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令和3年度(2021年度)税制改正まとめ

令和3年度(2021年度)税制改正まとめ

今年も不動産購入に関する税制について、変更点がありました。

今回の変更は、新型コロナウイルスによる経済の不透明さに対応した内容が多く、主に特例の要件緩和や期間延長を中心に行われました。

では、主な変更点をまとめましたので確認していきましょう。

【目次】
1、住宅ローン控除の期間延長と要件の緩和
(1)住宅ローン控除とは
(2)令和3年度の変更点
・入居期限を延長
・床面積(登記面積)の要件緩和
2、住宅取得資金贈与の非課税特例の要件緩和と非課税枠の据え置き
(1)住宅取得資金贈与の非課税特例とは
(2)令和3年度の変更点
・非課税限度額の据え置き
・床面積(登記面積)の要件緩和
3、すまい給付金
(1)すまい給付金とは
(2)令和3年度の変更点
・入居期限の延長
・床面積(登記面積)の要件緩和
4、まとめ

1、住宅ローン控除の期間延長と要件の緩和

(1)住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を取得等した場合、住宅ローン年末残高の1%を10年間(最長13年間)、所得税等から控除する制度のことをいいます。住宅購入を検討している方は、一番耳にする税制優遇のひとつではないでしょうか。

こちらの制度はもともと10年間、所得税等を控除するとしてスタートしましたが、令和元年10月の消費税改定(8%→10%)に合わせて、消費税10%の課税物件については、控除期間を3年延長して最長13年とすることになっています。

(2)令和3年度の変更点

・入居期限を延長
令和元年の変更時は、最長13年間の控除を受ける場合、令和2年12月までの入居が条件でしたが、令和3年度の変更で入居期限が令和4年12月31日まで延長がされています。

ただし、こちらの適用を受けるためには、住宅を新築する場合には令和2年10月1日~令和3年9月30日までに、新築住宅や中古住宅を購入する場合は、令和2年12月1日から令和3年11月30日までに売買契約等を締結していることが条件となっています。(中古住宅の場合は、消費税課税物件に限る)

・床面積(登記面積)の要件緩和
従来の住宅ローン控除の適用の要件を満たす床面積は、50㎡以上となっていましたが、令和3年の変更で40㎡以上に緩和されました。

ただし、こちらも適用を受けるには従来の条件にプラスして以下の条件を満たす必要があります。

条件1 控除適用年の合計所得が1,000万円以下であること
条件2 消費税10%が適用される住宅を取得すること
条件3 入居を令和3年1月1日~令和4年12月31日までに終えること

の三つの要件が整った場合、取得する購入物件の床面積が50㎡未満であっても40㎡以上であれば、住宅ローン控除の適用が受けられるようになりました。

その他、住宅ローン控除に関する基本要件や仕組みは、こちらをご参照ください

2、住宅取得資金贈与の非課税特例の要件緩和と非課税枠の据え置き

(1)住宅取得資金贈与の非課税特例とは
父母や祖父母から、援助をもらって住宅を購入する方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。今は特に新築、中古住宅ともに価格が高騰しており、住宅ローンと自己資金の組み合わせで購入する方も増えています。

このように、父母や祖父母から資金援助を受けた場合、これは「贈与」に該当し、贈与税が課せられます。しかしその資金援助が「住宅等を取得する」用途に使用される場合には、一定額まで、贈与税を非課税にすることになりました。これが、住宅取得資金贈与の非課税特例制度です。

(2)令和3年度の変更点

・非課税限度額の据え置き
令和元年時点の変更では、消費税10%が適用される省エネ等住宅で令和3年3月31日までに売買契約を締結した場合には、1,500万円の非課税枠があり、その後の令和3年4月~12月までに売買契約を締結した場合には、非課税枠が1,200万円に引き下げるとなっていました。

しかし令和3年度の改正では、令和3年4月~12月までに売買契約を締結した場合であっても、引き続き非課税枠1,500万円に据え置くことになりました。

これに伴い、消費税10%である場合の省エネ等以外の住宅も当初、非課税枠1,000万円から700万円への引き下げが1,000万円に据え置きになっています。

・床面積(登記面積)の要件緩和
住宅ローン控除の変更と同様に、住宅取得資金贈与の非課税特例も床面積(登記面積)の要件緩和が実施されました。

内容は、受贈者の合計所得が1,000万円以下の場合に限り、床面積40㎡以上の物件にも適用が認められるようになりました。(消費税課税物件に限る)

その他、住宅取得資金贈与の非課税特例の基本要件や仕組みは、こちらをご参照ください

3、すまい給付金

(1)すまい給付金とは
すまい給付金とは、消費税の増税による負担を軽減する目的で、一定の年収要件等を満たす住宅取得者に給付金を支給する制度のことをいいます。最大50万円の給付が受けられ、不動産購入者への大きな支援策となっています。
すまい給付金は8%への消費税増税時に制度がスタートし、10%への増税時に制度の拡大が行われています。そして、令和3年の変更でも新型コロナウイルスの影響を考慮した変更が行われました。

(2)令和3年度の変更点

・入居期限の延長
これまで、すまい給付金の支給条件として令和3年12月31日までの入居が定められていましたが、住宅ローン控除の延長に足並みをそろえる形で、令和4年12月31日までの入居と延長がされました。

※1ただし、住宅ローン控除の延長と同様に、住宅を新築する場合には令和2年10月1日~令和3年9月30日までに、新築住宅や中古住宅を購入する場合は、令和2年12月1日から令和3年11月30日までにそれぞれ、売買契約等を締結していることが条件となっています。(中古住宅の場合、消費税課税物件に限る)

・床面積(登記面積)の要件緩和
すまい給付金も従来の床面積50㎡以上から、40㎡以上に要件が緩和されています。ただしこちらも、前述した、※1の条件を満たす場合にのみに限ります。

その他、すまい給付金の基本要件や仕組みは、こちらをご参照ください

4、まとめ

令和3年(2021年)の変更点は、主に要件緩和と延長を中心に行われました。しかしながら、それらの適用を受けるには、新たな要件が出てきています。しっかりと整理した上で、適用される優遇策を確認していきましょう。