適切な対策を講じればリスクを軽減できます。

物件状況を正確に伝え、実績豊富な不動産会社をパートナーに選ぶことが安全な取引をおこなうポイントです。不安な点はプロに相談し、保証サービスなども活用しながら進めましょう。

弊社オークラヤ住宅では、マンション売却のご相談を以下より承っております。
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お客さまの状況を丁寧にお伺いし、最適な売却プランをご提案いたします。
ご不安な点などございましたら、お気軽にご相談ください。